サンバのダンサーは10人近くおり、フロアが華やかになった。皆さん美人で、抜群にプロポーションがいい。せまいスペースを縦横に動き、ここだけが真夏になった。
踊りが終わって、会場から盛大な拍手。そして工藤めぐみさんが語る。
「今年は夏にリオのオリンピックがあります。そしてリオの次は東京です。リオから東京にリレーなんて、何て素晴らしいことなんでしょう! 私も今年のリオでは、何かの形で参加できればうれしいです」
最後は再びみんなで踊って、大団円となった。
すごいよすごいよ! すごい迫力に私は感動を隠せない。こんなにすごいんなら、パレードにも出てくれればよかったのに! あっ、この雨か!!
まさか雨合羽を着て行進するわけにもいかぬ。まったく、うらめしい雨だった。
私はその後もほうぼうを見て回る。しかし前述の通り、この雨では観光の意欲が殺がれる。午後4時にカーネーションステージに行ったが、すごい人ごみである。人をかき分けてまで芸能人を見たくないので、ここはパスした。というか、もうフラワーフェスティバルはこれでいいだろう。
私は広島バスセンター方面に戻る。途中、方向を変えれば原爆ドームに着くが、行く気は起らなかった。原爆ドームは観光地にあらず。今の軽い気持ちで訪問はできない。
さすがに腹が減ってきた。ここ広島では、堀川町でうまいうどんを食べさせてくれる店があったのだが、数年前に再訪した時は、つぶれていた。
また駅近くの回転寿司では、みずみずしいイカのにぎりを食べさせてくれた。俗に「イカは漁師の甘菓子」というが、こんなに旨いイカを食べたことはなかった。
あの回転寿司にまたお邪魔したいが、例によってこの雨で、行動意欲が薄れている。
もうめんどうくさいからバスセンターに入り、そこで腹を満たすことにした。
さらば広島。フラワーフェスティバルはよかったけど、この雨にはいささか閉口したよ。
バスセンターに入ったが、まず窓口で、バスの変更である。17時05分の福岡行きバスに空席があったので、そちらに代えてもらった。
リュックを下ろすと、雨でびっしょりになっていた。「将棋世界」が、マイナビの袋に入れていたのに、雨で濡れてびちゃびちゃなっていた。さらに「旅ノート」も濡れていた。あーっ、こういうことになるんだよな…。
注意深い人ならビニール袋にくるんだのだろうが、私にはこういう危機管理能力がない。それでいつも失敗しているのだ。
気を取り直して、「あっ晴れ」という中華料理店に入る。カウンターだけの店だが小奇麗にしており、この類の店は経験上、外れなしのラーメンを食べさせてくれる。
私はラーメンと半チャーハンのセットを頼む(790円)。結局このオーダーになるのだ。
ラーメンにはチャーシューが2枚載り、もちろん美味かった。
向かいに「BREMEN」という喫茶店があったので、入る。セルフサービスになっており、私はブレンドを注文した(260円)。
旅の合間に喫茶店で一息、は私の好きなスタイルである。カウンターに座ったが、コンセントが設置されている。今風で、スマホのチャージにどうぞ、ということだろう。私もそれに甘えさせていただいた。
17時05分の高速バスに乗る。座席は2Dで、悪くない。
バスは高速道路に入った。私はまた「将棋世界」を取り出すが、若干読む気が失せる。
バスがトンネル内に入った。と、大型トラックが不自然に停まっていた。その右手に、転倒したバイク。
少し走ると、今度は自動車が停まっていた。これら3つまとめて、何らかの事故があったと見るべきだろう。まことにお気の毒だが、死亡事故になっていないだけいい。
バスは下松SA、吉木SA…と停まる。私はあずきモナカ(140円)を買って旅気分を盛り上げるが、これが余計な摂取カロリーとなる。だがダイエットは、帰京してからでいい。
朝が早かったので、バスではうつらうつらした。
博多駅前のバスセンターには、定刻21時37分より14分早く到着した。
この日の宿は決めておらず、またネットカフェを利用するつもりだ。ゴールデン・ウィーク中ではあるが、どこかに1室くらい残っているだろう。
さて、遅い晩飯である。駅の反対側に飲食店街がある。その中の「吉野家」に入った。このあたり、東京の食事とまったく変わらない。
牛鮭定食(580円)を頼む。出されたそれは、ご飯の量が少なくなっていた。
むかしは牛丼のドンブリに白飯がこんもりあったが、現在はふつうのお茶碗に盛られている。それで思ったのだが、牛皿は肉が2~3切れしかないし、各単価を合計すると、それぞれを単品で頼むより、かなり割高になっていた。
私はこういう騙され方に憤慨するほうで、ひとり気分を害した。
吉野家を出て、サイバック博多駅前店に入った。フラットブースが空いていたのは何より。「12時間パック」を選び、これで一夜の宿が確保できた。
ブログなどを書いたりして、日付が変わった。私は受付にシャワーの予約に行くと、6人待ちだという。今からだとかなり遅くの呼び出しになります、と係の人が言うから、それでもいい、と言った。
私は1時40分に横になった。しかしシャワーがあるから眠ることはできない。
だが、2時、3時、4時を過ぎても、係の人は呼びに来ない。
(つづく)
踊りが終わって、会場から盛大な拍手。そして工藤めぐみさんが語る。
「今年は夏にリオのオリンピックがあります。そしてリオの次は東京です。リオから東京にリレーなんて、何て素晴らしいことなんでしょう! 私も今年のリオでは、何かの形で参加できればうれしいです」
最後は再びみんなで踊って、大団円となった。
すごいよすごいよ! すごい迫力に私は感動を隠せない。こんなにすごいんなら、パレードにも出てくれればよかったのに! あっ、この雨か!!
