きのうは第35期竜王戦第3局が行われたが、夜の話題は第81期A級順位戦・永瀬拓矢王座VS佐藤天彦九段戦での「反則負け」だった。
端的に書くと、対局は佐藤九段優勢のまま深夜に突入したが、佐藤九段がマスクを外したまま30分以上読みに没頭した。そこで痺れを切らした永瀬王座が理事会に抗議し、それが認められ、佐藤九段の反則負けになったのだった。
このコロナ禍においてマスク着用は必須。とはいえそれを破った棋士に反則負けの行使まではすまいと、私は楽観していた。
ところが昨夜、それが現実のものとなったわけである。
この異様な感覚、2008年の第2回大和証券杯・ネット将棋最強戦で、羽生善治二冠がクリックミスを犯し、負けになったときとよく似ていた。
また、むかしの竜王戦の挑戦者交代劇にも、似た感覚があった。
これらに共通するのは、将棋の内容と関係ないところで勝敗が決したことだ。これは、負けとされた佐藤九段はもちろん、勝ちになった永瀬王座さえ、後味の悪いものがあったと思う。
それなのに日本将棋連盟の速報には、○手まで永瀬王座の勝ちとなりました。と、散文的な文章しか載っていなかった。
なんで反則負けのことを書かないの? 意図的に隠そうとしたの?
そもそも連盟では毎日、立会人を設けていた。その立会人は何をしていたのか。すると、今回はすでに帰っていたという。私は、立会人はその日の全対局が終了するまで見守っていると思っていたので、意外だった。
ともあれ戦いが深夜に及ぶ順位戦で起こったのが、不幸の始まりだったわけだ。
あぁ、未来の将棋ファンがこの将棋を並べたとき、終了図を見て不思議な感覚に囚われるはずだ。ここで投了するとは、トッププロの将棋はどこまで深いのか、と。
改めて佐藤九段、今回の反則負けは痛かった。これで1勝3敗で、10名中9位に転落してしまった。
反対に永瀬王座は2勝2敗となり、残留はもちろん、名人挑戦の楽しみも残った。明暗が綺麗に分かれてしまったのである。
さて今後だが、連盟が「マスクなしの反則負け」の前例を作った以上、このルールは厳守するべきだと思う。
もし緩くしたりすると、「私のときは一発退場だったのに」と、佐藤九段から不満が出るからだ。
連盟が厳格なルールを作ったせいで、全国ニュースになってしまった。
端的に書くと、対局は佐藤九段優勢のまま深夜に突入したが、佐藤九段がマスクを外したまま30分以上読みに没頭した。そこで痺れを切らした永瀬王座が理事会に抗議し、それが認められ、佐藤九段の反則負けになったのだった。
このコロナ禍においてマスク着用は必須。とはいえそれを破った棋士に反則負けの行使まではすまいと、私は楽観していた。
ところが昨夜、それが現実のものとなったわけである。
この異様な感覚、2008年の第2回大和証券杯・ネット将棋最強戦で、羽生善治二冠がクリックミスを犯し、負けになったときとよく似ていた。
また、むかしの竜王戦の挑戦者交代劇にも、似た感覚があった。
これらに共通するのは、将棋の内容と関係ないところで勝敗が決したことだ。これは、負けとされた佐藤九段はもちろん、勝ちになった永瀬王座さえ、後味の悪いものがあったと思う。
それなのに日本将棋連盟の速報には、○手まで永瀬王座の勝ちとなりました。と、散文的な文章しか載っていなかった。
なんで反則負けのことを書かないの? 意図的に隠そうとしたの?
そもそも連盟では毎日、立会人を設けていた。その立会人は何をしていたのか。すると、今回はすでに帰っていたという。私は、立会人はその日の全対局が終了するまで見守っていると思っていたので、意外だった。
ともあれ戦いが深夜に及ぶ順位戦で起こったのが、不幸の始まりだったわけだ。
あぁ、未来の将棋ファンがこの将棋を並べたとき、終了図を見て不思議な感覚に囚われるはずだ。ここで投了するとは、トッププロの将棋はどこまで深いのか、と。
改めて佐藤九段、今回の反則負けは痛かった。これで1勝3敗で、10名中9位に転落してしまった。
反対に永瀬王座は2勝2敗となり、残留はもちろん、名人挑戦の楽しみも残った。明暗が綺麗に分かれてしまったのである。
さて今後だが、連盟が「マスクなしの反則負け」の前例を作った以上、このルールは厳守するべきだと思う。
もし緩くしたりすると、「私のときは一発退場だったのに」と、佐藤九段から不満が出るからだ。
連盟が厳格なルールを作ったせいで、全国ニュースになってしまった。