一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

藤倉五段、引退を回避

2021-05-28 00:12:15 | 男性棋士
26日に行われた第34期竜王戦5組残留決定戦・島朗九段VS藤倉勇樹五段の一戦は藤倉五段が勝ち、5組残留を決めた。
実はこの1勝は大きかった。すなわち藤倉五段は2009年度の第68期順位戦C級2組でフリークラスに陥落し、現役の余命10年となった。そして2020年3月に半現役引退となったのだが、竜王戦は2006年の第19期に5組に昇級していたので、竜王戦規定により、最大2年の参加を許された。事情はやや違うが、桐山清澄九段と同じケースである。
そして今回藤倉五段は島九段に勝ったことにより、第35期の参加も可能になったというわけだった。

しかし藤倉五段も、早くにフリークラスに陥落したものだ。熊坂学五段の「伝説の3期」には及ばないが、藤倉五段もわずか7期で陥落した。すなわち藤倉五段の初参加は2003年度の第62期だが、3勝7敗でいきなりの降級点となった(余談だが、この期は大野八一雄六段が3つめの降級点を取り陥落している)。
C級2組はこの1つめの降級点がやっかいで、昇級(か陥落)しない限り、消えない。藤倉五段は、続く第63期、第64期と5勝5敗で、これがC級1組やB級2組なら降級点が消えたが、C級2組ではイレズミとして残った。この辺り、川上猛七段と同じケースである。そしてこれが祟り、藤倉五段は第68期の降級点で、陥落となったわけである。
藤倉五段の通算勝率は0.418。これを順位戦に嵌めれば降級点を取らない計算だがそこが順位戦の怖さで、棋士はみんなチカラを入れるから、どうしても順位戦に芳しくない棋士が現れてしまう。そのところ、藤倉五段は勝負弱かったと言わざるを得ない。
ただ棋士の中には、トーナメントプロよりレッスンプロのほうが似合うケースもあるのだ。その点藤倉五段は甘いマスクで、女性教室をやらせたら多くの生徒が集まると思う。実際藤倉五段は複数のこども教室を開いており、弟子に和田あき女流初段、和田はな女流2級がいる。
さて藤倉五段は、第35期竜王戦で4組に昇級すれば、まだまだ現役生活は伸びる。桐山九段の1000勝(あと4勝)と同じくらい道は険しいが、とにかく1局でも多く勝ってくれることを祈っている。
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