一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

8ヶ月ぶりの蕨将棋教室(後編)

2017-12-13 00:10:53 | 蕨将棋教室
初手からの指し手。△8四歩(実際は▲2六歩)▲7六歩△3四歩▲7八金△3二金▲2六歩△8五歩▲2二角成△同銀▲8八銀△7二銀▲7七銀△7四歩▲4八銀△4二玉▲4六歩△3三銀▲4七銀
△6四歩▲5六銀△7三桂▲6六歩△6三銀▲5八金△3一玉▲6八玉(第1図)

平手での指導対局は下手が先手ということになっている。とはいえ下手も後手で指したい戦法はあり、「横歩取り△2三歩~△4五角」「急戦矢倉」などがそうだ。
角換わりの将棋では、「将棋世界」2016年8月号付録「塚田(泰明九段)流角換わり△6五同桂革命」がおもしろく、今回はそれを試すに絶好の機会だと思った。
だが△8四歩の出だしでは、角換わりに持って行きにくい。それでも強引に角換わりにしたが、後手番の私が一手損をしたため、やや立ち遅れてしまった。
しかも次の手が誤算だった。

第1図以下の指し手。△8一飛▲3六歩△5四銀▲3七桂△6二金▲7九玉△9四歩▲4七金△1四歩▲2五歩△6五歩▲同歩△7五歩▲6六銀△8六歩▲同歩△同飛(第2図)

「勉強はしてないけど、最新の手は指さないとねえ」と植山悦行七段は△8一飛。
「△6五同桂革命」は相手陣が△5二金・△8二飛型なので、これをやられちゃ「▲4五歩△同歩▲同桂△4四銀▲7五歩」が指せない。
ここから別の構想で行かねばならぬ。といっても私は角換わりに詳しくないのだが、▲4七金は形と思う。
Fuj氏の将棋は、Fuj氏が上手の飛車を攻めて優勢に見える。奥の常連氏は氏が長考を重ねており、局面がほとんど進んでいない。Takah氏は子供と指していた。
植山七段は△6五歩。なんで後手から先に攻めることができるんだ、と思ったら本局は私が後手番のうえ、1手損していた。どうも調子が狂う。
△7五歩には▲6六銀と先に上がり、△8六歩▲同歩△同飛に次の手が敗着となった。

第2図▲7七金△8一飛▲8二歩△同飛▲7一角△7二飛▲6二角成△同飛▲8八飛△8六歩▲同飛△8五歩(第3図)

私は▲7七金。植山七段が「突っ張ってるねえー」と驚く。
△8一飛に▲8二歩。植山七段が再び「突っ張ってるねー」。
それは、「アンタの指し手は無理筋」と同義語に聞こえた。しかし私も突進せざるを得ず、以下角を切って暴れたが、△8五歩まで落ち着かれてみると、私の指し切りがハッキリした。

第3図以下の指し手。▲8八飛△6五銀▲7五銀△5六銀▲同歩△6五桂▲6七金△4九角▲6八金打△6七角成▲同金△4九角▲5八銀△8七金(投了図)
まで、67手で植山七段の勝ち。

第3図の前、△8六歩では△8五歩と思ったが、△8六歩という1歩の犠牲で、先手を取られた。▲8八飛に△6五銀とぶつけられ、この反撃が厳しい。
やはり▲7七金は無理っぽかったが、それは薄々気付いていたのだから、それならそう指すな、という話である。
先日の魚百での、対渡部愛女流二段の「▲2四銀」、対男性氏の「▲9五角」、いずれも無理筋と分かっていながら、つい指してしまう。これを精神的疾患と見るのか、実力と見るのか判断は難しいが、勝負に淡白になっているのは確かだ。
私は▲7五銀と躱したが、植山七段に気持ちよく△6五桂と跳ばれてはもうダメである。
Fuj氏の将棋が終わり、植山七段の勝ち。感想戦を聞くと、中盤まではFuj氏が優勢だったらしい。しかしそこをうっちゃるのが上手の技であろう。
私の将棋は△8七金まで。Takah氏が来て、「さすがにプロはうまく指すもんだねえ」と感心する。まったくその通りで、私はここで投げた。

感想戦。植山七段の△6五歩▲同歩△7五歩には、▲3五歩と攻め合いを目指すところだったという。角換わりは受け一方の将棋にしてはダメらしい。
だが私の反応が鈍いので、植山先生が「大沢さん、勉強してないな」と苦笑する。
図星を指されて私は小さくなるばかり。植山七段の講義を神妙に聞くばかりだった。
「大沢さん弱くなりましたねえ」
と植山七段。「昔はもっと強かったけどなあ」
言い過ぎたと思ったのか、「私はもっと弱くなりましたけど」
と付け加えた。私は苦笑するのみである。
常連氏の将棋はまだ中盤に見える。私は表のソファーでくつろいでいたが、やがて全員が出て来た。あの一局は、植山七段が投了したらしい。
常連氏は植山七段に対してバカに勝率がいいらしいが、持ち時間の制限があった時、どんな将棋を指すかはまた別問題である。
今回は植山七段、W氏、Fuj氏、常連氏、私の5人でガストに行く。
「大沢さんは仕事止めちゃったの?」
と植山七段。
「止めました。私にもう少し技術があれば続けていましたが、その技術がありませんでした」
数年前からオヤジが引退することは視野に入れていたのに、対策を講じなかった私が悪い。
店に入り、私はハンバーグとチキンの料理を頼む。しかしこの年齢でこの時間にこのメニューは、やや重かったかもしれない。
食後もみなで談笑。その中に、将棋ファンなら誰でも驚く情報があり、私とFuj氏は「あっ…!?」と意味が呑み込めず、その後「ええーーーっ!!」とのけぞったのだった。
将棋界奇々怪々、一般人はついていけない世界だ。
植山七段は最近忙しいようで、何より。私もあやかりたいものだ。
コメント
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