一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

新宿初見参(1)

2020-01-11 00:07:01 | 新宿将棋センター
6日(月)は都内某所で面接を受けた後、新宿将棋センターに行った。ここは日本将棋連盟直営の将棋道場で、棋士も常駐し指導対局や講座を行っている。この日は大野八一雄七段の指導対局(13時~17時)だった。
新宿でJRを降り、想い出横丁の中華料理屋でワンタンメンを食べた。会社員だった7月以来で、複雑な味というか、気持ちだった。当時の暴走(退職)を後悔したくはないが、辞める前に誰かに相談するなど、もう少し冷静さがあれば、違った結論になっていたかもしれない。まあ実際は私自身アップアップだったし、過去の話ではあるのだが。

新宿将棋センターへは初めてのお邪魔だ。そもそも私が将棋センターに行くことはあまりなく、いままでの人生で東京は将棋会館、日暮里、日暮里2、西日暮里、御徒町、秋葉原、東十条のみ。大阪は十三くらいしかない。
新宿将棋センターは西武新宿線新宿駅より、JR線路の反対側にある。場所はすぐに分かり、モスバーガーの入っているビルの6階がそうだった。
フロアはかなり広く、全体的に白で、清潔感があった。まずは出入口付近のカウンターで、受付である。私はカバンから「将棋世界」の最新号を取り出す。これを提示すると月の1回に限り、1日の席料1,300円が半額、つまり650円になるのだ。
もっともこのセンターは、滞在1時間までなら450円、2時間までなら700円と良心的である。私は居ても最大2時間の予定だったのでうま味はないが、センターのこうした姿勢がうれしい。
棋力を聞かれたので「三段と四段の間」と述べておく。実はこの1ランクが重要で、三段から四段へは「10連勝」か「16勝2敗」である。奨励会より厳しい。
商品券を1枚もらった。対局の勝敗に応じてさらにもらえるチャンスもあり、常連に手厚い措置となっている。
私は大野七段との指導対局を所望する(平日1,000円)。するとちょうど空きが出て、対局に入ることができた。
大野七段は対局室の手前にいた。2面指しである。
「おおう」
「どうも。今日は近場で面接がありまして」
「そうですか、今年は社団戦に(ウチから)出てよ」
「またまた。(私がいなくても)昇級したじゃないですか」
「大野教室」は昨年の社団戦に、5部で出場した。本割10勝5敗と微妙な成績ながら対抗が次々と脱落し、入替戦参戦。そこを4勝3敗で辛くも制し、3位で4部昇級を決めていた。
私は角を落としていただき、対局開始である。

初手からの指し手。△5四歩▲7六歩△6二銀▲5六歩△5三銀▲2六歩△4二玉▲2五歩△3二玉▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩(第1図)

△6二銀に、私は▲7六歩。大野教室は正月4日から営業だったが私は行かなかったので、これが2020年の指し初めである。
▲2四歩と飛車先の歩を切り、△2三歩には飛車をどこに引くか。

第1図以下の指し手。▲2八飛△5二金右▲4八銀△8四歩▲7八銀△6四歩▲6八玉△4二金上▲7九玉△8五歩▲7七角△6五歩▲5七銀△6三金▲3六歩△6四金▲5九角△5五歩(第2図)

左のおっちゃんは角落ちで、中盤の難しいところである。
私は記譜を取っているが、大野七段がいつものペースで指してくるので、私は一呼吸置いて記入する。
局面。2、3年前なら一公流で▲2五飛だが、大野七段にはすべて見透かされているので、大人しく▲2八飛と引いた。
以下は駒組が進むが、△8五歩に▲7七角は微妙なところ。飛車先を切らしてもいいのだが本局は▲2八飛と穏やかに引いているので、ここは▲7七角でいいのだろう。
ただ次に大野七段に△6五歩と突かれたのはマズかった。私はけっこう定跡を無視するが、角落ちにおいての「位負けしない」は大事だと思う。
△6四金に▲5九角もビビりすぎ。もうちょっとこの位置で頑張りたかった。
△5五歩にはどうするか。

第2図以下の指し手。▲3七角△4四銀▲5五歩△同金▲5六歩△4五金▲2六飛△5二飛▲5八金右△3四歩▲5九角△5六金▲同銀△同飛(第3図)

第2図で▲5五同歩△同金▲5六歩でもまったく問題はない。だが一瞬でも金に中央を制圧されることが我慢できず、つい私は突っ張ってしまう。本局も▲3七角と上がった。
だが大野七段に△4四銀と戦力を増強され、結局▲5五歩と戻すのではしょうがない。
結果△4五金に▲2六飛の一手が必要となった。そこで△5二飛が私の戦力を喪失させる手。△5六金からの1歩損が避けられなくなってしまった。
こうなるなら最初に▲5五同歩とやっておけばよかったのだ。
本譜△3四歩に私はまた▲5九角と引いて、何をやってるんだか分からない。そして△5六金から捌かれてしまった。

第3図以下の指し手。▲5七歩△7六飛▲3七角△8六歩(第4図)

悔しいが▲5七歩と打つよりない。ここで大野七段は△7六飛と、さらに歩得した。まったくいまいましい。
ここで▲3五歩が利けばいいが、△2六飛▲同角△2七飛は下手敗勢であろう。私は指す手がなくなり▲3七角。本当にこの角はさっきから何をやっているのだ。
私が自己嫌悪に陥っていると、△8六歩が飛んできた。

(つづく)
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