まさか雨合羽を着て行進するわけにもいかぬ。まったく、うらめしい雨だった。
私はその後もほうぼうを見て回る。しかし前述の通り、この雨では観光の意欲が殺がれる。午後4時にカーネーションステージに行ったが、すごい人ごみである。人をかき分けてまで芸能人を見たくないので、ここはパスした。というか、もうフラワーフェスティバルはこれでいいだろう。
私は広島バスセンター方面に戻る。途中、方向を変えれば原爆ドームに着くが、行く気は起らなかった。原爆ドームは観光地にあらず。今の軽い気持ちで訪問はできない。
さすがに腹が減ってきた。ここ広島では、堀川町でうまいうどんを食べさせてくれる店があったのだが、数年前に再訪した時は、つぶれていた。
また駅近くの回転寿司では、みずみずしいイカのにぎりを食べさせてくれた。俗に「イカは漁師の甘菓子」というが、こんなに旨いイカを食べたことはなかった。
あの回転寿司にまたお邪魔したいが、例によってこの雨で、行動意欲が薄れている。
もうめんどうくさいからバスセンターに入り、そこで腹を満たすことにした。
さらば広島。フラワーフェスティバルはよかったけど、この雨にはいささか閉口したよ。
バスセンターに入ったが、まず窓口で、バスの変更である。17時05分の福岡行きバスに空席があったので、そちらに代えてもらった。
リュックを下ろすと、雨でびっしょりになっていた。「将棋世界」が、マイナビの袋に入れていたのに、雨で濡れてびちゃびちゃなっていた。さらに「旅ノート」も濡れていた。あーっ、こういうことになるんだよな…。
注意深い人ならビニール袋にくるんだのだろうが、私にはこういう危機管理能力がない。それでいつも失敗しているのだ。
気を取り直して、「あっ晴れ」という中華料理店に入る。カウンターだけの店だが小奇麗にしており、この類の店は経験上、外れなしのラーメンを食べさせてくれる。
私はラーメンと半チャーハンのセットを頼む(790円)。結局このオーダーになるのだ。
ラーメンにはチャーシューが2枚載り、もちろん美味かった。
向かいに「BREMEN」という喫茶店があったので、入る。セルフサービスになっており、私はブレンドを注文した(260円)。
旅の合間に喫茶店で一息、は私の好きなスタイルである。カウンターに座ったが、コンセントが設置されている。今風で、スマホのチャージにどうぞ、ということだろう。私もそれに甘えさせていただいた。
17時05分の高速バスに乗る。座席は2Dで、悪くない。
バスは高速道路に入った。私はまた「将棋世界」を取り出すが、若干読む気が失せる。
バスがトンネル内に入った。と、大型トラックが不自然に停まっていた。その右手に、転倒したバイク。
少し走ると、今度は自動車が停まっていた。これら3つまとめて、何らかの事故があったと見るべきだろう。まことにお気の毒だが、死亡事故になっていないだけいい。
バスは下松SA、吉木SA…と停まる。私はあずきモナカ(140円)を買って旅気分を盛り上げるが、これが余計な摂取カロリーとなる。だがダイエットは、帰京してからでいい。
朝が早かったので、バスではうつらうつらした。
博多駅前のバスセンターには、定刻21時37分より14分早く到着した。
この日の宿は決めておらず、またネットカフェを利用するつもりだ。ゴールデン・ウィーク中ではあるが、どこかに1室くらい残っているだろう。
さて、遅い晩飯である。駅の反対側に飲食店街がある。その中の「吉野家」に入った。このあたり、東京の食事とまったく変わらない。
牛鮭定食(580円)を頼む。出されたそれは、ご飯の量が少なくなっていた。
むかしは牛丼のドンブリに白飯がこんもりあったが、現在はふつうのお茶碗に盛られている。それで思ったのだが、牛皿は肉が2~3切れしかないし、各単価を合計すると、それぞれを単品で頼むより、かなり割高になっていた。
私はこういう騙され方に憤慨するほうで、ひとり気分を害した。
吉野家を出て、サイバック博多駅前店に入った。フラットブースが空いていたのは何より。「12時間パック」を選び、これで一夜の宿が確保できた。
ブログなどを書いたりして、日付が変わった。私は受付にシャワーの予約に行くと、6人待ちだという。今からだとかなり遅くの呼び出しになります、と係の人が言うから、それでもいい、と言った。
私は1時40分に横になった。しかしシャワーがあるから眠ることはできない。
だが、2時、3時、4時を過ぎても、係の人は呼びに来ない。
(つづく)