Sas氏は、アマ棋戦県代表になったこともある強豪。こりゃまたずいぶんな助っ人が加わったもので、Nak氏と合わせ、2勝が確定したようなものだ。
そんなわけで、3回戦は大将がNak氏、副将がSas氏、以下ボリリゴ氏、私、山野氏、エザル氏、Kid氏のスターティングメンバーとなった。大将と副将が強力なので、私はこの位置でちょうどいい。
相手はISPS(将棋を世界に広める会)。あちらは日本人オンリーだが、こちらは外国人2人。「どちらが将棋を世界に広める会か分かりませんなあ」と相手が苦笑しながら言った。
対局開始。私の先手で、四間飛車に振った。後手氏は左美濃に組む。これは先後同じ囲いになるので、個人的にはあまり好きではない。
後手氏は駒音高らかに指す。とても四将の指し手とは思えないが、それはこちらも同じか。
と、後手氏は△1二香と上がった。銀冠穴熊へのトランスフォームを目論むもので、こうなったら厄介だ。
△1一玉に、私が動いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/b9/be47b9de8eac5f29ca2c1f0a58552a67.png)
第1図以下の指し手。▲6五歩△8五歩▲3三角成△同桂▲8八飛△5三銀▲6六銀△6七角(第2図)
私は▲6五歩と角交換を迫った。そこで後手氏の△8五歩が機敏で、私は角を換えたあと、▲8八飛の受けが必要になった。
△5三銀には▲6六銀が誘いのスキ。後手氏は当然△6七角と打ってくる。そこで次が用意の手だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/0e/e1e023771ce8eecd6279657f2d8e9ed1.png)
第2図以下の指し手。▲7七銀△7四歩▲5九金△7五歩▲6八金△7六角成▲同銀△同歩▲6七金(第3図)
第2図で▲5八角なら馬作りは防げるが、△同角成▲同金は金が離れて不満。
私は▲7七銀と引いた。これが狙いの一手で、のちの角取りを見ている。
後手氏は△7四歩としたが私の▲5九金が継続手で、次の▲6八金が受からない。
続く△7五歩に▲6八金が間に合い、角銀交換の駒得になった。
ただし、次に△7九銀があるので、私は▲6七金。この一手パスが痛いが、有利だと思った。
ところが……。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/5d/620ffb7b30a17969986272e74d77338b.png)
第3図以下の指し手。△8六歩▲同歩△8七歩▲4八飛△8六飛▲9五角△8二飛▲6四歩△同歩▲6三歩△8八歩成▲5一角成△8九と▲5六金左△3五歩(第4図)
後手氏の△8六歩~△8七歩が厳しかった。これを▲同飛は△7八銀で終了。私は▲4八飛と逃げたが、△8六飛と走られて先手不利だ。自分の構想通りに進んだのに不利になり、自分に呆れた。
私は▲9五角。これには△8五飛でも先手困ったが、本譜は△8二飛。これでも私は指す手に困り、▲6四歩~▲6三歩。相手にゲタを預けた。
そこで後手氏の△8九とが△5五桂の先手。私は▲5六金左と辛抱したが、踏んだり蹴ったりだ。こんな展開では負けると思った。
そこで△9九とくらいでも先手は指しようがなかったが、後手氏は△3五歩。ちょっと意外な方向からの攻めで、いずれにしても私は、もう行くしかない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/f9/82362057245829d22eaf183bdbfab566.png)
第4図以下の指し手。▲7一角△8七飛成▲5三角成△同金▲3三馬△同金▲4五桂△4四銀(第5図)
私は▲7一角から攻める。そこで△8八飛成は指せないので△8七飛成だが、これは後手氏も不満だっただろう。
私は▲5三角成から▲3三馬。成算はないが、攻めて攻めて、相手の受け間違いを待つしかない。
▲4五桂△4四銀に、どちらの金を取る?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/ba/7a8e772bd85145812d2ff38886b683ef.png)
第5図以下の指し手。▲5三桂成△3六歩▲4二成桂△2二玉▲3一銀△1三玉▲4三成桂
(第6図)
第5図、ふつうは▲3三桂成と、玉に近い金を取る。しかし私は▲5三桂成と、こちらの金を取った。
すると後手氏は△3六歩。これがやや理解不能で、私は▲4二成桂と入り、互角以上の形勢になったと思った。
戻って△3六歩では当然△5三同銀の一手。以下▲4五桂△4四銀▲3三桂成△同銀で、金銀ばかりの先手は、以降の攻めが難しかった。
▲5三桂成を▲3三桂成だったら△同銀とされた。▲5三桂成だからこの進行になったわけで、これが勝負の綾である。
本譜△2二玉には▲3一銀~▲4三成桂とし、もうこの攻めは切れないと思った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/d6/b60d59030b16e0d9ffd42bfce1a18ff2.png)
第6図以下の指し手。△1一角▲3三歩△2五歩▲同歩△3五銀▲3二歩成△2七歩▲同銀△2六歩▲3八銀△9九角成▲3三と△2七香▲1八玉(第7図)
▲4三成桂は、▲4四成桂△同金▲2二銀打の詰みを見ている。そこで後手氏の△1一角が、この一手とはいえ粘り強い手だった。
私は予定通り▲3三歩と打ったが、もう少し気の利いた手があったかもしれない。
後手氏は△2五歩~△3五銀。悪いながらも粘り強い。
▲3二歩成には△2七歩~△2六歩と、いやな拠点を作られた。そして△9九角成。取れそうだった角に逃げられ、遠く馬が利いては、差が詰まった感じだ。
△2七香に▲3九玉は怖いので▲1八玉と寄ったが、この手も怖いことは怖い。してみると、第6図でのの形勢は、思ったよりよくなかったということか。
この第7図では、気になる手があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/c6/3056de38db58567812056584d1395fa6.png)
