今朝は草野球に参加している夢を見た。片方は一部巨人のOBが参加していて、1番柴田、2番高田だった。柴田が出塁して、高田が送りバント。これは一塁右側にファウルになった。…というあたりで、何となく目が覚めた。
◇
雨がポツポツ降ってきた。前回に続いてで、今日は降らんだろうとフンでいたが、とんだ読み違いだ。
藤森奈津子女流四段「今日は8時から雨の予報でしたが、当たりましたね」
大内延介九段「まだ7時台だけどね。…皆さん傘はお持ちかな?」
まさか雨の予報だったとは…。ちゃんと傘を用意している見物者もいて、最前列の女性はしっかり傘を拡げている。私はといえば傘はもちろんハンカチの類もなく、このまま濡れるしかない。ハゲは雨に弱い。もし本降りになるようなら、このまま撤退するしかない。
局面。丸山忠久九段の▲4五角がなかなかの名角で、渡辺明竜王はとりあえず金を取るしかない。△7八成香▲同銀。
いきおい竜を切って、△7八同竜▲同角。
ここでの次の手が分からない。解説の大内九段はいろいろ攻めてみるが、どうもうまくいかない。金銀の攻めなので、あまり得にならないのだ。指し手が入った。
△7二金打!!
「ここで受けた!」
会場の見物客も、声にならない声を上げた。相穴熊戦で成駒に頭突きする△7二金打は、第19期十段戦予選・▲長谷部久雄七段VS△河口俊彦五段戦で見たことがあるが、穴熊特有の粘りではある。「いやいやすごい将棋だ」
大内九段があらためて嘆息した。
▲7二同と△同金引▲4一飛△7一金▲8三角成△同金▲7一飛成。
先手はキレイに駒が捌けた。ここで受けるようでは後手勝てないので、△7七銀と攻めていった。
「△7七銀!? 銀があったの?」
大内九段が頓狂な声を上げる。ごちゃごちゃ検討をしすぎて、後手の持駒の銀と金が入れ替わっていたのだ。
雨はどうにか止み、私はそのまま観戦を続ける。
▲7七同銀△7九竜▲8九金。
ここで△2九竜はないので、いきおい△7八竜。▲同金に△4五角と、今度はこの地点に後手が角を打った(第4図)。
▲8八金打。またも金銀3枚の穴熊が再構築された。
「いや~大変な将棋ですね」
大内九段が再び嘆息した。
△5六角打▲7九香。
駒を打てば埋める。再度書くが、穴熊特有の戦いだ。
「ここで△8七桂▲同金直△7八角成▲同香△同角成だと後手玉は詰むの?」
と大内九段。
駒操作の梶浦宏孝四段が▲7三角と置く。これは私も指せる。だがその後が分からない。
「これは…△8二香の一手だねえ。それで詰むの?」
梶浦四段が、黙って▲同竜(参考3図)と取った。
「あっ!」
△8二同金に▲8三桂までだ。「何だい、簡単じゃないか」
プロでも盲点に陥ることがある。もちろん対局者は読んでいて、後手は△8二金打とした。渡辺竜王も埋めたわけだ。
▲4一飛△6七成銀▲同金△同角成▲7八銀。
時刻は午後7時40分を回った。
「いやいやすごい将棋ですね」
さっきから大内九段はこの言葉しか出てこない。
そこで△7二金打!
「やっぱりそうか。そうやると思ったよ」
と大内九段。もはや解説というより、新橋のおっちゃんのつぶやきと化している。「粘りに粘る」。
▲6一竜△5六馬。
「どこかで▲8九に駒を埋めると、先手陣は寄りつくところがなくなります」
それは勘弁してほしい。「ようやっと先が見えてきたかな」
▲5四銀。
丸山九段、角の利きを遮断した。
「これは…大勢決しましたね」
大内九段が断定する。私もそう思った。
△5四同角▲同歩△6五桂。
この手は何でもない。渡辺竜王も投げきれない感じだ。
大内九段「(先手玉を寄せるのに)2年ぐらいかかるんじゃないの?」
藤森女流四段が「なにがですか?」
と笑った。
「ここで▲6三銀がありますね。取れば▲7二角でシッシ(必至)」
実戦も▲6三銀△同金と進む。「取った! これは形作りですね」
▲7二角まで、丸山九段の勝ちとなった(投了図)。
私たちは両対局者と大内九段、藤森女流四段、梶浦四段らに拍手を送った。とくに大内先生、お疲れさまでした。
いろいろあった竜王戦だが、将棋自体は熱戦が続いている。丸山九段がシリーズ初の2勝目を挙げ、七番勝負はいよいよおもしろくなってきた。
第4局は21、22日。「次はいつものようにSL前で本格的にやります」と大内九段。やはりこの2局は、イヴェントにはじかれ僻地での解説会となったようだ。
スマホを見ると、19:48である。閉店まで10分では、古本市を見るにはもう時間がない。
そのまま私は新橋を後にしたが、車窓の写真集は買っとくべきだった、と直後に思った。
古本市は12日(土)までだが、あの本を買いに、わざわざ新橋まで行けねぇしなぁ…。
◇
雨がポツポツ降ってきた。前回に続いてで、今日は降らんだろうとフンでいたが、とんだ読み違いだ。
藤森奈津子女流四段「今日は8時から雨の予報でしたが、当たりましたね」
大内延介九段「まだ7時台だけどね。…皆さん傘はお持ちかな?」
まさか雨の予報だったとは…。ちゃんと傘を用意している見物者もいて、最前列の女性はしっかり傘を拡げている。私はといえば傘はもちろんハンカチの類もなく、このまま濡れるしかない。ハゲは雨に弱い。もし本降りになるようなら、このまま撤退するしかない。
局面。丸山忠久九段の▲4五角がなかなかの名角で、渡辺明竜王はとりあえず金を取るしかない。△7八成香▲同銀。
いきおい竜を切って、△7八同竜▲同角。
ここでの次の手が分からない。解説の大内九段はいろいろ攻めてみるが、どうもうまくいかない。金銀の攻めなので、あまり得にならないのだ。指し手が入った。
△7二金打!!
