一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

週刊将棋休刊

2016-04-03 19:50:28 | 将棋雑記
今朝見た夢は、私が将棋の実戦を指していたと思うのだが、巧妙な詰み筋があって、夢の中ながら感心した。
中段玉(△5四あたり)で、▲7五あたりに竜がいた。以下▲6五金△4四玉▲5五金△3四玉▲4五金…と横に追って、最後は角打ちで詰み。
実に見応えのある夢だった。

   ◇

3月30日発売号をもって、「週刊将棋」が休刊となった。
かつて「将棋マガジン」「近代将棋」が休刊になった時は、最終号でいきなり休刊の告知があったので、こちらも面食らった。まあ休刊のお知らせとは、概してこういうものである。
対して週刊将棋は、そのお知らせが半年前に出るという、異例の措置が取られた。もちろん寝耳に水で、本当に驚いた。
いや、週刊将棋が赤字っぽい、という噂は以前からあった。ただ、将棋マガジンと近代将棋の晩年が、記事がやせてページ数が少なくなっていたのに対し、週刊将棋はタブロイド版・24ページだったこともあり、記事自体は充実していた。
しかも同紙が主催するマイナビ女子オープンでは、予選一斉対局で懸賞金が200本も付いたりして、これはマイナビもウハウハなんじゃないか、と邪推したものだった。
仮に赤字でも、マイナビはほかの出版物が堅調だし、週刊将棋の赤字ぐらい、ほかで補填できると思っていたのだ。
しかしネットにおける情報伝達の早さは凄まじく、週刊将棋は私の想像以上に、売り上げを悪くしていたようである。何しろ同紙自体が、ネットで充実した記事を速報していたのだ。これでは週刊将棋を買わずとも、ネットで済ませる読者が激増してしまう。
それに考えてみれば私自身も、ここ数年間、購入を止めていた。
サラリーマン時代は出先のKIOSKでひょいと買ったが、会社を辞めて自宅勤務になってからは、わざわざ駅前まで買いに行くのが億劫になってしまった。
週末に外へ出ることはあるが、月曜に店頭に出ているものを、土日に買う気は起こらない。結局、自然と週刊将棋から遠のいてしまった。
さて、休刊まで半年という猶予期間ができ、こちらも心の準備ができたのだが、その反面、休刊までのカウントダウンを意識せざるを得ない状況になり、将棋界の中で妙な感心が集まった。それは鉄道の廃線が数ヶ月前に告知され、全国から注目が集まる現象と似ていた。
今月に入り、室谷由紀女流二段の記事が出たこともあって、私はラスト4号から購入した。マイナビからしたら、こうやって毎号購入してくれれば、休刊しなくて済んだんですよ、とイヤミのひとつも言いたいところだろう。
最終号は、羽生善治名人をはじめ、大物棋士や女流棋士のコメントがあり、大団円だった。これも事前に休刊を知らせた副産物といえるが、珍しい展開である。
こうして週刊将棋は、32年の歴史に幕を下ろした。編集部の皆様、お疲れさまでした。

鉄道が廃線になると、レールが剥がされ、跡地が道路になり、家が建ち、もう復活はあり得ない。
しかし新聞の復刊は、いつでもできる。最終号でもどなたかが綴っていたが、世の中何が起こるか分からない。また印刷物が注目を浴び、週刊紙の需要が起こるかもしれない。
その時編集部の面々が再集結して「週刊将棋」を復活させれば、愉快ではないか。
「週刊将棋」の復刊はある――。私は本気でそう考えている。
コメント
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