11月27日の日本テレビ「金曜ロードショー」は、2019年制作の「ルパン三世THE FIRST」。監督・脚本は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」などでお馴染みの山崎貴。
ルパン三世初の3D制作ということで、とりあえず録画した。興味半分、不安半分だったが、いざ再生をしてみると人形劇を見ているようで「不気味の谷」も感じ、見始めてから数分で消去してしまった。ふつうにアニメでやればいいのに、3DCGにする意味がよく分からなかった。制作者には申し訳ないが。
◇
11月12日放送のテレビ朝日「相棒11」第8話「棋風」を見た。初放送は2012年12月5日。当時は私も見たはずだが、不覚にも当ブログで触れていなかったので、記しておこう。以下、ネタバレあり。
将棋の田辺龍馬八段(酒井康行)と将棋AIが「電脳戦」で対局し、AIが勝った。次はAIと時田正人名人(竹財輝之助)との対局になり、世間は湧いていた。そんなある日、その将棋ソフト開発者・安西由典(木下政治)の死体が研究室で発見された。警視庁捜査一課7係の伊丹憲一巡査部長(川原和久)らは事故死と読むが、特命係の杉下右京警部(水谷豊)は、割れた蛍光灯の破片が椅子の下に付着していたことから、ほかに何者かがいた、すなわち他殺と睨む。
利害関係があるのは日本将棋連盟会長・曾根崎邦夫(園田裕久)と、時田。しかし曾根崎は当日、新聞社のパーティーに出席していた。だが時田にアリバイはなかった。
右京と甲斐享巡査部長(成宮寛貴)が研究室に行くと、AIのオペレーターを担当していた元奨励会三段・篠田彩子(高野志穂)がいた……。脚本は金井寛。
将棋を趣味にしている者にとって、将棋がテーマの作品は一言言いたくなる。
まず、電脳戦で使われていた将棋駒が安っぽい。番太駒の500円のやつだ。番組の予算がなかったといえばそれまでだが、後の研究室のシーンで使われていた駒はかなりいい駒だった。これがどうして使われなかったのだろう。
また、元奨励会三段の篠田が退会したとき、女流棋界に入らず一般企業に就職したのが考えられない。これはNHK「盤上の向日葵」の佐野直子も同じだが、里見香奈女流四冠の例を見るまでもなく、女性だったら間違いなく女流棋士に転向する。
また、若き日の時田が篠田の彼氏に取り入って別れさせた、とうのも解せない。時田にも時田なりの考えがあったことが後に分かるが、ヒトの男女関係に介入するなど大きなお世話で、時田は黙って見ていればよかった。
さらに、研究員が将棋を指し掛けにし、駒の配置をそのままに帰ったのも首を傾げる。翌日ならまだしも、土日を間に挟むのだから、ふつうは駒箱にしまうのではないだろうか。
それにこの研究員は、月曜の朝から将棋を指すつもりだったのだろうか?

彩子を容疑者と断定した右京の推理も、若干弱い気がしないでもなかった。
また、名人とAI戦の48手目はAIでなく彩子が指したのだが、それを時田は気づいていたという。これがタイトルの「棋風」に繋がるのだが、一局まるごとならまだしも、たった1手の指し手では誰が指したか、は分からないのではないか?
本編では右京が「将棋を打つ」と言っていたが、チェスを嗜む右京が「将棋を打つ」とは言わない。将棋ドラマを創る場合、棋士が監修すれば、一段高いクオリティのものができると思うのだが。
ルパン三世初の3D制作ということで、とりあえず録画した。興味半分、不安半分だったが、いざ再生をしてみると人形劇を見ているようで「不気味の谷」も感じ、見始めてから数分で消去してしまった。ふつうにアニメでやればいいのに、3DCGにする意味がよく分からなかった。制作者には申し訳ないが。
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11月12日放送のテレビ朝日「相棒11」第8話「棋風」を見た。初放送は2012年12月5日。当時は私も見たはずだが、不覚にも当ブログで触れていなかったので、記しておこう。以下、ネタバレあり。
将棋の田辺龍馬八段(酒井康行)と将棋AIが「電脳戦」で対局し、AIが勝った。次はAIと時田正人名人(竹財輝之助)との対局になり、世間は湧いていた。そんなある日、その将棋ソフト開発者・安西由典(木下政治)の死体が研究室で発見された。警視庁捜査一課7係の伊丹憲一巡査部長(川原和久)らは事故死と読むが、特命係の杉下右京警部(水谷豊)は、割れた蛍光灯の破片が椅子の下に付着していたことから、ほかに何者かがいた、すなわち他殺と睨む。
利害関係があるのは日本将棋連盟会長・曾根崎邦夫(園田裕久)と、時田。しかし曾根崎は当日、新聞社のパーティーに出席していた。だが時田にアリバイはなかった。
右京と甲斐享巡査部長(成宮寛貴)が研究室に行くと、AIのオペレーターを担当していた元奨励会三段・篠田彩子(高野志穂)がいた……。脚本は金井寛。
将棋を趣味にしている者にとって、将棋がテーマの作品は一言言いたくなる。
まず、電脳戦で使われていた将棋駒が安っぽい。番太駒の500円のやつだ。番組の予算がなかったといえばそれまでだが、後の研究室のシーンで使われていた駒はかなりいい駒だった。これがどうして使われなかったのだろう。
また、元奨励会三段の篠田が退会したとき、女流棋界に入らず一般企業に就職したのが考えられない。これはNHK「盤上の向日葵」の佐野直子も同じだが、里見香奈女流四冠の例を見るまでもなく、女性だったら間違いなく女流棋士に転向する。
また、若き日の時田が篠田の彼氏に取り入って別れさせた、とうのも解せない。時田にも時田なりの考えがあったことが後に分かるが、ヒトの男女関係に介入するなど大きなお世話で、時田は黙って見ていればよかった。
さらに、研究員が将棋を指し掛けにし、駒の配置をそのままに帰ったのも首を傾げる。翌日ならまだしも、土日を間に挟むのだから、ふつうは駒箱にしまうのではないだろうか。
それにこの研究員は、月曜の朝から将棋を指すつもりだったのだろうか?

彩子を容疑者と断定した右京の推理も、若干弱い気がしないでもなかった。
また、名人とAI戦の48手目はAIでなく彩子が指したのだが、それを時田は気づいていたという。これがタイトルの「棋風」に繋がるのだが、一局まるごとならまだしも、たった1手の指し手では誰が指したか、は分からないのではないか?
本編では右京が「将棋を打つ」と言っていたが、チェスを嗜む右京が「将棋を打つ」とは言わない。将棋ドラマを創る場合、棋士が監修すれば、一段高いクオリティのものができると思うのだが。