一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第26期女流王位戦リーグ・全勝敗予想

2014-10-26 00:48:32 | 勝敗予想
第26期女流王位戦リーグの全勝敗予想をする。

【紅組】
1回戦
●清水市代女流六段-○矢内理絵子女流五段
○鈴木環那女流二段-●室田伊緒女流二段
○岩根忍女流二段-●貞升南女流初段
2回戦
○清水市代女流六段-●貞升南女流初段
○矢内理絵子女流五段-●室田伊緒女流二段
●鈴木環那女流二段-○岩根忍女流二段
3回戦
○清水市代女流六段-●室田伊緒女流二段
●矢内理絵子女流五段-○岩根忍女流二段
●鈴木環那女流二段-○貞升南女流初段
4回戦
●清水市代女流六段-○岩根忍女流二段
●矢内理絵子女流五段-○鈴木環那女流二段
●室田伊緒女流二段-○貞升南女流初段
5回戦
○清水市代女流六段-●鈴木環那女流二段
○矢内理絵子女流五段-●貞升南女流初段
○岩根忍女流二段-●室田伊緒女流二段
※岩根女流二段、リーグ優勝。

【白組】
1回戦
○中井広恵女流六段-●中倉宏美女流二段
■里見香奈女流王座・女流名人-□本田小百合女流三段
○千葉涼子女流四段-●室谷由紀女流初段
2回戦
□中井広恵女流六段-■里見香奈女流二冠
●千葉涼子女流四段-○本田小百合女流三段
●中倉宏美女流二段-○室谷由紀女流初段
3回戦
●中井広恵女流六段-○本田小百合女流三段
■里見香奈女流二冠-□室谷由紀女流初段
○千葉涼子女流四段-●中倉宏美女流二段
4回戦
○中井広恵女流六段-●千葉涼子女流四段
■里見香奈女流二冠-□中倉宏美女流二段
○本田小百合女流三段-●室谷由紀女流初段
5回戦
○中井広恵女流六段-●室谷由紀女流初段
■里見香奈女流二冠-□千葉涼子女流四段
○本田小百合女流三段-●中倉宏美女流二段
※本田女流三段、リーグ優勝。

挑戦者決定戦:●岩根忍女流二段-○本田小百合女流三段

紅組リーグは実力伯仲、誰が挑戦者になってもおかしくない。その中で、岩根女流二段の実力を買った。
白組リーグは、女流初段から女流六段までひとりずつ、という珍しい構成。その中の「女流五段」、里見女流二冠は、全休扱いにした。
こちらは本田女流三段の実力を買った。もちろん、中井女流六段の独走もある。
最終的に、本田女流三段の挑戦権獲得と予想した。
対局の少ないこの時期に、将棋が指せるのは幸せなこと。参戦の皆さまは、悔いのない将棋を指してください。
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熊坂五段の順位戦復帰の目を考える・5

2014-10-25 00:15:43 | 目を考える
22日の対局で、熊坂学五段は森内俊之竜王に勝利し、今年度の成績を10勝4敗とした。これで熊坂五段は、フリークラス脱出にまた一歩近づいたのである。
そこできょうは、順位戦復帰の条件を、いつも以上に詳しく書いてみよう。
まず、熊坂五段の成績の内訳を記す。ここが基準点である。

・今年度成績 ○●●○●○●○○○○○○?○ 10勝4敗(未放映のテレビ対局を除く)
・昨年度からの成績 2013年度……○●●●●○○○ 2014年度○●●○●○●○○○○○○○ 良いところ取りで13勝4敗

次に、今年度の残り対局予定を記す。

第64回NHK杯将棋トーナメント本戦2回戦 畠山鎮七段(10月20日対局済、11月23日放映予定)
第56期王位戦予選3回戦 佐藤慎一四段
第8回朝日将棋オープン戦一次予選決勝 塚田泰明九段or戸辺誠六段
第63期王座戦一次予選2回戦 千葉幸生六段
第28期竜王ランキング戦6組(and昇級者決定戦)
第65期王将戦一次予選
第41期棋王戦予選
第65回NHK杯将棋トーナメント予選(第64回の成績次第では免除の可能性あり)

次に、順位戦復帰規定を今一度確認しておこう。
1.年度に「参加棋戦数+8」勝以上の成績を挙げ、勝率6割以上。
2.良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上。
3.年度対局数が「(参加棋戦+1)×3」局以上。
4.全棋士参加棋戦優勝もしくはタイトル戦挑戦。

