一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第9回宴会将棋(前編)

2016-04-20 00:03:48 | 宴会将棋
かなり前の話になるが、3月27日(日)、蕨駅前の居酒屋「松祥」にて、第9回目の「宴会将棋」があった。
当日は午後3時から開宴だったが、私は5時50分ごろに入った。いつもの個室である。
先客は植山悦行七段、Hon氏、Tod氏、Taga氏、Yam氏の5人だった。もう宴たけなわで、Hon―Yam戦、Tod―Taga戦が行われていた。
植山七段は風邪がひどいらしく、ハナ声だ。
「この前は寝てましたよ」
いかにも辛そうだったが私も体調がわるく、鼻がグズグズしていた。
みなに促されて、私は生ビールを注文する。私はアルコールはやらないが、最初の1杯だけはつきあいで飲む。
しばらくしてHon―Yam戦が終わり、Hon氏の勝ち。Yam氏は初段を目指している感じで、Hon氏と平手はキツかったようだ。
次は私と指しましょうか、という話も出たが、Yam氏はここで退席となった。
私は焼うどんを注文する。みんなで食べる予定だったが、私が鼻をグズグズしているので、誰も箸をつけない。結局、私だけが食すことになってしまった。
私はTaga氏と指すことになった。手合いは何でもよかったのだが、私の飛車香落ちになった。私はこの手合いが苦手で、これなら二枚落ちで指したほうがいいくらいだ。
ともあれ対局を開始したが、角を換わった△2二金の形で、私が△6四銀と出たのが大悪手。すかさず▲3一角と両取りに打たれ、すべてが終わった(投げた)。
△6四銀では△3二金と寄り、金銀の連結を密にしておくべきだった。
続いて私の飛車落ちで指し直す。例の定跡になり、Taga氏が▲4五歩。これを△同歩だと▲同銀以下相手の読み筋通りになるので、私は△同桂と変化する。以下▲同桂△同歩▲同銀△7七角成▲同桂△4四歩▲5六銀に△3八角と打ち、馬を急所に作ったところで、植山七段の「タオル」が入った。すなわちこれで終了である。
感想戦に入り、植山七段の講義となる。△4四歩には▲同銀と取り、△同銀右に▲5六桂で、以下バリバリ攻める、これが植山七段の主張。これでも難しい戦いが続くが、飛車落ちは下手が攻めるものだという。私も勉強になった。
しばらくしてOk氏が来店したが、実は再来店。ちょっと用事があったらしいのだが、開宴時間が長いのでこんな離れ業ができる。
そのOk氏とTaga氏が指すことになった。相振り飛車になった。角を換わり、Ok氏は▲4三角と飛車取りに打つ。Taga氏は飛車を逃げつつ、桂を守って△3一飛。
その隣では、Hon―Tod戦が指されていた。手合いはHon氏の二枚落ちだった。
Ok氏は▲6四歩と打ち捨て、▲6三歩。これは△同金でタダだが…。
Ok氏、▲2一角成! △同飛に▲7五桂と打った。
「ほおー…」
私と植山七段は、思わず声を挙げる。
これ、一見Ok氏が快調に攻めているようだが、Ok氏が金を取り返しても、角歩2と金の交換で、Ok氏が損している。すなわち無謀な攻めである。
Ok氏は無駄に大駒を切るのが好きで、上手は対局のたびにそれを注意する。最近はOk氏の棋力の向上とともに暴発も少なくなり、私たちは安堵していたのだが、うっかりすると病気が出てしまう。
それにしても今回はいかにもOk流で、さすがに本家の無理攻めは違うと、私たちは呆れるのを通り越して、感心したのであった。
局面はTaga氏優勢。しかし、先手・2九桂、3七歩、3八銀、4八玉。後手・2六馬、3六歩、4五桂の局面で、Taga氏が△3七歩成▲同桂に△同桂成としたのが逸機だった。
以下いろいろあり、Ok氏が逆転勝ちした。
戻ってTaga氏の△3七同桂成では、当然△3六歩とするところ。これで先手はどうすることもできない。植山七段が講義するまでもなく、これでTaga氏が必勝だった。
Taga氏は有段の免状を持つ実力者である。そのTaga氏が△3六歩のような簡単な決め手を逃す。これも酒が入っているからだろうか。せっかくプロ棋士をお招きしているのに、もったいないことだと思う。
私は焼きそばも注文する。Hon―Tod戦はHon氏が勝ち、Hon氏の六枚落ちで2回戦が始まっていた。それにしても六枚落ちとは…。みんな酒が入って、正常な判断が鈍っているらしい。
Ok―Taga戦も2回戦。今度はOk氏が居飛車を指した。右桂を跳ね、しっかり指している。
Taga氏は高美濃に組み、△8三銀。すかさず植山七段が
「Okさん、ここは大駒を捨てていいんですよ」
しかしOk氏はなかなか指せない。とりあえず▲2四歩△同歩と突き捨てた。さて、ここでどう指す。

(つづく)
コメント (2)
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