12日に行われた第8期女流王座戦一次予選一斉対局。今回勝敗予想はしなかったが、予選通過者はだいたい大方の予想通りになったと思う。
ただ、17枠決勝の「●渡部愛女流二段VS○伊奈川愛菓女流初段」には驚いた。
伊奈川女流初段の地力の強さには恐れ入る。そして渡部女流二段は、もっともっと勉強するしかない。
◇
4月8日(日)、すなわちお釈迦さまの誕生日は、「大野教室」に行った。といっても今日も「4時から男」である。
午後4時20分過ぎに教室に入る。大野八一雄七段による指導対局は行われていたが、日曜日なので、土曜日ほどの混雑はなかった。
Taga氏の姿があったので、対局を申し出た。元奨励会2級・Wat君も手スキだったが、彼には後で教えていただくことにする。
Taga氏の先手で対局開始。Taga氏得意の角交換四間飛車となった。Taga氏も強いのだが、戦法のレパートリーが少ない。
私は△5五歩から△4五歩。Taga氏にそれを横目に、▲8五歩△同歩▲同飛とぶつけられた。これに△8四歩では▲8八飛のあと、▲8三歩△同飛▲7二角の狙いが残り、後手不満。そこでエイヤッと△8五同飛と応じたのだが、▲同桂で、先手十分の形勢になってしまった。
数手進んでTaga氏の銀得となり、Taga氏優勢である。
第1図からTaga氏は▲6四馬と引いたのだが、逸機。本譜は以下△3八香成▲同金△3七銀▲同金△同歩成▲同玉△4五桂(△3九飛が簡単かつ明快)▲4八玉(第2図)と進んだ。ここで私は△2八飛としたが悪手で、ここは△3七銀▲5九玉△4九飛▲同玉△5七桂不成(参考1図)で先手玉は詰んでいた。
ところがTaga氏は△2八飛に▲3八香。これがお返しの大悪手で、△同飛成▲5九玉△4九金▲6八玉△5八竜▲同玉△5九金打▲6八玉△7七銀▲7九玉△8八銀不成(投了図)まで、先手玉が詰んでしまった。
▲3八香ではたんに▲5九玉が正着で、これなら寄せ手順が分からなかった。
戻って第1図では、▲2二銀がイヤだった。以下△2二同玉▲3四桂打△同金▲同桂(参考2図)で、即詰みもありそうだ。
Og氏を交えての感想戦では、以下△3三玉▲3一竜で、後手玉に即詰みはないものの、先手陣も馬筋が通って怖いところがなくなり、先手勝ちの結論となった。
私は薄氷の勝利で、勝ってもうれしくなかった。
2局目はWat君に教えていただく。前回は角を落としてもらい快勝したが、本局はどうするか。
「どの手合いでもいいですよ」
とWat君は言ったが、平手にさせていただいた。
私の先手で▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀の出だし。相矢倉になるかと思いきや、Wat君は雁木に組んだ。これが今風の将棋だ。
序盤、私に飛車先の歩を切るチャンスがあったのだが、ぐずぐずしていたら△3三角と上がられてしまった。
それでも私はよく指し、むしろ有利なくらいな形勢だった。
第1図からの指し手。▲5六歩△8六歩▲同歩△8二飛▲4六歩△8五歩▲4五歩△8六歩▲8八歩△5五歩▲同歩△8五桂▲6八角△4五歩▲6五銀△5五角(第2図)
まず第1図の△3三歩がやや弱気で、ここは△3四歩もあった。以下▲同銀△同銀▲同飛は、こちらも3七桂を取られる筋があるので、慎重な読みが要求される。
それはともかく、第1図では△5五角が気になり、私は▲5六歩と謝ったのだが、あまりいい手ではなかった。ただ、代えて▲5六銀は△3四歩▲同銀△同銀▲同飛△4三金右▲3六飛△3五歩▲同飛△3四歩があり、A▲2五飛は△3七角成、B▲3六飛は△3五銀でいずれも下手負け。ということは第1図自体が、思ったほどいい局面ではなかったかもしれない。
私は遅ればせながら4筋を攻めたが、Wat君が8筋を詰めたのも大きい。
▲6五銀に△5五角と出られた。
