一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

旅の思い出の善し悪しは、何で決まるか

2014-10-06 19:39:51 | プライベート
私の沖縄旅行は夏だが、一度だけ秋に訪れたことがある。もう15年近く前、ANAが9月20日の空の日を記念して、全路線10,000円の企画を打ち出したことがあった。その沖縄行きのチケットが奇跡的に取れたからである。
沖縄は本島をメインに旅行し、北部奥地の「奥集落」を訪れたりして、それなりに充実した行程となった。
本島から行ける離島にも行った。ある島に訪れたときは宿泊するしかなかったので、海水浴場から徒歩1分の民宿に予約を入れた。がこれが曲者で、海水浴場は2つあり、ひとつは一般観光客が気軽に入れる穏やかな海、もうひとつはダイビングに適した海だった。
宿は後者近くで、こちらは前者の海から徒歩で20分くらい離れていた。私はもちろん前者の海に入ったから、盛大に歩かされた。宿の案内は時折こうしたフェイクがあるから、気を付けなければならない。
民宿の部屋は母屋ではなく、裏手にあるプレハブ系のそれだった。室内は二段ベッドがひとつあるだけ、それほど広くないので、この部屋では眠るのみである。
食事の時間になったが、それは部屋の前の裏庭で摂ることになった。同宿者はほとんどが男性で、お互いが顔見知りのようだった。どうもこの島と海と宿が好きで、休みのたびに訪れているらしかった。
私が「ダイビングをせず、向こうの海で泳いできた」と言うと、一様に何とも言えない顔をされた。ダイビングをしないなら、この宿に泊まるな、とでも言いたげだった。
ヘルパーさんは数人いたが、宿泊客とヘルパーさんは顔見知りで、客が率先して母屋から食事を運んだ。もちろん私も手伝う羽目になった。しかしこれでは客のほうが働いていて、あべこべである。ヘルパー、働け!

食事のあとはゆんたくの時間になった。テーブルの上にディスプレイのようなものが置かれ、みんながデジカメやビデオを持ち寄ると、それをディスプレイに映し始めた。きょうの成果の上映会というわけである。
しかし…である。私も沖縄の海は好きだが、これは生で見るからいいのであって、ヒトの子供の写真を延々と見せられてウンザリするのと同じように、こんな動画をバカ話込みで見せられたって、こちらは面白くも何ともない。
客がクーラーボックスを持ってくる。中にはオリオンビールが入っていた。沖縄の民宿では泡盛などが無料のケースはよくあるが、私は飲まないので遠慮する。しかし執拗に勧めてくるので、1本いただいた。まったく、それより一刻も早く自室に戻りたいが、私ひとりヒケたら、顰蹙を買う。ここはじっと我慢の子だ。
しかし動画は、本人お気に入りの箇所で一時停止や巻き戻しが繰り返され、ちっとも先に進まない。数十分の動画再生が終わり、やっと解放されると思ったら、また最初から再生する始末。こんなもの、1回見れば十分だろう!? 私は心底ウンザリした。
結局「上映時間」は、1時間半ぐらいだったろうか。こんなに退屈な時間は久々に経験した。
お開きの時間になったが、みんながおカネを出している。聞くと、オリオンビールは有料だった。オイオイそれなら、こっちに無理に勧めるなよ、という感じである。2本で600円(!)の支払いは、予定外の出費だった。
翌朝、チェックアウト。前夜は涼しく、冷房は1回も入れなかったが、冷房費はしっかり1,000円取られていた。

まったく、何から何まで不満だらけだったが、ちょっと別の方向から考えてみる。
もし今回の宿泊者が、女性だけだったらどうだったか。女性ばかりのゆんたくの中で、彼女らが撮影した沖縄の海を、みんなでワイワイ言いながら鑑賞する。これは最高に楽しい時間になったことだろう。
結局、旅の思い出の善し悪しは、ヒトとの出会いで決まるのである。
コメント
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