一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

羽生九段、敗れる

2021-05-26 00:11:26 | 男性棋戦
24日は第62期王位戦挑戦者決定戦・豊島将之竜王VS羽生善治九段の一戦があった。
タイトル100期を目指す羽生九段は、絶対に負けられない戦い。そのうえで藤井聡太王位とのタイトル戦が実現すれば、大きな話題になる。豊島ファンには悪いがこの戦い、羽生九段に勝ってもらいたかった。
この日はABEMAで中継があり、出だしのところはチラッと見た。羽生九段の先手で、▲7六歩に、豊島竜王は△8四歩。ここで▲2六歩なら角換わり、▲6八銀なら矢倉となる。羽生九段は後者を採用した。
▲2六歩からの角換わりはウィズAIで相当に研究が進んでおり、形によっては詰みの結論まで出ているらしい。羽生九段も研究はしているだろうが、豊島竜王のほうが一枚上手の気がする。研究で負かされるのはバカバカしいから、羽生九段は矢倉を志向したのだと思った。
話が前後するが、羽生九段の全盛時だったら、こういった挑戦者決定戦では、たいてい羽生ノリで、実際羽生九段が勝つことが多かった。
だが最近の羽生九段は挑戦者になるまでが一苦労だ。全棋戦を調べる気力はないけれども、王位戦に限っても第59期、第60期と挑戦者決定戦に進みながら、それぞれ豊島八段、木村一基九段に敗れた。本局も難敵が相手だが、先手矢倉なら、相当に勝つチャンスはあると思った。
だが、昼過ぎに中継を見ると、AIの評価は先手35%くらいだった。別に後手が急戦を仕掛けたわけでもないのに、どうしたことだろう。
まあまだ先は長いが、これは羽生九段がダメだと思った。
夕方に見ると、さらに羽生九段の形勢が悪くなっている。これは素人目にも、もう逆転はないと思った。
その次に見ると、もう勝負はついていた。すなわち、豊島竜王が勝っていた。嗚呼。
のちに棋譜を拝見したが、羽生九段の▲3五銀を阻止する、豊島竜王の△2三桂(80手目)が印象に残った。
羽生九段はこれで、対豊島戦18勝23敗となった。一見いい勝負のようだが、これで6連敗である。羽生九段は、対藤井猛九段、対深浦康市九段など、途中まで五分の成績だったのに、グンと引き離す得意技がある。だが豊島竜王には、その逆をやられているわけだ。ここにも羽生九段の斜陽を感じる。これからこのパターンが多くなってゆくのだろうか。

さて藤井王位VS羽生九段のタイトル戦はおあずけとなったが、挑戦者となった豊島竜王は対藤井戦6勝1敗であり、純粋にタイトルの帰趨を愉しみたいなら、こちらがベストのカードといえる。第1局は6月29日・30日に名古屋市で行われる。
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