ああ熊本城

14日夜に熊本県で起こった大地震にはビックリした。テレビに「震度７」と見慣れぬ数字が出て、地名との組み合わせに大きな違和感を覚えた。「九州」と「地震」が結び付かなかったのだ。とにかく、大変なことが起こってしまった。
熊本県は私にとってなじみ深く、毎年何やかやと訪れている。昨年も５月と12月にお邪魔して、食と温泉を堪能した。
先日もテレビの「ブラタモリ」で、熊本城周辺が２回に渡って放送された。不幸にも私は前編を見損ねたが、熊本の味わい深い街並みを目にして、旅情がかき立てられていたところだった。
この地震で亡くなられた方は９人と少なかったが、不幸だったのは16日未明の地震だ。まさかこちらが「本震」とは思わないから、不意を突かれた。
この地震で亡くなられた方が多かったのが痛ましい。
14日の地震で家屋に大事がなかったならば、わざわざ避難所に行かずとも、自宅で夜を明かしたいと思うのが人情だ。その選択を誰が責めることができようか。
せっかく14日の地震で惨事を免れたのに、何という不運だろう。亡くなられた方々には、心よりご冥福をお祈りします。
重ねて痛ましいのが熊本城の惨状だ。威風堂々としていた天守閣の瓦はすべて落ち、傍らの櫓が全壊し、石垣があっちこっちで崩壊した。天守閣は往年の姿を留めず、まるで合戦の後みたいになった。あまりにも痛々しくて、直視できない。
熊本城は現在復元整備工事の最中で、一般市民からも一口城主を募っていた。それもすべて灰燼に帰した形だ。
熊本城は熊本県人の宝、心の拠り所で、この精神的ダメージは計り知れない。熊本在住の被災者には、これがいちばん大きいと思える。
地震の範囲はじわじわと拡大し、被害は九州全土に拡がりつつある。私にできることは何もなく、せいぜいどこかに募金するのみだ（ただ、それが何に遣われるか分からず、懐疑的になっているのだが）。とにかく政府は被災地の復旧を第一に考え、全力を注いでほしい。
地震に遭われた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。