一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

12月2日の4時から男(中編)

2017-12-18 01:15:02 | 新・大野教室

第3図以下の指し手。▲5七歩△5二玉▲6四桂△6三玉▲5二銀△5四銀▲6一銀不成△4五銀▲5二銀不成△5三金▲4一飛△4三歩(第4図)

私の▲5七歩が弱かった。ここに歩を打ってしまっては攻撃力がなくなり、攻め手がない。ここは何があっても▲5三歩だった。
ところがIi君も間違える。△5二玉がココセ級の悪手で、▲6四桂が打てては急に展望が開けた。
△6三玉には▲5二銀から飛車を取り、これは互角に戻したと思った。
△4五銀には▲5二銀不成と活用し、第4図の△4三歩には気持ちのいい手がある。

第4図以下の指し手。▲3三金△3四銀打▲同金△同銀▲6二銀△4五桂▲5三銀成△同玉▲5一飛成△3七桂成▲同玉△7七角成(第5図)

私は▲3三金と寄る。半分遊んでいた駒が活用できたのが大きい。
このあたりは双方秒読みだが、私は強豪相手によく戦っている。
私は金を剥がし▲5一飛成。あと一歩で寄りそうなのだが、それが遠い。
Ii君は△3七桂成と金を取って△7七角成。これは油断ならない手だ。

第5図以下の指し手。▲4一銀不成△4四玉▲4五歩△3三玉▲7七金△2五桂▲同歩△2六銀▲4八玉△6八金▲2九桂△5九金▲同玉△9五角(第6図)

第5図の△7七角成を▲同金は△4五桂がある。私は▲4一銀不成と空き王手した(▲6三銀成もあったか)。が、ここは「成」とし、将来の▲4二竜を見たほうがよかった。銀の一段目の成は抵抗があるが、時にはそちらがいい時もある。
△4四玉に▲4五歩と打ち、△4五桂の筋を消した。△3三玉に▲7七金と角を取り一段落だが、後手玉は▲4二竜△同玉▲5一角の筋がギリギリ詰まない。
しかし受けても一手一手と見たIi君は、△2五桂と最後の突撃にきた。
△2六銀はさすがに取れない。▲4八玉に△6八金で詰めろがかかったが、▲2九桂が冷静だったようだ。続く△5九金▲同玉で金が入ったので、これは勝ったと思った。
しかしIi君△9五角。これもまた油断のならない手だ。

第6図以下の指し手。▲4二角△2二玉▲3二銀成(投了図)
まで、一公の勝ち。

第6図で▲4二竜△同玉▲5一角は△同角で失敗。△9五角はこの筋を防いでいたのだ。
しかし今度はたんに▲4二角があった。▲2五歩が入っているので、後の▲2四角成が利く。
本譜は△2二玉▲3二銀成まで、Ii君の投了となった。Ii君には数年振りの勝利で、この最悪の精神状態の中、我ながらよく勝ったと思った。

感想戦。第3図の▲5七歩では、やはり▲5三歩だった。Ii君は△4二玉と立つ予定で、その後いろいろやったが、先手に明快な決め手は見つからなかった。
さらに大野八一雄七段にも入っていただく。まず第1図からの△8六歩▲同歩△同飛に▲6七角は先手がやや不満で、ふつうに▲8七歩でよかったらしい。以下△7六飛▲6七金△6六飛▲同金△6八角▲5六飛△7七角成がイヤだったのだが、そこでふつうに▲7一飛と下ろして先手有利とのこと。
言われてみればそうなのだが、対局中は形勢判断ができなかった。
また第3図からの▲5七歩は、やはり▲5三歩とのこと。そこから大野七段の指摘では先手に意表の攻め筋が出て、十数手後に後手玉を受けなしに追い込んだ。先手玉も詰まず、「▲5三歩なら先手勝ち」の結論となった。
ただしプロ指摘の順を私が間違わず指せるわけがなく、こうはならない。
整理すると、▲5七歩で▲5三歩なら、最善を尽くせば先手が勝ったが、実際は△4二玉からごちゃごちゃやって、最後は後手が勝ったと思われる。
本譜は疑問手の▲5七歩にIi君が△5二玉のココセで返し、先手が僥倖の勝利を収めたというわけだった。

3局目はU君と指す。U君も大野教室三指に入る強豪で私も連敗続きだが、中盤までなら負けてないと思っている。だがそこから私がポカをやり、ひっくり返される展開が多いのだ。今日は慎重に行こうと思った。
私の後手番で、私は中飛車に振る。私は素早く左銀を繰りだしたが、△5五歩▲同歩△同銀▲5六歩に、△4六歩が利くと思った。
だがそれは▲4六同歩でタダ。四間飛車の変化と混同していたから話にならない。結局△4四銀と引くしかなく、手損してしまった。
U君は好きな左美濃に組み、▲2四歩と合わせてきた。

第1図以下の指し手。▲3四飛△5三銀上▲2四歩△4三角▲3五歩△3四角▲同歩△3九飛▲3三歩成△同飛成(第2図)

▲3四飛は勢い。今後△4三金は▲4四飛△同金▲4二角で、先手陣は左美濃の堅陣だから後手ダメ。
私は△5三銀上と辛抱し、△4三角と飛車を殺す。
▲3五歩には何かジワジワ指す手もあったが、堪えきれずに△3四角と飛車を取る。直後に桂損するが、△3九飛から成り返り、盤石の形を作った。
傍で見ていた大野七段が「指し手がオジサンだなあ~」と苦笑いする。
その後私はと金攻めで銀得を果たし、互角には戦えていると思った。
局面は進んで第3図。U君が▲5七金を▲6六金と出た局面。私が微差のリードを保っていると思う。ここで私に、ココセ級の一手が出てしまった。

(つづく)
コメント (2)
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