2回戦は北斗星Bとの対戦である。私は引き続き大将。以下、藤原長男、山野氏、山本氏、A氏、エザル氏、木村会長の布陣。
私はの相手は小学生。社団戦ではままある光景である。私の先手で、▲7六歩△8四歩に考えてしまったが、▲6八銀とした。相矢倉の誘いである。だが、現代はアマもプロも、「相矢倉」は死語になっている。先手が矢倉を組んでも、後手がガッチリ組むことはなく、必ず急戦でくる。
事実この小学生も、米長流急戦できた。彼の年齢なら21世紀の急戦策があるはずだが、意外と「古典」できた。
だが彼の指し回しが見事なのと私の無策で、敗勢になってしまった。
こちらも終盤の熱いところからは記憶に残っていたのだが、記録しないまま日にちが経ち、盤面が再現できなくなってしまった。
仕方ないから、最終盤の場面だけ記す。
第1図以下の指し手。▲2三角△5四玉▲6七角成△4七角(第2図)
第1図は、私が▲3三竜と金を取り、少年が△6七金と打った局面。この数手前の局面で、△3二玉▲5一竜の配置があったのだが、私が▲3一竜とせず▲6二竜と金を取り、△2三玉に▲2二竜、と進んだ。金を取りながら玉を追い、一気に勝負形になった。
そして第1図の△6七金である。少年のコンピューターが狂ったのかと思った。なぜならこの金は、▲3四角で抜けるからである。
だが秒読みで考えるうち、▲2三から打てば馬になると思った。それで▲2三角としたが、これが微妙な選択だった。
ともあれ金を取りながら▲6七角成として、この将棋は勝ったと思った。
少年は△4七角。ところがこれに次の手が、敗着となった。
第2図以下の指し手。▲7九玉△6九飛▲8八玉△6七飛成▲同金△8七銀(途中図)
▲8七同玉△6九角成▲7八銀△9五桂▲9六玉△7八馬▲9五玉△9四銀▲8四玉△9五角▲7四玉△6五銀(投了図)
私はヒョイと▲7九玉と寄ったが、少年に力強く△6九飛~△6七飛成とされ、戸惑った。▲6七同金に△8七歩は▲9八玉で残している。だから勝ちだと思ったのだが、△8七銀(途中図)とされ、飛び上がった。後手の持駒に桂がある!? あ、▲2三角△5四玉のとき入手したのか!
△6九角成にカナ駒しかないのが痛い。▲7八銀としたが、△9五桂以下並べ詰みとなった。
私が投了すると、少年は黙って席を立った。これはマナー違反で、少なくとも勝ったほうは、敗者が何か発するまで、そこに留まるべきだと思う。
戻って▲2三角では、▲3四角があったかもしれない。これなら△5四玉がなく、△9五桂もないから、先手が残していたかもしれない。
チームはまたも4勝3敗。私が情けない負けをしたが、ほかが頑張ってくれた。
休む間もなく3回戦である。私はまたも大将。以下、藤原長男、阿部氏、山本氏、山野氏、Kid氏、木村会長の布陣。相手は六郷の青空1で、前期6部から降級してきた。
私の後手で対局開始。初手▲5六歩に、私は△6二銀。しかしこれが精神的敗着。ここは△5四歩と、均衡を保つべきだった。
先手氏にすかさず▲5五歩とされ、中飛車に構えられた。私は、中飛車に5筋位取りをされるのは面白くないと見ている。△5四歩は後でも利くと思ったが、そんなに甘くなかった。
以下、私は△6四銀から△7三桂と跳ねたが、次の手が文字通り敗着となった。
第1図以下の指し手。△6五銀▲7七銀△4五歩▲6六歩△1三角▲6五歩
△6五銀が敗着。先手氏に▲7七銀と引かれ、次の▲6六歩が受からない。典型的な銀バサミになってしまった。この前まで先手角が7七にいたので、△6五銀には▲同銀の一手と思い込んでいたのがマズかった。
私は△4五歩からもがくが、冷静に銀を取られて万事休す。この早い時間に、もう負けにしてしまった。
戻って▲7七銀には、△8六歩▲同歩△7五歩▲同歩△8五桂▲同歩△同飛▲8六歩△8四飛とし、▲6六歩には△7六歩があるので銀損は免れるが、それでも桂損になり、後手不利。
この将棋は、ここから最終手まで、記譜を記したつもりだったのだが、前述したように、消滅してしまった。
よって、投了図を示す。
▲5五金まで私が投了したのだが、もう一手△3六玉まで指すべきだった。
後手玉に即詰みはないので▲2六銀が冷静だが、先手氏がその手を指せたかどうか。恐らく指せたのだろうが、万が一ということもある。また▲2六銀に対しても奇跡的な受けがありそうで、いずれにしても△3六玉は指すべきだった。将棋は最後まで諦めてはならないのだ。
チームは3勝4敗で敗戦。私が勝っていればチームも勝っていたわけで、これは私が戦犯になってしまった。頑張って負けたのならともかく、ポカで敗れたのだから、罪は重かった。
落胆しつつほかを見ると、4回戦で戦う吉本興業の残り1名が、まだ戦っている。彼は昨年私が対戦した人で、私が負けた。雪辱したい気分でもあるが、戦いたくないところもある。
