一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

久しぶりの魚百(中編)

2017-12-06 00:04:23 | 将棋ペンクラブ

第2図以下の指し手。▲2四銀△同歩▲同歩△5六歩▲同歩△同飛▲2三歩成△6六角▲同角△同飛▲同歩(第3図)

私は▲2四銀と打った。
「あーーっ!!」
と渡部愛女流二段。「その筋がありましたか」
△2四同歩▲同歩で、2筋突破が確定する。むかし船戸陽子女流二段相手に同じ手を指したことがあり、プロの実戦でも似た筋が出現したこともあるが、ただ本局に限っては自信がなかった。
というのは、△2四同歩▲同歩のあと△5六歩から角を捌かれてしまうから。本譜もそうなり、さえない将棋にしてしまった。
いやそこまで読んだのなら指さなきゃいいじゃないか、という話だが実際そうで、▲2四銀では別の手を指し、もっと渡部女流二段との将棋を楽しむべきだった。

第3図以下の指し手。△5七歩▲同金△3九角▲5八飛△4九銀▲2二飛△5二金寄▲5三歩△6二金寄▲2一飛成△5八銀成▲同金引△6六角成▲7七角△5六馬▲6七銀△5七歩(投了図)
まで、60手で渡部女流二段の勝ち。

△3九角。このあたり渡部女流二段は「戸辺先生になった気持ちで」とつぶやき、爽快な攻めを目論んでいた。
私は飛車を下ろして▲5三歩だが、渡部女流二段は手順に金を寄せて涼しい顔。私は▲2一飛成としてもちっとも面白くない。
渡部女流二段は△6六角成から△5六馬の王手。▲6七銀の馬取りには、それを無視してノータイムで金頭を叩いてきた。この「ノータイム」が大事で、ここを数十秒考えてしまっては意味がない。「もう考えるまでもありません、寄せは読み切ってますから」という姿勢が肝要なのである。
私も戦意を喪失し、バカバカしくなって投了。「えーっ!!」と渡部女流二段に再び驚かれたが、万に一つも逆転はない。
本局は▲2四銀の暴走がすべて。▲6八金上ぐらいで、駒組を進めるべきだった。今日の飲み会のメインだったのに、つまらぬ将棋を指してしまった。

続いて、さっきIn氏に勝った男性氏と対局。
「Inさんに勝ってましたが、お強いですね」
「いえ、さっきは渡部先生に負かされましたから」
男性氏は私のブログを読んでくれているようで、私が女流棋士のデータをよく調べていることを褒めて?くれた。「ああいうのはウィキペディアを使ってるんですか」
私は否定したが、「似ているシリーズ」を記す時、芸能人のプロフィールを参考にはする。男性氏はそのことを問うていたのかもしれない。
振駒で私の先手。中飛車に振ってみた。序盤、△1四歩に挨拶しなかったら、△1五歩と伸ばされた。その代償に、私は中央の位を取る。
後手は△1三角。先手は▲4六の歩を守らねばならないが、▲5六の銀は引きづらいので▲3八の銀を4七に上がったのだが、これは囲いが崩れて面白くなかった。
私は6筋の歩を換えたが、男性氏は△6四歩と謝らず△7三桂。私も▲5六銀引では元気が出ないので、別の手を考えた。

第1図以下の指し手。▲9五角△6五桂▲7三角成△4二飛▲6三馬(第2図)

第1図で▲5六銀引以外の手といっても、▲6四歩は△6五桂が角取りに当たるから論外。私は▲9五角と桂取りに出た。
男性氏は△6五桂。以下▲6三馬までと進んで、馬ができた先手がでかしたようだが、次の手が当然ながら厳しかった。

第2図以下の指し手。△4九銀▲6六歩△5八銀成▲同銀△4六角▲3七銀△5五角▲6七銀打△5四歩▲7四馬△3五歩▲6五馬△3六歩▲5五馬△同歩▲3六銀△6八歩▲5九金△7九飛▲4九金△6九歩成▲3五桂△5九と(投了図)
まで、男性氏の勝ち。

△4九銀が厳しかった。私は飛車を見捨てて▲6六歩。この桂を取りきれば二枚換えだ。
△5八銀成に私は一段金を動かしたくないので▲同銀と取ったが、これも疑問手。男性氏は意外そうな顔で△4六角と出た。
▲3七銀に△5五角。この角引きをウッカリした。対して▲6五歩には△9九角成があり、この交換は先手大損だ。
私は▲6七銀打と受けたが、こんなところに銀を投入しているようでは未来がない。男性氏の寄せも素早く、△5九とまで投了した。

本局も▲9五角の暴走がすべて。
「こっちは銀交換歓迎ですからねえ」
と男性氏。
「△4一金が浮いてるから何とかなると思ったんだが」
「でも△4二飛がピッタリなんで…。そちらは飛車打ちに1枚使わなくちゃならないし」
感想戦でも負かされて、私はぐぅの音も出ない。もっとも前局の▲2四銀同様、こんなイチかバチかの手を指しているようではダメである。
ほかの将棋も見てみる。ベテランKob氏は見慣れぬ青年と対戦。Kob氏が劣勢に見え、Kob氏が最後の突撃を試みたが相手玉は寄らず、最後は詰まされて投了した。

感想戦。実戦は部分1図からKob氏は▲2三歩と打ったのだが、わずかに詰まなかった。
そこで先ほどの男性氏が指摘したのが▲3四桂で、△3三玉なら▲5一角から詰む。私たちは1一や2二から打つことばかり考え、▲5一角が盲点になっていた。この男性氏、相当な手練れだ。
…ということは、さっきの私の見解は間違い。Kob氏が終盤まで優勢に進めていたことになる。
Kob氏、見かけは弱そうなのだが実は強かったのを失念していた。実際私もKob氏と指し、負かされたことがある。将棋ペンクラブもけっこう実力者がいるのだ。
この辺で将棋の時間は終わり、いよいよ飲み会の時間である。
(つづく)
コメント
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