一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第35期竜王戦七番勝負、始まる

2022-10-07 13:19:20 | 男性棋戦
藤井聡太竜王に広瀬章人八段が挑戦する第35期竜王戦七番勝負が、きょう7日から始まった。
注目の戦型は予想通り角換わりで、相腰掛け銀になった。

20歳の藤井竜王はここまでタイトル戦に10回登場し、全勝。多くの棋士がタイトル戦とは無縁の中、この数字は驚異である。
タイトル戦の個々の成績は35勝6敗。勝率は.854で、予選や本戦の勝率を上回る。
藤井竜王は時の豊島将之竜王にストレート勝ちしたし、渡辺明名人にも、棋戦は違うものの圧倒している。もはや手がつけられないのだ。
となればそろそろ新規の挑戦者が欲しいところで、その意味では今回、山崎隆之八段に登場してほしかったがそこはそれ、広瀬八段も十分期待できる。
しかし両者の対戦成績は藤井竜王5勝、広瀬八段1勝で、ここでも藤井竜王が圧倒している。もっとも広瀬八段の1勝は2019年の第69期王将戦挑戦者決定リーグで、藤井七段(当時)のタイトル戦初登場を阻んだ、価値のあるものだった。
藤井竜王は、タイトル戦で勝っても驕らない。必ず反省の弁を口にし、棋力向上に励むのだ。これが敗者を慮るのではなく本心からなら、ますます他者との差が開くばかりである。やはり、藤井竜王優位の目しか出ないのである。
そこで広瀬八段が勝つ条件だが―羽生善治九段も読売新聞の七番勝負展望で述べていたが―シリーズの序盤で広瀬八段がリードするしかない。
すなわち「2勝0敗」で、これは絶対である。何しろ藤井竜王は、常時「4勝1敗ペース」なのだ。だから傍目には、これでようやく五分である。
よって藤井竜王相手には、七番勝負を2回やるようなイメージになると思う。藤井竜王に勝っても疲労感がひどいだろうし、相当苦労すると思う。
よって発想を変え、藤井竜王と戦えることを誉とし、愉しみながら指すのがいいと思う。
藤井竜王の研究量は底なしなので、意表を衝く意味でも広瀬八段に振り飛車穴熊をやってもらいたいが、ない話であろう。まあ、広瀬八段が終盤の妖しい手を炸裂させればしめたもの。七番勝負は面白くなる。
(追記:この記事をアップ後、2日放送の「将棋フォーカス・竜王戦七番勝負の展望」を見たのだが、けっこう内容がかぶっていて焦った。これじゃあ、私がこの番組を参考にしたように見える。でもそうではありません)
コメント (2)
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