これをさらに詳しく記すと、
1.は、熊坂五段の参加棋戦は「竜王戦、王位戦、王座戦、棋王戦、王将戦、棋聖戦、NHK杯、朝日杯、銀河戦の合計9」なので、17勝を挙げなければならない。なお今年度の熊坂五段は、王将戦やNHK杯を2期ぶん指すことになるが、それは1棋戦として数えるので問題ない。
「17勝で勝率6割以上」は、負け数が「11」となる。すなわち今年度の残りを7勝7敗で乗り切ればよい。これを今後の勝敗に当てはめてみよう。

<一例>
第64回NHK杯 ●
第56期王位戦 ○●
第8回朝日杯 ○●
第63期王座戦 ○●
第28期竜王戦6組ランキング戦 ●
第41期棋王戦 ○●
第65期王将戦 ○
第65回NHK杯 ○●
第28期竜王戦昇級者決定戦 ○
(2014年度終了)
………………………………
(2015年度)
第65期王将戦 ●
第28期竜王戦昇級者決定戦 ●

熊坂五段の年度内負け数は最大「9」だが、後ろの2敗を2015年度に持ってこられれば、1の条件はこんな具合でクリアできる。
注意したいのは、これは「年度内」の成績なので、規定をクリアしても、残る対局で負けてしまっては元も子もない。対局数を少なくして、勝率6割台をキープすることが重要なのである。

2.は現在、良いところ取りで「13勝4敗」なので、「20勝10敗」「21勝11敗」が条件。よって、この後の13局を「7勝6敗」、あるいは15局を「8勝7敗」で乗り切ればよい。また、前年度の終わり8局が4勝4敗なので、この後の8局を「6勝2敗」で乗り切ってもよい。

3.は、「(参加棋戦9+1)×3=30」局以上となる。すなわち今年度中にあと16局指せばよい。
<一例>
第64回NHK杯 ●
第56期王位戦 ○●
第8回朝日杯 ○●
第63期王座戦 ○●
第28期竜王戦6組ランキング戦 ●
第41期棋王戦 ○●
第65期王将戦 ○●
第65回NHK杯 ○●
第28期竜王戦昇級者決定戦 ○●
(2014年度終了)

ここでは1と違って、ひたすら対局数が増えればよい。対局数と勝ち星の価値が、条件によって変わってくるのが恐ろしいところだ。
上の例なら、今後の対局で最大9敗しても、合計30局にはなる。ただし、そうまくはいかない。
竜王戦昇級者決定戦の対局は、いつも4月以降にズレこむ。6組は女流棋士やアマチュアが参加しているが、彼女らが勝ち進むと、敗者戦のトーナメント表が組めなくなってしまうからだ。手合課だって年度末になれば、熊坂五段の都合のいい日程を組んでくれるだろうが、手合いが付けられない場合はどうしようもない。
そこで最悪のケースは、今後の15局を熊坂五段が「7勝8敗」で乗り切り、竜王戦昇級者決定戦の対局を残して、「17勝12敗」で今年度を終えてしまった場合だ。
これだと1の「年度17勝11敗」をクリアできず、2の「良いところ取り20勝10敗」もクリアできず、3の「年度30対局」もクリアできない。
残っている対局は対局できるから、2015年度も竜王戦昇級者決定戦は対局できる。問題はこれらの対局を、「良いところ取りで、30局以上の成績が6割5分以上」に反映できるかどうかということである。すなわち現規定では、フリークラス丸10年経過で、引退が優先されてしまう公算が高いからだ。
もし引退優先なら、これは第29期竜王戦の出場権を懸けた戦いのみ。
反映可能なら、昇級者決定戦で3連勝すれば、「良いところ取り23勝12敗で勝率.657」となり、順位戦に復帰できる。もしそうなったら、3連勝目は、順位戦復帰か引退かの、ウン●を漏らしそうな鬼勝負となる。

4.は、いまのところNHK杯で優勝するしかないが、これは現実的ではない。

<まとめ>
熊坂五段が順位戦に復帰するには
A 今年度をあと「7勝7敗で終了」し、「今年度17勝11敗」をクリアする。
B 今後の8局を「6勝2敗」とし、「良いところ取り20勝10敗」をクリアする。
C 今後の13局を「7勝6敗」とし、「良いところ取り20勝10敗」をクリアする。
D 今後の15局を「8勝7敗」とし、「良いところ取り21勝11敗」をクリアする。
E 今年度をあと「8勝8敗で終了」し、「年度30対局」をクリアする。
F 第64回NHK杯であと5連勝する。

