一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

里見女流五冠、白玲を奪取!!

2022-10-22 23:03:19 | 女流棋戦
第2期白玲戦第7局は21日に行われ、里見香奈女流五冠が西山朋佳白玲に勝った。女流棋界初の七番勝負としては堪えられない展開で、里見女流五冠は○○●●○●○の4勝3敗で、白玲を奪取。優勝賞金1500万円を手にした。里見新白玲は約3年ぶりに女流六冠に復帰し、西山女王は一冠に後退した。

この日私はヒマだったがネット中継を見るのを忘れ、最初に見たときは図になっていた。

後手は△8七成香の存在が大きく、△5五銀と出た形は次の△6六銀の進出が痛快だ。
対して先手は飛車角が封じこまれた上、壁銀が痛すぎる。プロ同士なら9割方後手が勝つだろう。ということは、この局面はすでに終わっている。西山白玲は、なんでこんな将棋にしちゃったんだろう。
発端はその数手前の▲9五歩の仕掛けで、先に香損したのち、▲9五歩と香を取り返そうとした。
ところが先に香得した里見女流五冠に△8五香と打ち返され、▲5九角△8七香成となったわけだ。
先に香損して取り返そうとすると、その香で角を狙われるのは、初心者講座に頻出する手筋。
よって西山白玲もこの手順は想定済だったはずだ。それを承知でどうして踏み込んでしまったのだろう。
なかんづく自陣の囲いもひどい。▲2八銀の形はいいとして、それなら玉は3八であろう。しかるにその位置には金がいる。これでは玉の囲いようがなく、こんな金銀など、むしろないほうがよい。
実戦は図以下▲3九玉△6六銀と進んだ。▲3九玉は危険地帯から遠ざけた手だが、前述の通り、▲2八銀▲3八金がフン詰まっているので、まるで一手の価値がない。
対して里見女流五冠は予定の△6六銀が実現し、もう温泉気分だ。将棋には逆転しやすい形、しにくい形があるが、この局面は後者である。このあたり里見女流五冠は、手を考えているのが楽しかっただろう。
以下、里見女流五冠の完勝。名勝負に名局なし、を地で行く将棋になってしまった。
棋士編入試験で不合格になった里見女流六冠。さぞかし肩を落としているのかと思いきやさにあらず。むしろ吹っ切った感じで、以降の将棋は冴えている。結果、1500万円の収入まで確定しては、先の悔しさも半減したというものだ。
対して西山女王は、一冠が女流棋士転向時の青写真だったとは思えず、忸怩たる思いがあると思う。
とにかく、ふたりのタイトル数が6対1であってはならない。西山女王の巻き返しに期待するものである。
そして里見先生、白玲獲得、おめでとうございます。藤井聡太竜王より一足早く、タイトル八冠を達成してください。そちらも応援しています。
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