一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「将棋ペン倶楽部」会報第80号 2023年秋

2023-09-26 23:21:04 | 将棋ペンクラブ
「将棋ペン倶楽部」会報第80号・2023年秋号が送られてきた。
今号の目玉はもちろん、「第35回将棋ペンクラブ大賞」の発表。最終選考委員は、川北亮司(作家)、西上心太(文芸評論家)、所司和晴(棋士)、森田正光(気象予報士)の4氏。
同大賞のウリはその透明性で、何人の影響も受けない。今年の選考過程も読みごたえがあり、これそのものがひとつの「作品」になっている。
「受賞のことば」も相変わらず面白い。とくに文芸部門大賞・橋本長道氏のそれは、その内容だけで一本の小説にできそうだ。
「推薦作ひとこと集」も、いろいろな意見が集まって、興味深い。これを書いちゃあ身もフタもないが、10人将棋ファンがいたら、10作の将棋大賞があってもおかしくない。

そのほかは、いつも通りレポート、エッセイ、オピニオンなど。
5月21日に行われた関東交流会は、「お手伝いレポート」として、山本氏が書いている。お手伝い側からの視点で書いた点が斬新だ。ひじょうに初々しいレポートで、好感が持てた。ただ、指導対局を受けた先生が誰だったか、記述がない。その先生の様子なども書いてくれれば、より臨場感が増したと思う。
今号からの新企画は「思い出の将棋本」。今後は4名が寄稿している。私だったら池田書店の大山名人本だが、6年前に十段戦・竜王戦の観戦記22年分と、ほとんどの棋書を捨ててしまったので、私には書く資格がない。将棋本を捨てるなんざ、本当の将棋ファンとは云えないのだ。
美馬和夫氏の連載「将棋狂の詩」は、「ねんりんピックのすすめ」。いつもながら展開が丁寧に記述されており、自分がその場にいるような錯覚に陥る。帰りのバスでの出来事は、あらゆる場面での「あるある」である。自慢話はほどほどにしたいものだ。
Nak氏は「令和のカンニング対策」。対策は極めて常識的だが、文書化された意義が大きい。
茂山氏は「棋で広がる交流」。今後は湯川博士・恵子夫妻の金婚寄席レポートだと思っていたから意外だったが、それは本編の後半に掲載されていた。当人は「あっさりと書きました」というテイで謙遜していたが、過不足なくまとめられており、面白く読めた。

大賞贈呈式は、10月6日(金)午後6時30分から、レストランアラスカ<築地店>で行われる。会費は8,000円。
ヒトの授賞式に大枚をはたいて出席するのもアレだからアレだったが、私はけっこうな犠牲を払って、出席できることになった。当日は渡部愛女流三段、上野裕和六段に会えるのを楽しみにしている。
あ、会場へは都営バスで行きます。
コメント
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