基本的な考えは、年度末までに7勝が最低条件である。可能性としては、Cが最も達成しやすいと思う。
棋戦はトーナメント形式なので、初戦で負けると、ほかの棋戦で2勝、3勝を稼がなければならなくなり、苦しい。とにかく熊坂五段は、これから各棋戦で緒戦を勝利し、つねに勝ち越しの状態でいるべきである。

…本音を書けば、こういう皮算用は、植山悦行七段や大野八一雄七段が現役のときにやりたかった。
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第26期女流王位戦予選・全勝敗予想・答え合わせ

2014-10-24 00:06:19 | 勝敗予想
23日の第62期王座戦五番勝負第5局は、羽生善治王座の勝ち。王座を22期、タイトル獲得数を90とした。
今シリーズは4局目まで「○○●●」の並びだったが、五番勝負でこの例は過去に17回あり、最終第5局は、後半に連勝した側が13回勝利していた。それだけに、今回の羽生王座の防衛は見事だったといえる。

第26期女流王位戦の予選が21日(火)までに終わり、リーグ入りの6名が決定した。
当ブログでは8月4日に、予選の勝敗予想を行ったので、きょうはその答え合わせをする。

1枠
<予想>
1回戦
●長谷川優貴女流二段-○室田伊緒女流初段
●植村真理女流三段-○船戸陽子女流二段
○山根ことみ女流1級-●高浜愛子女流3級
2回戦
●船戸陽子女流二段-○室田伊緒女流初段
○香川愛生女流王将-●山根ことみ女流1級
決勝戦
○香川愛生女流王将-●室田伊緒女流初段
<結果>
1回戦
●長谷川優貴女流二段-○室田伊緒女流初段
●植村真理女流三段-○船戸陽子女流二段
○山根ことみ女流1級-●高浜愛子女流3級
2回戦
●船戸陽子女流二段-○室田伊緒女流初段
●香川愛生女流王将-○山根ことみ女流1級
決勝戦
○室田伊緒女流二段-●山根ことみ女流1級
※山根女流1級が香川女流王将を破ったのは見事。山根女流1級の見方を変えなければならない。

2枠
<予想>
1回戦
○上田初美女流三段-●伊奈川愛菓女流初段
●斎田晴子女流五段-○和田あき女流3級
●井道千尋女流初段-○飯野愛女流1級
2回戦
○上田初美女流三段-●和田あき女流3級
○岩根忍女流二段-●飯野愛女流1級
決勝戦
○上田初美女流三段-●岩根忍女流二段
<結果>
1回戦
○上田初美女流三段-●伊奈川愛菓女流初段
○斎田晴子女流五段-●和田あき女流3級
○井道千尋女流初段-●飯野愛女流1級
2回戦
●斎田晴子女流五段-○上田初美女流三段
○岩根忍女流二段-●井道千尋女流初段
決勝戦
●上田初美女流三段-○岩根忍女流二段
※上田女流三段と岩根女流二段の決勝戦は予想通りだが、岩根女流二段が勝った。岩根女流二段はタイトルの1つや2つを獲っていてもおかしくない実力者である。

3枠
<予想>
1回戦
●山田朱未女流二段-○村田智穂女流二段
○鹿野圭生女流二段-●北村桂香女流1級
○蛸島彰子女流五段-●中倉宏美女流二段
○長沢千和子女流四段-●竹俣紅女流2級
2回戦
●鹿野圭生女流二段-○村田智穂女流二段
●蛸島彰子女流五段-○長沢千和子女流四段
決勝戦
●長沢千和子女流四段-○村田智穂女流二段
<結果>
1回戦
●山田朱未女流二段-○村田智穂女流二段
●鹿野圭生女流二段-○北村桂香女流1級
●蛸島彰子女流五段-○中倉宏美女流二段
○長沢千和子女流四段-●竹俣紅女流2級
2回戦
●村田智穂女流二段-○北村桂香女流1級
●長沢千和子女流四段-○中倉宏美女流二段
決勝戦
○中倉宏美女流二段-●北村桂香女流1級
※宏美女流二段のリーグ入りは見事。

4枠
<予想>
1回戦
○渡辺弥生女流初段-●室谷由紀女流初段
●竹部さゆり女流三段-○真田彩子女流二段
○石高澄恵女流二段-●相川春香女流2級
●藤田綾女流初段-○山口恵梨子女流初段
2回戦
●真田彩子女流二段-○渡辺弥生女流初段
●石高澄恵女流二段-○山口恵梨子女流初段
決勝戦
○渡辺弥生女流初段-●山口恵梨子女流初段
<結果>
1回戦
●渡辺弥生女流初段-○室谷由紀女流初段
●竹部さゆり女流三段-○真田彩子女流二段
●石高澄恵女流二段-○相川春香女流2級
○藤田綾女流初段-●山口恵梨子女流初段
2回戦
●真田彩子女流二段-○室谷由紀女流初段
○藤田綾女流初段-●相川春香女流2級
決勝戦
●藤田綾渡女流初段-○室谷由紀女流初段
※室谷女流初段を応援していたが、予想と願望は違う。その中で、室谷女流初段のリーグ入りは見事だった。