結局、吉本興業が勝った。私は、彼と当たるだろうか。
(つづく)
私はの相手は小学生。社団戦ではままある光景である。私の先手で、▲7六歩△8四歩に考えてしまったが、▲6八銀とした。相矢倉の誘いである。だが、現代はアマもプロも、「相矢倉」は死語になっている。先手が矢倉を組んでも、後手がガッチリ組むことはなく、必ず急戦でくる。
事実この小学生も、米長流急戦できた。彼の年齢なら21世紀の急戦策があるはずだが、意外と「古典」できた。
だが彼の指し回しが見事なのと私の無策で、敗勢になってしまった。
こちらも終盤の熱いところからは記憶に残っていたのだが、記録しないまま日にちが経ち、盤面が再現できなくなってしまった。
仕方ないから、最終盤の場面だけ記す。
第1図以下の指し手。▲2三角△5四玉▲6七角成△4七角(第2図)
第1図は、私が▲3三竜と金を取り、少年が△6七金と打った局面。この数手前の局面で、△3二玉▲5一竜の配置があったのだが、私が▲3一竜とせず▲6二竜と金を取り、△2三玉に▲2二竜、と進んだ。金を取りながら玉を追い、一気に勝負形になった。
そして第1図の△6七金である。少年のコンピューターが狂ったのかと思った。なぜならこの金は、▲3四角で抜けるからである。
だが秒読みで考えるうち、▲2三から打てば馬になると思った。それで▲2三角としたが、これが微妙な選択だった。
ともあれ金を取りながら▲6七角成として、この将棋は勝ったと思った。
少年は△4七角。ところがこれに次の手が、敗着となった。
第2図以下の指し手。▲7九玉△6九飛▲8八玉△6七飛成▲同金△8七銀(途中図)
▲8七同玉△6九角成▲7八銀△9五桂▲9六玉△7八馬▲9五玉△9四銀▲8四玉△9五角▲7四玉△6五銀(投了図)
私はヒョイと▲7九玉と寄ったが、少年に力強く△6九飛~△6七飛成とされ、戸惑った。▲6七同金に△8七歩は▲9八玉で残している。だから勝ちだと思ったのだが、△8七銀(途中図)とされ、飛び上がった。後手の持駒に桂がある!? あ、▲2三角△5四玉のとき入手したのか!
△6九角成にカナ駒しかないのが痛い。▲7八銀としたが、△9五桂以下並べ詰みとなった。
私が投了すると、少年は黙って席を立った。これはマナー違反で、少なくとも勝ったほうは、敗者が何か発するまで、そこに留まるべきだと思う。
戻って▲2三角では、▲3四角があったかもしれない。これなら△5四玉がなく、△9五桂もないから、先手が残していたかもしれない。
チームはまたも4勝3敗。私が情けない負けをしたが、ほかが頑張ってくれた。
休む間もなく3回戦である。私はまたも大将。以下、藤原長男、阿部氏、山本氏、山野氏、Kid氏、木村会長の布陣。相手は六郷の青空1で、前期6部から降級してきた。
私の後手で対局開始。初手▲5六歩に、私は△6二銀。しかしこれが精神的敗着。ここは△5四歩と、均衡を保つべきだった。
先手氏にすかさず▲5五歩とされ、中飛車に構えられた。私は、中飛車に5筋位取りをされるのは面白くないと見ている。△5四歩は後でも利くと思ったが、そんなに甘くなかった。
以下、私は△6四銀から△7三桂と跳ねたが、次の手が文字通り敗着となった。
第1図以下の指し手。△6五銀▲7七銀△4五歩▲6六歩△1三角▲6五歩
△6五銀が敗着。先手氏に▲7七銀と引かれ、次の▲6六歩が受からない。典型的な銀バサミになってしまった。この前まで先手角が7七にいたので、△6五銀には▲同銀の一手と思い込んでいたのがマズかった。
私は△4五歩からもがくが、冷静に銀を取られて万事休す。この早い時間に、もう負けにしてしまった。
戻って▲7七銀には、△8六歩▲同歩△7五歩▲同歩△8五桂▲同歩△同飛▲8六歩△8四飛とし、▲6六歩には△7六歩があるので銀損は免れるが、それでも桂損になり、後手不利。
この将棋は、ここから最終手まで、記譜を記したつもりだったのだが、前述したように、消滅してしまった。
よって、投了図を示す。
▲5五金まで私が投了したのだが、もう一手△3六玉まで指すべきだった。
後手玉に即詰みはないので▲2六銀が冷静だが、先手氏がその手を指せたかどうか。恐らく指せたのだろうが、万が一ということもある。また▲2六銀に対しても奇跡的な受けがありそうで、いずれにしても△3六玉は指すべきだった。将棋は最後まで諦めてはならないのだ。
チームは3勝4敗で敗戦。私が勝っていればチームも勝っていたわけで、これは私が戦犯になってしまった。頑張って負けたのならともかく、ポカで敗れたのだから、罪は重かった。
落胆しつつほかを見ると、4回戦で戦う吉本興業の残り1名が、まだ戦っている。彼は昨年私が対戦した人で、私が負けた。雪辱したい気分でもあるが、戦いたくないところもある。
結局、吉本興業が勝った。私は、彼と当たるだろうか。
(つづく)