一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2019年九州旅行(1)

2020-02-26 00:13:55 | 旅行記・九州編
2019年12月、今年も長崎旅行の季節がやってきた。私は堕落の求職中ながら、日程は14日(土)~15日(日)と、1泊2日の強行スケジュールだった。
朝、まだ暗いうちに起床する。準備を整えリュックを背負って表に出ると、空には月が煌々と光っていた。
早暁5時台に最寄り駅に着き、電車を待つ。時間があったので、改札内の精算機で500円だけチャージした。お釣りの500円玉が目的だ。出す機会はないと思うが、あんでるせん用に一通りの硬貨は揃えておきたい。もう、20年前の失敗はゴメンだ。
精算機の上部には「待ち時間にチャージはどうですか」の貼り紙があった。私はまさに、それを実行したわけだ。
なお家を出る前、お金の確認をしていると「MT088887Z」の千円札があったが、8が4つ並ぶのは縁起がいいと思い、家に置いてきた。だがこの千円札こそ、あんでるせん用に持って行くべきだったかもしれない。
ようやく京浜東北線に乗った。乗客は意外に多く、私は浜松町まで立って行った。
モノレールの空港快速に乗り換え、06時37分、羽田空港第1ビル着。こちらにスカイマークが控えている。07時20分発の長崎空港行き401便に搭乗した。
離陸後、眼下に富士山が見えた。せっかく窓際にいたので、1枚パチリ。うまく撮れたようだったら、これを来年の年賀状の写真にしようか。



神戸空港には定刻より4分早い08時36分に到着した。長崎便は神戸を経由するのだ。ここで私たちはいったん降りる。若干ストレスが溜まるが、11,290円だから文句は言えない。
同じシートに戻り、09時15分、神戸空港発。長崎空港には10時25分に着いた。川棚バスセンターへの連絡バスは10時50分である。あんでるせんの集合は午前11時だが、飛行機の客も考慮して、遅刻は大目に見てくれる。
しかしバスは多くの客でいっぱいである。観光バス用で、私は一般席に座れたが、補助席が何席か使われた。要するにほぼ満席である。この大半はハウステンボスへ行くのだろう。
走ってしばらくすると、スマホに電話がきた。auからで、何かの営業であろう。
オヤジもauユーザーなので、家族割にするとか私も相談したい件はあるのだが、いまこの席だけは会話が憚られる。「旅行先のバスの中なので……」と切らざるを得なかったが、まことに間が悪い。
外は晴れだが、これから室内になるので、雨男の私にはもったいない。
川棚に近付くと、後方で降りる気配がした。これで私も自然に降りられる。11時36分、川棚バスセンター着。降りたのは後ろの女性2人と、私だけだった。彼女らもあんでるせんであろう。
歩道橋からあんでるせんの外観を写真に収め、中に入ると、ほぼ満席だった。





私はドア横の大テーブルに案内された。昨年と同じ席だ。右手には男性2人、左手には女性3人。男性はひとり旅のようだが、女性はグループっぽい。
カウンターの5人は全員女性だ。窓際のテーブルには、西洋の外国人男性が2人いた。外国のお客があるのは知っていたが、実際に見るのは初めてだ。以上、総勢24~5人になろうか。1日のマジックの回数が減ったこともあるが、相変わらずの人気だ。ただそれだけに、20年前の「3人」は何だったのだろうと改めて思う。



私はビーフカレー(840円)とブレンドコーヒー(550円)をオーダーする。数年前から800円以上の注文が義務化されたので、コーヒー1杯だけの注文はできなくなった。もとよりマジック観賞料として、そのくらいの額は消費するつもりである。
ビーフカレーが運ばれてきた。一口入れる。レトルト風の味が懐かしい。しかし、肉片が奥歯に挟まって参った。この歯はまた治療しなければいけないのだが、同じ歯を何回病んでいるだろう。歯医者がヤブなのだ。
食後はやることがない。例年は「私の今年の10大ニュース」を選出するのだが、ここ数年はアクティブでないので、ほとんどニュースがない。それでも今年は、「5月就職」「7月離職」が、ツートップとなる。
午後2時近くになり、私たちはママさんに促され、会計を済ます。いよいよマジックである。私はどこに行ってもいいのだが、2列目の最も左の位置となった。昨年とほぼ同じである。
数年前から整理券番号は廃止され、ここで自分の番号を告げられる。私は「16」だった。番号の書かれた棒がカウンターに置かれ、それを3番の女性が引くわけだ。
問題は、どの出し物の時に呼ばれるのがベストか。悩み事をひとつだけ書ける回があるのだが、そこに当たれば理想的だ。
客は総勢28人となった。心地よい緊張感に包まれる中、2時12分、カウンターにマスターが登場した。丹波義隆似のマスターは、20年前とほとんど変わっていない。強いて言えばメガネを掛けたことくらいだ。
対して私はブクブク太り頭もハゲ散らかし、結婚もできず、職も失ったままだ。20年前からマスターのアドバイスを拝聴していたのに、それを活かせず、悪い方向に進んでいる。私ほど堕落した人間はいないと思う。
「本日はお越しいただき、ありがとうございます。これからしばし、不思議な世界にお付き合いください」
まずは指環を所望する。女性陣は手慣れたもので、すぐに4つの指環が出た。これもネット情報のなせる業だが、情報が回りすぎるのも一長一短だと思う。
マスターはそのひとつを掌に載せ、クククと浮き上がらせる。「30度」「45度……」。
客は驚きの声を挙げるが、これで驚いていては、これから身が持たない。
マスターは外国人に英語で話しかけると、アクリル製の筒に入れ、やはり浮き上がらせた。
マスターは、指環4つを小さな木箱に入れる。それをライターの火であぶり横に振ると、やがて音が聞こえなくなった。
マスターは傍らの財布からキーホルダーを取り出す。するとそこに、指環がひとつ、くくりつけてあった。またも歓声がわく。
「あとの指環は、各自のご自宅に戻っていると思いますよ」
その言葉が信じられるのが凄いところである。ただまあ……というわけで、マスターが黒いセーターの下から、ネックレスを取り出した。そこには別の人の指環がくくりつけられていた。またも歓声である。
結局、残りの指環も出て来た。私たちは自然に拍手をする。思えば昨年は3番席に、煽動係のような拍手男がいたが、やはり今回の自然な感じがいい。
「高橋君、(よく)見てますか」
私の後方にいた男性が、曖昧に返事をする。実はこれも名前当てになっているのだが、どのくらいの客が気付いただろう。
続いてESPカードである。カウンターの4人が、カードの5種類を当てる例のやつだ。
これも4人とも当たるのが分かっているが、万が一ということもある。しかもマスターが「今から(選んだカードを)変えてもいいですよ」とか言うので、余計に盛り上がるのだ。ただカードは、4人とも正解だった。
今度はマスターがカードを透視して、上から何番目が何の模様かをピタリと当てた。
私は1年振りのマジックを、懐かしい思いで見ていた。
(つづく)
コメント
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