5枠
<予想>
1回戦
●松尾香織女流初段-○貞升南女流初段
○久津知子女流初段-●安食総子女流初段
○山田久美女流三段-●高群佐知子女流三段
●大庭美樹女流初段-○中村桃子女流初段
2回戦
●久津知子女流初段-○貞升南女流初段
○山田久美女流三段-●中村桃子女流初段
決勝戦
●山田久美女流三段-○貞升南女流初段
<結果>
1回戦
●松尾香織女流初段-○貞升南女流初段
●久津知子女流初段-○安食総子女流初段
●山田久美女流三段-○高群佐知子女流三段
●大庭美樹女流初段-○中村桃子女流初段
2回戦
●安食総子女流初段-○貞升南女流初段
○高群佐知子女流三段-●中村桃子女流初段
決勝戦
●高群佐知子女流三段-○貞升南女流初段
※隠れた実力者、貞升女流初段がリーグ入りした。

6枠
<予想>
1回戦
○本田小百合女流三段-●中倉彰子女流初段
○島井咲緒里女流二段-●野田澤彩乃女流1級
●北尾まどか女流二段-○中村真梨花女流二段
●熊倉紫野女流初段-○渡部愛女流初段
2回戦
○本田小百合女流三段-●島井咲緒里女流二段
○中村真梨花女流二段-●渡部愛女流初段
決勝戦
●本田小百合女流三段-○中村真梨花女流二段
<結果>
1回戦
○本田小百合女流三段-●中倉彰子女流初段
○島井咲緒里女流二段-●野田澤彩乃女流1級
□北尾まどか女流二段-■中村真梨花女流二段
●熊倉紫野女流初段-○渡部愛女流初段
2回戦
○本田小百合女流三段-●島井咲緒里女流二段
●北尾まどか女流二段-○渡部愛女流初段
決勝戦
○本田小百合女流三段-●渡部愛女流初段
※中村女流二段の不戦敗がすべてだった。

勝敗予想は、1回戦22局が「10勝12敗」、2回戦12局が「2勝10敗」、決勝戦6局が「0勝6敗」だった。
トーナメント戦は1回戦で予想が外れると、それ以降の対戦カードが違ってくるので、さらに予想が外れる。それでもリーグ入りする女流棋士は実力が頭ひとつ抜けているから、途中の勝敗が変わっても、大抵は当たるものである。
しかし今回はいろいろあって、本田女流三段のリーグ入りを当てたのみだった。つまりそれぐらい、現在の女流棋士の実力は拮抗しているということなのだろう。
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キタコレ熊坂五段が森内竜王を破る!(熊坂五段の順位戦復帰の目を考える・4)

2014-10-23 00:05:30 | 目を考える
きのう10月22日は、第56期王位戦予選2回戦・森内俊之竜王と熊坂学五段の一戦があった。
将棋界最高のタイトル・竜王を保持する名人8期の十八世名人有資格者と、順位戦わずか7勝でフリークラスに転落し、引退の影がチラついている五段の対戦では、竜王が楽勝に思える。
しかし森内竜王は先週の竜王戦七番勝負第1局に敗れ、今年度成績も9勝16敗でパッとしない。片や熊坂五段は先週まで6連勝継続中の9勝4敗と絶好調である。展開次第では、熊坂五段に一発入ってもおかしくない状況だった。
これを日本将棋連盟も注目しているのか、本局はモバイル中継になった。
そういえば先週の将棋連盟の動きでもうひとつ注目したのが、テレビ将棋の勝敗を、実際に放送されるまで、サイトの成績表に反映せずとしたことだ。
これも熊坂五段のNHK杯での成績が類推されないよう、将棋連盟が配慮したからではなかろうか。
話を戻すが、私は将棋におカネをかけたくないのでモバイル登録はしていない。しかし今回はおカネを払ってでも、この中継を見たいと思った。
まあそれはせず、きのうは仕事中に2ちゃんねるを見ながら推移を見守ることになった。
ではここで、熊坂五段の今年度の成績を記しておこう。

