一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第30期倉敷藤花戦・挑戦者決定戦

2022-10-04 22:22:41 | 女流棋戦
やや前の話になるが、9月28日、第30期大山名人杯倉敷藤花戦・挑戦者決定戦が行われた(主催:倉敷市、アルフくらしき、山陽新聞社、日本将棋連盟)。西山朋佳白玲・女王VS香川愛生女流四段の対戦である。
先手は西山女流二冠。例によって初手▲7八飛である。対して香川女流四段は△4四角~△3三桂とした。端を狙う作戦か。
といって仕掛けるわけでもなく、玉を固くするわけでもなく、ちょっと香川女流四段の作戦を測りかねた。
いっぽう西山女流二冠は自然に駒組を進め、悪い道理がない。
第1図は▲3四歩を防いで△2三銀と上がったところ。

ここ、素人目には▲3三角成△同玉▲4五桂△3二玉▲5三桂成△同銀▲6六角が映り、先手が一本取ったように見える。
果たして実戦も、後手の応手が若干違うものの、同じ筋で進んだ。
それにしても香川女流四段、どうして△8四飛と浮いたのだろう。だから角の目標にされてしまった。
しかしその後の△4四桂(第2図)がなかなかの手で、次に△3二金で馬を取る楽しみがある。それを防ぐ術が意外になく、むしろ香川女流四段が有望に思われた。

ところが西山女流二冠は悠然と▲7五歩。私は▲2二馬として、金や銀と刺し違えると思っていたから、本当に驚いた。
香川女流四段は予定の△3二金。ここまでが香川女流四段の読みだとしたら、香川女流四段は本当に強いと思った。
ところが西山女流二冠は▲1三香!
そうか、ふつうに馬にヒモを付けて先手よしか! 理外の理の手で、全然思い付かなかった。
なるほどこの手を見れば、先手優勢である。

その後だいぶ手が進み、第3図は△7八同とと飛車を取った局面。後手も指せるように見えるが、1ヶ所だけキズがあった。それが▲7二角で、先手は手に困らなくなった。
以下、113手まで西山女流二冠の勝ち。
西山女流二冠の快勝譜だが、実力四段対ユーチューバーでは、結果が見えていたともいえる。
さて西山女流二冠は、女流王将戦、倉敷藤花戦と、ダブルでの挑戦となる。年末までにいくつタイトルを重ねられるか。
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