第2図以下の指し手。▲4四歩△同銀直▲5四歩△3五銀▲同角△4四銀▲同角△同角▲5三銀△同金▲同歩成△7七歩(投了図)
まで、Wat君の勝ち。
第2図、私が指せそうな気もするのだが。むずかしい。本線は▲4五桂△1九角成▲5三桂成△同金▲8六角なのだが、うまくいかない。1九香をダイレクトで取られるのが気に食わない。
▲5六歩も考えたが、△7三角▲7四銀で、千日手になりそうな気がした。
「1時間ぐらい考えたいところなんだが…」
と私はつぶやく。しかし時間もなく、▲4四歩とやった。
が、これが悪手だったようで、以下数手で終わってしまった。
「▲4四歩で一気に終わっちゃいましたね」
とWat君。まさに「二人がかり」になってしまった。
Og氏を交えた感想戦では、第2図で▲5六歩が検討された。これに△7三角では▲7四銀で千日手模様なので、いきおい△7七歩とする。以下▲5五歩△7八歩成▲同玉△7七歩▲同桂△同桂成▲同玉に△6四歩(参考1図)。以下▲7四銀なら△8七歩成▲同歩△6五桂▲7八玉△7七金▲同角△同桂成▲同玉△6九角(参考2図)で、これは上手の攻めが続いて上手優勢である。ほかの変化も、どれも上手が良くなった。
してみると、第1図まで遡っても、上手が有望な形勢だったわけだ。
対局中はWat君が「え~? え~?」とボヤくし時間も使うしで、てっきり私の方が形勢がいいと思っていた。「よく見れば(上手は)雁木だしそちらはバラバラだし…」とWat君。まさにそうで、実際の形勢は逆だった。
さすがに元奨励会相手に平手はキツかった。次回の手合いはまた考える。
3局目はSo君と指す。私の飛車香落ちで始まったが、So君の的確な攻めに、なす術もなく敗れた。私の△2三金が悪手だったのだが、それを指さずとも負けたと思う。
しかしSo君とは以前も指したことがある。W氏に聞くと、その時は私の飛車落ちだったという。
子供は伸び盛りだというのに、なんで上手の手合いが厳しくなるのか分からぬ。他に対局相手もいなかったので、私の飛車落ちで再戦となった。
(つづく)
ただ、17枠決勝の「●渡部愛女流二段VS○伊奈川愛菓女流初段」には驚いた。
伊奈川女流初段の地力の強さには恐れ入る。そして渡部女流二段は、もっともっと勉強するしかない。
◇
4月8日(日)、すなわちお釈迦さまの誕生日は、「大野教室」に行った。といっても今日も「4時から男」である。
午後4時20分過ぎに教室に入る。大野八一雄七段による指導対局は行われていたが、日曜日なので、土曜日ほどの混雑はなかった。
Taga氏の姿があったので、対局を申し出た。元奨励会2級・Wat君も手スキだったが、彼には後で教えていただくことにする。
Taga氏の先手で対局開始。Taga氏得意の角交換四間飛車となった。Taga氏も強いのだが、戦法のレパートリーが少ない。
私は△5五歩から△4五歩。Taga氏にそれを横目に、▲8五歩△同歩▲同飛とぶつけられた。これに△8四歩では▲8八飛のあと、▲8三歩△同飛▲7二角の狙いが残り、後手不満。そこでエイヤッと△8五同飛と応じたのだが、▲同桂で、先手十分の形勢になってしまった。
数手進んでTaga氏の銀得となり、Taga氏優勢である。
第1図からTaga氏は▲6四馬と引いたのだが、逸機。本譜は以下△3八香成▲同金△3七銀▲同金△同歩成▲同玉△4五桂(△3九飛が簡単かつ明快)▲4八玉(第2図)と進んだ。ここで私は△2八飛としたが悪手で、ここは△3七銀▲5九玉△4九飛▲同玉△5七桂不成(参考1図)で先手玉は詰んでいた。
ところがTaga氏は△2八飛に▲3八香。これがお返しの大悪手で、△同飛成▲5九玉△4九金▲6八玉△5八竜▲同玉△5九金打▲6八玉△7七銀▲7九玉△8八銀不成(投了図)まで、先手玉が詰んでしまった。
▲3八香ではたんに▲5九玉が正着で、これなら寄せ手順が分からなかった。