(つづく)
そんなわけで、3回戦は大将がNak氏、副将がSas氏、以下ボリリゴ氏、私、山野氏、エザル氏、Kid氏のスターティングメンバーとなった。大将と副将が強力なので、私はこの位置でちょうどいい。
相手はISPS(将棋を世界に広める会)。あちらは日本人オンリーだが、こちらは外国人2人。「どちらが将棋を世界に広める会か分かりませんなあ」と相手が苦笑しながら言った。
対局開始。私の先手で、四間飛車に振った。後手氏は左美濃に組む。これは先後同じ囲いになるので、個人的にはあまり好きではない。
後手氏は駒音高らかに指す。とても四将の指し手とは思えないが、それはこちらも同じか。
と、後手氏は△1二香と上がった。銀冠穴熊へのトランスフォームを目論むもので、こうなったら厄介だ。
△1一玉に、私が動いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/b9/be47b9de8eac5f29ca2c1f0a58552a67.png)
第1図以下の指し手。▲6五歩△8五歩▲3三角成△同桂▲8八飛△5三銀▲6六銀△6七角(第2図)
私は▲6五歩と角交換を迫った。そこで後手氏の△8五歩が機敏で、私は角を換えたあと、▲8八飛の受けが必要になった。
△5三銀には▲6六銀が誘いのスキ。後手氏は当然△6七角と打ってくる。そこで次が用意の手だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/0e/e1e023771ce8eecd6279657f2d8e9ed1.png)
第2図以下の指し手。▲7七銀△7四歩▲5九金△7五歩▲6八金△7六角成▲同銀△同歩▲6七金(第3図)
第2図で▲5八角なら馬作りは防げるが、△同角成▲同金は金が離れて不満。
私は▲7七銀と引いた。これが狙いの一手で、のちの角取りを見ている。
後手氏は△7四歩としたが私の▲5九金が継続手で、次の▲6八金が受からない。
続く△7五歩に▲6八金が間に合い、角銀交換の駒得になった。
ただし、次に△7九銀があるので、私は▲6七金。この一手パスが痛いが、有利だと思った。
ところが……。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/5d/620ffb7b30a17969986272e74d77338b.png)
第3図以下の指し手。△8六歩▲同歩△8七歩▲4八飛△8六飛▲9五角△8二飛▲6四歩△同歩▲6三歩△8八歩成▲5一角成△8九と▲5六金左△3五歩(第4図)
後手氏の△8六歩~△8七歩が厳しかった。これを▲同飛は△7八銀で終了。私は▲4八飛と逃げたが、△8六飛と走られて先手不利だ。自分の構想通りに進んだのに不利になり、自分に呆れた。
私は▲9五角。これには△8五飛でも先手困ったが、本譜は△8二飛。これでも私は指す手に困り、▲6四歩~▲6三歩。相手にゲタを預けた。
そこで後手氏の△8九とが△5五桂の先手。私は▲5六金左と辛抱したが、踏んだり蹴ったりだ。こんな展開では負けると思った。
そこで△9九とくらいでも先手は指しようがなかったが、後手氏は△3五歩。ちょっと意外な方向からの攻めで、いずれにしても私は、もう行くしかない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/f9/82362057245829d22eaf183bdbfab566.png)
第4図以下の指し手。▲7一角△8七飛成▲5三角成△同金▲3三馬△同金▲4五桂△4四銀(第5図)
私は▲7一角から攻める。そこで△8八飛成は指せないので△8七飛成だが、これは後手氏も不満だっただろう。
私は▲5三角成から▲3三馬。成算はないが、攻めて攻めて、相手の受け間違いを待つしかない。
▲4五桂△4四銀に、どちらの金を取る?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/ba/7a8e772bd85145812d2ff38886b683ef.png)
第5図以下の指し手。▲5三桂成△3六歩▲4二成桂△2二玉▲3一銀△1三玉▲4三成桂
(第6図)
第5図、ふつうは▲3三桂成と、玉に近い金を取る。しかし私は▲5三桂成と、こちらの金を取った。
すると後手氏は△3六歩。これがやや理解不能で、私は▲4二成桂と入り、互角以上の形勢になったと思った。
戻って△3六歩では当然△5三同銀の一手。以下▲4五桂△4四銀▲3三桂成△同銀で、金銀ばかりの先手は、以降の攻めが難しかった。
▲5三桂成を▲3三桂成だったら△同銀とされた。▲5三桂成だからこの進行になったわけで、これが勝負の綾である。
本譜△2二玉には▲3一銀~▲4三成桂とし、もうこの攻めは切れないと思った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/d6/b60d59030b16e0d9ffd42bfce1a18ff2.png)
第6図以下の指し手。△1一角▲3三歩△2五歩▲同歩△3五銀▲3二歩成△2七歩▲同銀△2六歩▲3八銀△9九角成▲3三と△2七香▲1八玉(第7図)
▲4三成桂は、▲4四成桂△同金▲2二銀打の詰みを見ている。そこで後手氏の△1一角が、この一手とはいえ粘り強い手だった。
私は予定通り▲3三歩と打ったが、もう少し気の利いた手があったかもしれない。
後手氏は△2五歩~△3五銀。悪いながらも粘り強い。
▲3二歩成には△2七歩~△2六歩と、いやな拠点を作られた。そして△9九角成。取れそうだった角に逃げられ、遠く馬が利いては、差が詰まった感じだ。
△2七香に▲3九玉は怖いので▲1八玉と寄ったが、この手も怖いことは怖い。してみると、第6図でのの形勢は、思ったよりよくなかったということか。
この第7図では、気になる手があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/c6/3056de38db58567812056584d1395fa6.png)
(つづく)