現在、里見香奈白玲、西山朋佳女流三冠による、第3期白玲戦七番勝負(ヒューリック、日本将棋連盟主催)が展開中である。
しかし今期は、それほど盛り上がっていないように思える。藤井聡太竜王・名人の八冠協奏曲にかき消されてしまったかもしれない。
しかし白玲は優勝賞金1,500万円。対局者のふたりで八冠を占める最高峰の戦いで、これを注目しなければウソである。
第1局は里見白玲の快勝。第2局は西山女流三冠が苦しい将棋を逆転勝ちし、踏みとどまった。当然ながら、この第3局を取ったほうが有利になる。
ここまでの対戦成績は、里見白玲30勝、西山女流三冠26勝。拮抗しているようだが、直近10局は里見白玲の7勝3敗で、それがそのまま里見白玲の勝ち越しになっている。
第3局は16日、金沢市で行われた。金沢は私の好きな観光地のひとつで、兼六園、ひがし茶屋街、新鮮な海の幸、近江町市場、尾西神社、武家屋敷、金沢21世紀美術館など、みどころも多い。生活に余裕ができたら、また訪れたいと思う(過去の旅行記あり。興味のある方は探してください)。
第3局は西山女流三冠の先手で、初手▲7八飛から始まった。西山女流三冠はこの手が好きだ。
数手後、里見白玲も三間飛車に振った。第2局は里見白玲が中飛車から居飛車に戻す「里見流」を披露したが、素人目には成功したようには見えなかった。本局の里見白玲は三間飛車を貫き、やはりこれが振り飛車の真の姿だと思う。
里見白玲が3筋の歩の交換を試みると、西山女流三冠は4筋の歩を突き、角交換を迫った。これは先手にも怖いところがあるが、この強気が西山女流三冠の持ち味である。
角交換ののち、西山女流三冠は右桂を跳ねて銀取り。そしてその銀を取る前に▲4四歩が味よい一着だった。この周辺は、西山女流三冠も手を読んでいて楽しかったのではあるまいか。
以下、西山女流三冠が飛車を取り、一閃の銀打ちでほぼ勝負あり。ふたりの勝負では珍しい、61手で終局となった。まったく調べていないが、里見白玲がこんな短手数で敗れたのは、初めてではなかろうか。
個人的には、里見白玲がどこかで△7三歩と打ち飛車を追っておけば、勝負は長引いたと思う。少なくとも私なら打っていた。
だが、ここに歩を打つのはシャクに障る、▲7四飛を目標に反撃したい、というのが里見白玲の考え。そのスタイルで高勝率を維持してきたのだから、今回はたまたまそれが裏目に出ただけだ。
西山女流三冠の消費時間は4時間中2時間16分で、これは西山女流三冠、疲労の少ない、ボーナスの2勝目だったのではなかろうか。ともあれ、これで七番勝負は面白くなった。やはりタイトル戦はこうでなくてはいけない。
前期は最終局で決着がついた。今期も最終局までもつれることを期待したい。第4局は30日。
しかし今期は、それほど盛り上がっていないように思える。藤井聡太竜王・名人の八冠協奏曲にかき消されてしまったかもしれない。
しかし白玲は優勝賞金1,500万円。対局者のふたりで八冠を占める最高峰の戦いで、これを注目しなければウソである。
第1局は里見白玲の快勝。第2局は西山女流三冠が苦しい将棋を逆転勝ちし、踏みとどまった。当然ながら、この第3局を取ったほうが有利になる。
ここまでの対戦成績は、里見白玲30勝、西山女流三冠26勝。拮抗しているようだが、直近10局は里見白玲の7勝3敗で、それがそのまま里見白玲の勝ち越しになっている。
第3局は16日、金沢市で行われた。金沢は私の好きな観光地のひとつで、兼六園、ひがし茶屋街、新鮮な海の幸、近江町市場、尾西神社、武家屋敷、金沢21世紀美術館など、みどころも多い。生活に余裕ができたら、また訪れたいと思う(過去の旅行記あり。興味のある方は探してください)。
第3局は西山女流三冠の先手で、初手▲7八飛から始まった。西山女流三冠はこの手が好きだ。
数手後、里見白玲も三間飛車に振った。第2局は里見白玲が中飛車から居飛車に戻す「里見流」を披露したが、素人目には成功したようには見えなかった。本局の里見白玲は三間飛車を貫き、やはりこれが振り飛車の真の姿だと思う。
里見白玲が3筋の歩の交換を試みると、西山女流三冠は4筋の歩を突き、角交換を迫った。これは先手にも怖いところがあるが、この強気が西山女流三冠の持ち味である。
角交換ののち、西山女流三冠は右桂を跳ねて銀取り。そしてその銀を取る前に▲4四歩が味よい一着だった。この周辺は、西山女流三冠も手を読んでいて楽しかったのではあるまいか。
以下、西山女流三冠が飛車を取り、一閃の銀打ちでほぼ勝負あり。ふたりの勝負では珍しい、61手で終局となった。まったく調べていないが、里見白玲がこんな短手数で敗れたのは、初めてではなかろうか。
個人的には、里見白玲がどこかで△7三歩と打ち飛車を追っておけば、勝負は長引いたと思う。少なくとも私なら打っていた。
だが、ここに歩を打つのはシャクに障る、▲7四飛を目標に反撃したい、というのが里見白玲の考え。そのスタイルで高勝率を維持してきたのだから、今回はたまたまそれが裏目に出ただけだ。
西山女流三冠の消費時間は4時間中2時間16分で、これは西山女流三冠、疲労の少ない、ボーナスの2勝目だったのではなかろうか。ともあれ、これで七番勝負は面白くなった。やはりタイトル戦はこうでなくてはいけない。
前期は最終局で決着がついた。今期も最終局までもつれることを期待したい。第4局は30日。