一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

久しぶりの魚百(前編)

2017-12-05 00:13:13 | 将棋ペンクラブ
10月29日の社団戦に出場した時、将棋ペンクラブ幹事のA氏から、飲み会を打診された。
これは将棋ペンクラブの主催で、社団戦がないオフシーズンに月1回の頻度で行われる。以前はちょくちょく誘われたが、私が付きあい下手なため、次第に声が掛からなくなった。
いつも棋士を招いての指導対局があり、今回は渡部愛女流二段が参加するとのこと。私は求職中で遊べる身分ではないのだが、今回は二つ返事でOKした。
日時は11月18日(土)午後2時、場所は御茶ノ水の海鮮居酒屋「魚百(うおひゃく)」。将棋ペンクラブ御用達である。

当日。私は前日にスマホの液晶画面を破損させてしまい、凹んでいた。家を出たが、あっちこっち寄り道していたらけっこう時間を食ってしまい、魚百に入ったのは2時20分ごろだった。
魚百もかなり久しぶりで、おととしの将棋ペンクラブ新年会以来ではなかろうか。
中では渡部女流二段が3面指しの指導対局中だった。渡部女流二段はこの4日前に女流二段昇段&女流名人リーグ残留を決めており、充実した表情が見て取れた。私は昇段のお祝いを述べた。
木村晋介会長(弁護士・作家)も対局中で、挨拶する。大いちょう寄席での御礼も述べた。
なおこの会のシステムは夕方まで将棋会、それ以降は飲み会である。昼は店も準備中なのだが、近くに住むアカシヤ書店・星野氏がこの店の常連なので、場所を提供してくれている。このあたり、「松祥」とOk氏の関係に似ている。
参加者は現在12人。一人手スキの人がいたので、その人と指すことになった。ただ平手ではちょっと…ということで、私の二枚落ちとなった。
私は例によって△2二銀を保留する。紳士氏は▲4八飛と回ったので、▲3四歩の脅威が半減された。こっそり△4二銀と上がり、この将棋は誤魔化せるんじゃないかと思った。
途中、危うい場面が2回あったがいずれも誤魔化し、私が十分の形勢になった。
左では将棋ペンクラブ屈指の強豪In氏が対局中。ただその相手もタダモノではない雰囲気で、相手氏のほうが模様がいいみたいだ。

私の将棋は、第1図。指しながら紳士氏は「意外といい勝負になるもんだなあ」と感心?している。この手合いなら、下手が楽勝でなければいけなかったのだろうか。
だがここまで上手の銀得で、十分。図の▲5六桂を△同歩は▲4四角がある。そこで私は△7七桂(王手)と犠打を放ったのだが、これが実戦不足からくる大悪手だった。
以下▲7七同桂△5六歩▲8五桂△6六歩▲7三桂成△同玉▲6六歩△7五桂▲6五歩(第2図)。ここで私が△5五銀と躱したのが敗着で、紳士氏は▲5五同角△同金▲6四銀とし、下手大優勢となった。△5五銀では△5三銀、もしくは△6六桂だった。

以下は私も粘ったが、土俵を割った。戻って第1図ではふつうに△8七歩と打ち、▲7九角に△5六歩で、気分的には上手勝勢だった。△8七歩なんて当たり前の手で当然浮かんでいたのに、なぜ指さなかったのか。アホとしか言いようがない。
私は勝てる将棋を負けたから、アツイ。
「もう1局指しましょう!」
紳士氏も応じるが、私が同じ手合いで指そうとすると、心外そうだ。それは当然である。
そこで飛車落ちを提案したが、結局二枚落ちに落ち着いた。
左の将棋は、相手氏の快勝。In氏に勝つとは、彼はどれだけ強いのだ!?
私と紳士氏との将棋は、またも大熱戦となった。私もプロじゃないから疑問手は指す。だが通常は相手がそれ以上の悪手を指し、結果上手が誤魔化す、という展開が多い。
しかし本局は、上手の疑問手が後々まで響く、という展開だ。すなわち挽回できないのだ。
もっとも私もイヤミイヤミと攻め、紳士氏は再び「いい勝負になるなあ」を連発した。
形勢は微妙なところ。勝敗の帰趨は下手の正確な指し手にかかってきた。

第1図は△3五の桂を2七に成ったところ。この局面、私は上手勝ちと読んでいたのだが、紳士氏は▲3二馬△1二玉に▲2三馬! 私は△同玉と取るよりないが、▲3四金まで、私の投了となった。
▲3二馬から▲2三馬はまったく見えていなかった。勝った紳士氏はほっとした表情。私は返り討ちに遭った格好で、立つ瀬がない。
やはり1局目の逆転負けに尽きるが、まあ、力一杯指した結果だから、仕方ない。ただ二枚落ちの連敗は記憶になく、ちょっと目が覚めた。
気が付けばA氏の姿がない。渡部女流二段は1席空いていたが、私も昼食を摂るべく外出しする。近場で小諸そばの二枚もりを手繰った。
魚百に戻ると席がまだ空いていたので、入る。
駒を並べて「平手でよろしいでしょうか」と問うと、「いつもそうじゃないですかあ」と渡部女流二段が快活に笑った。

初手からの指し手。▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲4八銀△5五歩▲4六歩△3三角▲4七銀△4二銀▲6八玉△5三銀▲7八玉△6二玉▲5八金右△7二玉▲9六歩△9四歩(第1図)

今日の指し手は決めてなかったのだが、3手目に▲2六歩と突いてしまった。渡部女流二段に△8四歩とされたら横歩取りになり、その将棋は不案内なので声を発したら、渡部女流二段も配慮してくれたか?中飛車に振ってきた。
せっかくだから記譜を取ろうと思ったのだが、紙もペンもない。紙はレシートの裏を使い、ペンはお店から借りた。しかしこのあたりごちゃごちゃして、指し手を考えるゆとりがなかった。
▲4八銀に△5五歩。対中飛車でこの位を取られると居飛車マズイと思う。私は5日後に大野教室で室谷由紀女流二段に教えていただくことになっているが、その時はこの対策を考えねばならない。

第1図以下の指し手。▲6八銀△8二玉▲7七銀△7二銀▲6六銀△6四歩▲3六銀△5四銀▲4五銀△同銀▲同歩△4二金(第2図)

▲6八銀では▲7七角から左美濃や穴熊もあるが、あまり固く囲うのは私の性に合わない。
▲7七銀から▲6六銀もこんなものであろう。
渡部女流二段は△5四銀。次に△6五歩▲7七銀と押し返されたら下手不満なので、私はガッチャン、と銀をぶつけた。
△同銀▲同歩に△4二金。ここ△3二金は▲4一銀があるからだが、ここは△5一金左もあった。△4二金、私はこの形になると指したくなる手がある。それでつい指してしまったのだが、これが敗着となった。

(つづく)
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