一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

新宿初見参(2)

2020-01-12 20:43:18 | 新宿将棋センター

第4図以下の指し手。▲7七金打△7四飛▲8六歩△3五歩▲同歩△3八歩▲2八角△3九歩成▲同角△3七歩(第5図)

室内は意外に客がいる。もちろんリタイア組が多いが、けっこう社会人もいる。私のようなナンチャッテスーツ客もいるからアレだが、皆さんはどうやって時間を捻出しているのだろう。
△8六歩に▲同歩は△8七歩。以下▲7七歩△8六飛となれば下手敗勢である。よって▲7七金打と入れた。もったいないが△7四飛に▲8六歩と戻し、駒台に1歩が乗った。次は▲7二歩が狙いである。
なお▲7七金打で▲7七銀は薄すぎて、まったく考えなかった。
大野七段は△3五歩。私は歩がほしいのでさして考えず取ったが、△3八歩と一足先に垂らされ、クサッタ。
ともあれ▲2八角と引くと、大野七段は△3九歩成~△3七歩。狙いがよく分からないが、うまく手を作るものと感心してしまう。

第5図以下の指し手。▲3七同桂△3八銀▲4八角△4九銀成▲1六歩△5四飛▲3四歩△3五銀▲5六飛△5五歩▲7六飛△3四飛(第6図)

1歩もらって桂が跳ねられるんだからと私は▲同桂と取ったが、△3八銀で角が死んでいるのに呆れた。
これがあるなら▲3七同桂ではじっと▲4八金だったか。ただ以下△3八銀▲2八角に、A△2九銀成は▲3七角。B△3五銀▲2五飛△3六銀は▲3五飛。▲4八金もあったようだ。
本譜△4九銀成には角を取られた後△1五角の筋が恐いので、▲1六歩と突いた。しかしこのクソ忙しい時に1回休みは痛すぎる。
△5四飛に▲3四歩もお手伝いっぽいが、単に▲7六飛では飛車の侵入に時間がかかるし、代わる手が分からなかった。
しかし本譜▲7六飛に△3四飛と幸便に取られ、相変わらず苦しい形勢だ。

第6図以下の指し手。▲4五桂△4八成銀▲同金△3六歩▲3三歩△2二玉▲2五銀△4四飛▲3六銀△同銀▲同飛△4五飛(第7図)

私は▲4五桂と跳ねた。右桂が2回跳ね、とりあえず下手の駒も目一杯働いている。
△4八成銀を強要し、△3六歩に▲3三歩。これに△2二玉と辛抱されたので驚いた。下手は駒不足なので、ここで駒が調達できないと苦しい。
ここで▲5三銀を考えたが、△4一金と引かれ下手ダメだろう。また▲7五飛と浮いて▲8五飛~▲8一飛成を目指す手もあるが、ちょっと遅い気がする。それに△5六歩の反撃も気になる。
そこで私は▲2五銀と、△3五銀と△3六歩の除去にかかった。しかし上手の銀を駒台に乗せてやった上、手順に桂まで取られてしまった。いま考えればバカをやったというしかない。

第7図以下の指し手。▲3二銀△同銀▲同歩成△同金▲3三歩△同金(第8図)

第7図では▲3四銀と打ちたいのだ。△4四歩に▲2四歩が詰めろである。だが堂々と△2四同歩と応じられ、▲2三歩△1二玉でもう一押しがない。
それなら先に▲2四歩もある。△2四同歩▲2三歩に△同玉は▲3四銀だから△1二玉だが、▲3二銀で下手有望ではないか? だが対局中はまったく考えなかった。
▲3二銀をあっさり取られ、私の攻め筋が随分細くなった。
▲3三歩は気分よく打ったが……。

第8図以下の指し手。▲3四歩△3二金▲4六歩△4四飛▲2四歩△同歩▲3五銀△7四飛▲2四銀△2三歩(投了図)
まで、99手で大野七段の勝ち。

△3三同金に私はさらに気分よく▲3四歩と叩いたが、△3二金と引かれて二の矢がないのに愕然とした。否、よく見れば下手投了級ではないか。
私は▲4六歩以下進めたが、ただ指しているだけである。△2三歩でいよいよ指す手がなく、ここで投了した。左のおっちゃんより早く終わってしまった。

「さっき、▲3四銀を考えてたんですが」
「そうそれでダメでしょう」
「!? そんなですか?」
「▲3三歩△同金の局面(第8図)で」
「ああぁそっちですか。私はもっと前の局面でして」
私は第7図まで戻し、▲3四銀を示す。「△4四飛に▲2四歩△同歩▲2三歩△1二玉(参考A図)でダメだと思いました」

「これ。そうだね、これは切れてるね」
「でもそうか。△3三同金のところで▲3四銀か。全然気付きませんでした。もっとも気付いてたら打ってるんですど」
第8図から▲3四銀以下は△同金▲同飛△3二銀▲3三歩△同銀▲8四飛△3五飛▲8一飛成△3九飛成▲5八金右△8七歩(参考B図)で、▲同金は△9五桂が厳しい。

「これは意外と(上手)指せるね」
「そうか。これで難しいのか……」
「△3六歩では△3四銀を考えたんですよ。だけど▲3五歩があるもんね」
「ああそれは指しますね」
「△同銀は一手パスだし、△同飛は▲3六歩から飛車を殺される」
ここらあたりで左のオッチャンの将棋が終わった。大野七段の勝ち。しばし感想戦をやったあと、こちらに戻ってきた。
「(第6図からの▲3三歩△2二玉のあと)▲7五飛かと思ったのよ。次に▲6五飛か▲8五飛で」
「ああ、それありましたか。でも△5六歩がイヤ味に思いまして」
しかし▲8五飛△5七歩成▲同金△8四歩▲6五飛(参考C図)は、上手歩切れで飛車の侵入が防げない。このあたりはまだ、下手にチャンスが残っていたのだ。

ここで係の人に「もう1時間経ったので……」と終了を促された。おっちゃんより遅く始めたのに納得がいかないが、まあいい。
かくて2020年最初の将棋は黒星スタートとなった。
(つづく)
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