戻って第1図では、▲2二銀がイヤだった。以下△2二同玉▲3四桂打△同金▲同桂(参考2図)で、即詰みもありそうだ。
Og氏を交えての感想戦では、以下△3三玉▲3一竜で、後手玉に即詰みはないものの、先手陣も馬筋が通って怖いところがなくなり、先手勝ちの結論となった。
私は薄氷の勝利で、勝ってもうれしくなかった。
2局目はWat君に教えていただく。前回は角を落としてもらい快勝したが、本局はどうするか。
「どの手合いでもいいですよ」
とWat君は言ったが、平手にさせていただいた。
私の先手で▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀の出だし。相矢倉になるかと思いきや、Wat君は雁木に組んだ。これが今風の将棋だ。
序盤、私に飛車先の歩を切るチャンスがあったのだが、ぐずぐずしていたら△3三角と上がられてしまった。
それでも私はよく指し、むしろ有利なくらいな形勢だった。
第1図からの指し手。▲5六歩△8六歩▲同歩△8二飛▲4六歩△8五歩▲4五歩△8六歩▲8八歩△5五歩▲同歩△8五桂▲6八角△4五歩▲6五銀△5五角(第2図)
まず第1図の△3三歩がやや弱気で、ここは△3四歩もあった。以下▲同銀△同銀▲同飛は、こちらも3七桂を取られる筋があるので、慎重な読みが要求される。
それはともかく、第1図では△5五角が気になり、私は▲5六歩と謝ったのだが、あまりいい手ではなかった。ただ、代えて▲5六銀は△3四歩▲同銀△同銀▲同飛△4三金右▲3六飛△3五歩▲同飛△3四歩があり、A▲2五飛は△3七角成、B▲3六飛は△3五銀でいずれも下手負け。ということは第1図自体が、思ったほどいい局面ではなかったかもしれない。
私は遅ればせながら4筋を攻めたが、Wat君が8筋を詰めたのも大きい。
▲6五銀に△5五角と出られた。
第2図以下の指し手。▲4四歩△同銀直▲5四歩△3五銀▲同角△4四銀▲同角△同角▲5三銀△同金▲同歩成△7七歩(投了図)
まで、Wat君の勝ち。
第2図、私が指せそうな気もするのだが。むずかしい。本線は▲4五桂△1九角成▲5三桂成△同金▲8六角なのだが、うまくいかない。1九香をダイレクトで取られるのが気に食わない。
▲5六歩も考えたが、△7三角▲7四銀で、千日手になりそうな気がした。
「1時間ぐらい考えたいところなんだが…」
と私はつぶやく。しかし時間もなく、▲4四歩とやった。
が、これが悪手だったようで、以下数手で終わってしまった。
「▲4四歩で一気に終わっちゃいましたね」
とWat君。まさに「二人がかり」になってしまった。
Og氏を交えた感想戦では、第2図で▲5六歩が検討された。これに△7三角では▲7四銀で千日手模様なので、いきおい△7七歩とする。以下▲5五歩△7八歩成▲同玉△7七歩▲同桂△同桂成▲同玉に△6四歩(参考1図)。以下▲7四銀なら△8七歩成▲同歩△6五桂▲7八玉△7七金▲同角△同桂成▲同玉△6九角(参考2図)で、これは上手の攻めが続いて上手優勢である。ほかの変化も、どれも上手が良くなった。
してみると、第1図まで遡っても、上手が有望な形勢だったわけだ。
対局中はWat君が「え~? え~?」とボヤくし時間も使うしで、てっきり私の方が形勢がいいと思っていた。「よく見れば(上手は)雁木だしそちらはバラバラだし…」とWat君。まさにそうで、実際の形勢は逆だった。
さすがに元奨励会相手に平手はキツかった。次回の手合いはまた考える。
3局目はSo君と指す。私の飛車香落ちで始まったが、So君の的確な攻めに、なす術もなく敗れた。私の△2三金が悪手だったのだが、それを指さずとも負けたと思う。
しかしSo君とは以前も指したことがある。W氏に聞くと、その時は私の飛車落ちだったという。
子供は伸び盛りだというのに、なんで上手の手合いが厳しくなるのか分からぬ。他に対局相手もいなかったので、私の飛車落ちで再戦となった。
(つづく)