一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

3月31日の指導対局会のオプション・大野七段編(中編)

2018-05-07 00:26:46 | 女流棋士の指導対局会
私は味よく辞退しようとも思ったのだが、やはりお言葉に甘えるのが本手であろう。
感想戦を終えた角換わりの中年氏ももちろん再戦で、またも角換わりの将棋を所望した。
中年氏は飯野愛女流初段の指導対局がメインできたのだろうが、とんだところに将棋学徒がいるものだ。
その飯野女流初段は、3コマ目の指導対局の真っ最中。でも不思議と、あちらの将棋は気にならなかった。
私も2局目開始である。

初手からの指し手。△5四歩▲7六歩△6二銀▲6八銀△5三銀▲5六歩△6四歩▲6六歩△4四歩▲6七銀△4二銀上(途中1図)

▲2六歩△4三銀▲2五歩△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛(第1図)

2局目は振り飛車を考えたが、大野八一雄七段は察知しているようで、なかなか玉の態度を決めない。つまり私が振れば、右玉にするハラなのだ。
△4二銀上に、▲2六歩と突いた。これで上手の玉が、相居飛車の定位置である「3二」に行きづらいと考えたからだ。
私は飛車先の歩を交換し、今度は2八まで深く引いた。

第1図以下の指し手。△4五歩▲4八銀△4四銀右▲5七銀△3四歩▲3六歩△3五歩▲同歩△同銀▲6五歩△3三桂▲6四歩△6二飛(第2図)

△4五歩。私の手番だったら▲4六歩を考えたから、いちばんイヤなところを突かれた。「角落ちは位負けをしない」が鉄則だが、私はその禁をよく破る。
捨て置けば△4四銀右~△5二飛があるから、私の▲4八銀~▲5七銀は絶対。
しかし△3四歩に▲3六歩が甘く、かえって△3五歩から1歩を持たれてしまった。
私の▲6五歩は一瞬だけ気持ちがいいが、△3三桂に▲6四歩と取り込んでも△6二飛で取り返しにこられ、あまりでかしていない。

第2図以下の指し手。▲6八金△3六歩▲3八歩△6四飛▲9六歩△5二金▲2二歩(途中2図)

△8四飛▲2一歩成△8七飛成▲7八金△8八竜▲同金△7九角(第3図)

やがてくる△6四飛の銀取りを守らねばならないが、▲5八金右は将来△4七銀成が生じた時、▲同金と取れない。といって▲7八金は、5七に利いていない。よって▲6八金とし、玉は6九~7八と収めようと思った。
しかし△3六歩▲3八歩と凹まされたのも痛い。
このままでは作戦負けになるが、△5二金に▲2二歩を発見した。これに△同金なら▲9七角△8四飛▲3一角成△8七飛成▲7八銀△8八竜▲2二馬で下手よし。
これで一本取ったと思ったら、大野七段に先に△8四飛と寄られ、アオくなった。
これに▲7八金は△2二金で下手勝てない。私は行きがかり上▲2一歩成だが、△8七飛成▲7八金に、△8四竜と引いてくれるような上手ではない。△8八竜~△7九角と両取りに来られ、これは下手が劣勢に陥った。
戻って▲6八金では、ふつうに▲7八金だった。なんでこういう時に6八に上がってるんだ…。自分がうらめしくなった。

第3図以下の指し手。▲7一飛△6二玉▲8一飛成△8八角成▲6四桂△5三玉▲5二桂成△同銀▲3一と△4三金(第4図)

第3図で両取りを受けるならA▲5八飛である。しかし△4六歩▲同歩△同銀▲同銀△同角成が飛車取りで、これは下手が勝てない。ならばB▲6八飛だが、これも△同角成と飛車を手持ちにされると、相当厳しい形勢だ。
そこで勝手にせいとC▲7一飛と打った。これには△6一歩でも△4二玉でも下手が苦戦だったが、大野七段は△6二玉。飛車に当てて、△8八角成とした。△6一歩は将来の△6六歩がなくなるから、打ち切れなかったようだ。
▲8一飛成に△8八角成。△6二玉も意外だったが△8八角成もそうで、△5七角成と詰めろに成ると思っていた。
私は▲6四桂の金取り。対して大野七段の△5三玉がまた意外で、▲5二桂成と金を取り返せては、頑張る気になった。
このあたり、私が不甲斐ない手を連発したものだから、大野七段が微妙に緩めてくれたと思う。
本譜に戻って、▲3一と△4三金。ここでどうするか。

第4図以下の指し手。▲3二と△6五桂▲6六銀右△5七金▲6八歩△8九馬▲5八金打△同金▲同金△9九馬(第5図)

ここは▲2三飛成が見える。だが一手の価値に乏しい気がした。それより少しでも早く敵駒をハガすのがよいと、▲3二とと活用した。
以下、大野七段の攻めに私は防戦一方。△8九馬は、捨て置くと△6七馬~△6八銀がある。▲5八金打は仕方ないが、どうにか一息ついた。
大野七段は△9九馬と攻め駒を補充する。対して私の次の手が悪手だった。

第5図以下の指し手。▲6五銀△2四香▲2七桂△2六銀▲3一竜△2七銀成▲3三と△同馬▲3五桂(第6図)

飛車落ち氏はいよいよ形勢が悪化し、投了した。
Tod氏は快勝したようで、大野七段に「ふだんもこんなふうに指してください」と声を掛けられていた。
第5図で▲6五銀と桂を外したのが、負ければ敗着という悪手だった。大野七段に△2四香と打たれ、将棋が終わった。ここは何はともあれ、▲2三飛成だった。これなら次の▲3三とが厳しく、下手も指せたと思う。
△2四香で、いつもの私ならここで投げるが、今日は記譜も付けているし、もう少し悪あがきをしたい。それで泣きの▲2七桂を打った。
大野七段は慌てず△2六銀と上がり、こちらは延命のないX手スキである。
▲3一竜はせめてもの活用だが、▲6五銀のせいで馬筋が通っている。▲3三とに△同馬と引き付けられ、下手もう絶望である。
私は意味不明の▲3五桂。べつに△4二金と引かれてもダメだろうが、とにかく盤上に駒を置かなければしょうがない。

第6図からの指し手。△3二金▲6四金△4四玉▲4三桂成△同銀▲2七飛(第7図)

大野七段は△3二金。さらに強く、竜を叱ってきた。私は▲6四金を決め、▲4三桂成。またも金を取りながら、桂で王手した。
大野七段は△4三同銀。
?? この時、私の脳裏に「死んだふり攻撃」が閃いた。
私は▲2七飛と、力なく成銀を取る。大野七段はどっちの飛車を取る?

(つづく)
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