「ここで受けた!」
会場の見物客も、声にならない声を上げた。相穴熊戦で成駒に頭突きする△7二金打は、第19期十段戦予選・▲長谷部久雄七段VS△河口俊彦五段戦で見たことがあるが、穴熊特有の粘りではある。「いやいやすごい将棋だ」
大内九段があらためて嘆息した。
▲7二同と△同金引▲4一飛△7一金▲8三角成△同金▲7一飛成。
先手はキレイに駒が捌けた。ここで受けるようでは後手勝てないので、△7七銀と攻めていった。
「△7七銀!? 銀があったの?」
大内九段が頓狂な声を上げる。ごちゃごちゃ検討をしすぎて、後手の持駒の銀と金が入れ替わっていたのだ。
雨はどうにか止み、私はそのまま観戦を続ける。
▲7七同銀△7九竜▲8九金。
ここで△2九竜はないので、いきおい△7八竜。▲同金に△4五角と、今度はこの地点に後手が角を打った(第4図)。
▲8八金打。またも金銀3枚の穴熊が再構築された。
「いや~大変な将棋ですね」
大内九段が再び嘆息した。
△5六角打▲7九香。
駒を打てば埋める。再度書くが、穴熊特有の戦いだ。
「ここで△8七桂▲同金直△7八角成▲同香△同角成だと後手玉は詰むの?」
と大内九段。
駒操作の梶浦宏孝四段が▲7三角と置く。これは私も指せる。だがその後が分からない。
「これは…△8二香の一手だねえ。それで詰むの?」
梶浦四段が、黙って▲同竜(参考3図)と取った。
「あっ!」
△8二同金に▲8三桂までだ。「何だい、簡単じゃないか」
プロでも盲点に陥ることがある。もちろん対局者は読んでいて、後手は△8二金打とした。渡辺竜王も埋めたわけだ。
▲4一飛△6七成銀▲同金△同角成▲7八銀。
時刻は午後7時40分を回った。
「いやいやすごい将棋ですね」
さっきから大内九段はこの言葉しか出てこない。
そこで△7二金打!
「やっぱりそうか。そうやると思ったよ」
と大内九段。もはや解説というより、新橋のおっちゃんのつぶやきと化している。「粘りに粘る」。
▲6一竜△5六馬。
「どこかで▲8九に駒を埋めると、先手陣は寄りつくところがなくなります」
それは勘弁してほしい。「ようやっと先が見えてきたかな」
▲5四銀。
丸山九段、角の利きを遮断した。
「これは…大勢決しましたね」
大内九段が断定する。私もそう思った。
△5四同角▲同歩△6五桂。
この手は何でもない。渡辺竜王も投げきれない感じだ。
大内九段「(先手玉を寄せるのに)2年ぐらいかかるんじゃないの?」
藤森女流四段が「なにがですか?」
と笑った。
「ここで▲6三銀がありますね。取れば▲7二角でシッシ(必至)」
実戦も▲6三銀△同金と進む。「取った! これは形作りですね」
▲7二角まで、丸山九段の勝ちとなった(投了図)。
私たちは両対局者と大内九段、藤森女流四段、梶浦四段らに拍手を送った。とくに大内先生、お疲れさまでした。
いろいろあった竜王戦だが、将棋自体は熱戦が続いている。丸山九段がシリーズ初の2勝目を挙げ、七番勝負はいよいよおもしろくなってきた。
第4局は21、22日。「次はいつものようにSL前で本格的にやります」と大内九段。やはりこの2局は、イヴェントにはじかれ僻地での解説会となったようだ。
スマホを見ると、19:48である。閉店まで10分では、古本市を見るにはもう時間がない。
そのまま私は新橋を後にしたが、車窓の写真集は買っとくべきだった、と直後に思った。
古本市は12日(土)までだが、あの本を買いに、わざわざ新橋まで行けねぇしなぁ…。