14日に指された第34期竜王戦ランキング戦5組残留決定戦で、桐山清澄九段は上村亘五段に勝ち、5組残留を決めるとともに、来期竜王戦の出場権を獲得した。
桐山九段は1000勝へのカウントダウンが始まっていた2018年2月から原因不明?の連敗地獄に陥り、26連敗を喫した。2019年3月に連敗をストップしたが、直後から連敗地獄がまた続き、今度は18連敗を喫したのであった。
これだけ負けが続くと厳しい。桐山九段は2020年3月に順位戦C級2組から降級し、残る参加棋戦は竜王戦だけになった。この時点で通算994勝。数年前には楽勝と思われていた「1000勝」が、かなり難しくなったのである。
竜王戦は、5組在籍の場合2期だけ指すことができる。むろんこの間6組に降級すれば、その時点でジ・エンドである。このとき桐山九段は第33期を戦い最終的には残留したのだが、ヒトによってはこの期を含む2期、つまり第34期までで現役終了と解する向きもあった。
だが今回上村五段との将棋に勝ち、第35期の参加も認められたことで、「順位戦降級時の竜王戦の期数を抜きにしての2期」が確認できたのであった。
さて上村五段との将棋は、先番桐山九段が初手▲7八飛。以下、角交換石田流に組んだ。
若いころは振り飛車党だった桐山九段だが、近年は居飛車オンリーだ。そこで現役最後になるかもしれない対局で▲7八飛とは、何と思い切った作戦か。桐山九段は横歩取りや角換わりの最新形にも精通していて、とにかく将棋が若い。
上村五段は四段時代の藤井聡太二冠に後手番で勝った経験を持つ実力者だ。だが桐山九段は一歩も引かず、見事な指し回しで快勝したのだった。
ネットでは大山康晴十五世名人と羽生善治九段のどちらが強いか、の話題でいつも沸騰している。これは今後の羽生九段の活躍で評価も変わってくるが、将棋のレベルとしてはどうなのだろう。その恰好の物差しが、その両者と戦った棋士の存在である。
今回大山十五世名人とタイトル戦を戦ったこともある桐山九段が、(羽生九段は別として)藤井二冠を倒したこともある上村五段に勝ったことは興味深く、また特筆に値する。意外に昔もいまも、将棋のレベルは変わっていないのかもしれない。
そして興味は早くも来期の竜王戦である。これがロスタイム5組2期目となる桐山九段は、ここで4組に昇級しないと、いよいよ引退となる。そしてランキング戦もしくは昇級者決定戦で4勝すれば、「通算1000勝」となる。昭和の名棋士にはこの大記録をぜひ達成してもらいたいが、前述の通り状況はかなり厳しい。ともあれ1勝でも多く上積みできることを祈っている。
桐山九段は1000勝へのカウントダウンが始まっていた2018年2月から原因不明?の連敗地獄に陥り、26連敗を喫した。2019年3月に連敗をストップしたが、直後から連敗地獄がまた続き、今度は18連敗を喫したのであった。
これだけ負けが続くと厳しい。桐山九段は2020年3月に順位戦C級2組から降級し、残る参加棋戦は竜王戦だけになった。この時点で通算994勝。数年前には楽勝と思われていた「1000勝」が、かなり難しくなったのである。
竜王戦は、5組在籍の場合2期だけ指すことができる。むろんこの間6組に降級すれば、その時点でジ・エンドである。このとき桐山九段は第33期を戦い最終的には残留したのだが、ヒトによってはこの期を含む2期、つまり第34期までで現役終了と解する向きもあった。
だが今回上村五段との将棋に勝ち、第35期の参加も認められたことで、「順位戦降級時の竜王戦の期数を抜きにしての2期」が確認できたのであった。
さて上村五段との将棋は、先番桐山九段が初手▲7八飛。以下、角交換石田流に組んだ。
若いころは振り飛車党だった桐山九段だが、近年は居飛車オンリーだ。そこで現役最後になるかもしれない対局で▲7八飛とは、何と思い切った作戦か。桐山九段は横歩取りや角換わりの最新形にも精通していて、とにかく将棋が若い。
上村五段は四段時代の藤井聡太二冠に後手番で勝った経験を持つ実力者だ。だが桐山九段は一歩も引かず、見事な指し回しで快勝したのだった。
ネットでは大山康晴十五世名人と羽生善治九段のどちらが強いか、の話題でいつも沸騰している。これは今後の羽生九段の活躍で評価も変わってくるが、将棋のレベルとしてはどうなのだろう。その恰好の物差しが、その両者と戦った棋士の存在である。
今回大山十五世名人とタイトル戦を戦ったこともある桐山九段が、(羽生九段は別として)藤井二冠を倒したこともある上村五段に勝ったことは興味深く、また特筆に値する。意外に昔もいまも、将棋のレベルは変わっていないのかもしれない。
そして興味は早くも来期の竜王戦である。これがロスタイム5組2期目となる桐山九段は、ここで4組に昇級しないと、いよいよ引退となる。そしてランキング戦もしくは昇級者決定戦で4勝すれば、「通算1000勝」となる。昭和の名棋士にはこの大記録をぜひ達成してもらいたいが、前述の通り状況はかなり厳しい。ともあれ1勝でも多く上積みできることを祈っている。