一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第9回宴会将棋(後編)

2016-04-22 12:32:47 | 宴会将棋

第3図以下の指し手。△1五角▲2八銀△3八銀▲3九銀△同銀成▲2七飛△3八金▲2六香△4八銀▲4六角△2九成銀▲同飛△3九銀成▲2七飛△3五桂▲同角△同歩▲2八金△同金▲同飛
△3八角(第4図)

Taga―Ok戦はまだ続いているが、Tod氏はすでに帰っている。
私は△1五角と打った。▲4二飛以下の詰めろを防ぎつつ、△3七角成以下の詰みを見た、いわゆる「詰めろ逃れの詰めろ」だ。
横の植山悦行七段が、ほほゥ…とつぶやく。「手はあるもんだなァ。…これは読んでませんでした」
このあたりで植山七段が、完全に本局にのめり込む。「これはおもしろくなってきましたねえ」
△1五角は、△3七角成▲2八飛△同馬▲同玉△3八飛▲2七玉△3六金以下の詰めろ。しかるにHon氏は、危機感もなく▲2四歩。あまりにもガッカリの手で、これでは△1五角の輝きが失せる。
Hon氏はさっきも、私の△2七竜に▲同角と取りかけたが(それは詰む)、もうちょっと終盤のヨミを入れてくれないかと思う。
▲2四歩はもちろん待ったとなり、以下もゴチャゴチャした戦いが続く。
先手は▲2八銀から金を入手したが、まだ詰めろはほどけていない。すなわち△3七角成▲2八金に、△2九金▲同玉△1九金▲同玉△2七桂▲2九玉△3八銀▲同金△1九馬まで、綺麗な詰みがある。
▲2七飛にも私は、詰めろ詰めろで迫る。たとえば△4八銀は遠巻きの攻めだが、△2九成銀▲同飛△同金▲同玉△3九飛以下の詰めろ。しかし植山七段は△4八銀で「△2九金▲同飛△3八銀」を示す。なるほどこれなら寄っていた。
植山…いやHon氏の▲4六角が妙防で、なかなか寄らない。
△3五桂、△3五同歩もまた詰めろ。しかし3四の地点が空いたので、私は自玉のイヤな詰み筋が見えていた。

第4図以下の指し手。▲2九銀△同成銀▲同飛△同角成▲同玉△5九飛▲3九銀△2七銀▲2二金△同玉▲3四桂△3二玉▲4二飛△同角▲同桂左成△同金▲同桂成△同玉▲5三銀成△3一玉
▲4二角△3二玉▲4一角(投了図)
まで、159手でHon氏の勝ち。

▲2九銀に、私は△同成銀~△5九飛~△2七銀と迫る。これで先手玉は一手一手だ。
Hon氏(植山七段)は▲2二金。実はこちらからの攻めを恐れていたのだ。
△2二同玉(△3三玉は、▲2四角(参考3図)の鬼手があり先手勝ち、が、さっき私が出した結論)に▲3四桂。この桂を打たれるのが、3四の地点を開けた罪である。

私は△3三玉と逃げかけたが「それは▲2二角△3四玉▲4四飛(参考4図)で先手勝ち」と植山七段。
さっきは持ち駒が銀だったから△3四玉が利いたが、今回は角なので詰む。ここでの読み抜けは痛かった。

私は仕方なく△3二玉と寄るが、▲4二金以下平易な詰みとなった。無念の投了である。

「穴熊ってこう指すんですねえ。勉強になりました」
とHon氏。
変態穴熊だったがやはり穴熊で、頑強に補強をされて、容易に攻略できなかった。
「いい将棋でした」
植山七段も満足げに言う。「終盤は大沢さんにも勝ちがあったんじゃないかな。調べてみないと分からないけれども」
私は残念な結果に終わったが、宴会将棋らしからぬいい将棋が指せたので、佳しとしよう。
時刻は午後11時を大きく回り、これにて散会。宴会将棋は楽しいが、いかんせん将棋の質が悪くなる。このシステムがベストなのかどうか、考えどころであろう。
コメント (2)
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