4月10日 第64期王将戦一次予選1回戦 ○熊坂-●土佐浩司七段
5月21日 第64期王将戦一次予選2回戦 ●熊坂-○戸辺誠六段
5月22日 第27期竜王戦ランキング戦5組残留決定戦 ●熊坂-○川上猛六段
8月3日放送 第64回NHK杯将棋トーナメント本戦1回戦 ○熊坂-●香川愛生女流王将
8月13日 第86期棋聖戦一次予選1回戦 ●熊坂-○瀬川晶司五段
8月14日 第23期銀河戦予選1回戦 ○熊坂-●伊藤能六段
8月14日 第23期銀河戦予選決勝 ●熊坂-○北島忠雄六段
9月3日 第8回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○熊坂-●上野裕和五段
9月3日 第8回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○熊坂-●島朗九段
9月4日 第63期王座戦一次予選1回戦 ○熊坂-●渡辺大夢四段
10月7日 第63期王座戦一次予選2回戦 ○熊坂-●宮田利男七段
10月9日 第8回朝日杯将棋オープン戦一次予選 3回戦 ○熊坂-●大島映二七段
10月16日 第56期王位戦予選1回戦 ○熊坂-●藤森哲也四段

重複するが、ここまで「9勝4敗」。よい所取りの勝敗だと、「12勝4敗」となる。タイトルホルダー・森内竜王との対局は貴重だが、それよりも何よりも、重要なのは勝ち星だ。それは今後の棋士生命に直結する。この将棋を勝てば、かなり視界が開けるのだ。
熊坂五段の先手で、▲7六歩△3四歩▲2二角成△同銀▲8八銀。
熊坂五段は3手目にいきなり角を換える。後手番なら一手損角換わりがあるが、先手番では極めて珍しい。あえて後手番になった熊坂五段に秘策があるのかと思ったが、森内竜王は四間飛車に振る。これは熊坂五段、早くも意表を衝かれたのではなかろうか。
しかし熊坂五段は▲7八角と自陣に打ち、▲3四角と歩得する。飛車交換を繰り返し▲2一同桂成の局面は、熊坂五段の純粋桂得。「熊坂美濃」も固い。これは熊坂五段、予想以上の善戦である。
私は将棋が気になって、仕事が手につかない。形勢は徐々に熊坂五段がよくなってゆく。これは本当に一発入りそうだ。
夕方に仕事を終え、それからは2ちゃんねるにかかりっきりだ。私も書き込みをしたいが、いかんせん局面が分からない。どんどん書き込みをしているみんなが羨ましい。
外野では熊坂五段勝勢の声が多いが、本譜は熊坂五段が決め手を逃し、森内竜王がかなり追い上げているようだ。
やっぱり、そうなるわな。こうやって熊坂五段は、いつも好局を落としてきたのだろう。
しかし本局は、そこから熊坂五段が踏ん張った。守り一辺倒だった▲7八角を世に出し、▲3六角と活用し、優位を拡げたようだ。
2ちゃんねるは凄まじい大盛り上がりだ。クソッ、私も入りたい…。
熊坂五段、勝勢のようだ。随分もたついたが、さすがに今度は逃すまい。
着々と終わりの時は近づいている。午後8時すぎ、ついに熊坂五段が勝った!
フリークラスへ降級した棋士が、竜王or名人に勝つのはかなり珍しい。私はよろこびを抑えきれなかった。
とにもかくにも熊坂五段、大殊勲だった。
第56期王位戦予選2回戦 熊坂○-●森内俊之竜王

では、今年度の残りの対局予定を記しておこう。

第64回NHK杯将棋トーナメント本戦2回戦 畠山鎮七段(10月20日対局済・11月23日放送予定)
第56期王位戦予選3回戦 佐藤慎一四段
第63期王座戦一次予選3回戦 千葉幸生六段
第8回朝日将棋オープン戦一次予選決勝戦 塚田泰明九段と戸辺誠六段の勝者
第28期竜王戦6組ランキング戦(and昇級者決定戦)
第65期王将戦一次予選
第41期棋王戦予選
第65回NHK杯将棋トーナメント予選(第64回の成績次第では免除の可能性あり)

こうなるとNHK杯の結果が気になるが、ここでは無視して進めるしかない。
もう何度も書いているが、順位戦復帰までの簡明な数字は、「よい所取りで20勝10敗」である。現在「13勝4敗」の熊坂五段は、残り13局を「7勝6敗」で乗り切ればよい。これはかなり現実的な数字になってきたのではないだろうか。
今後も熊坂五段の戦いに目が離せない。
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LPSA芝浦サロン・島井咲緒里女流初段(当時)4

2014-10-22 00:08:42 | LPSA芝浦サロン
12日(日)にBS日テレで「君よ憤怒の河を渉れ」(1976年松竹)の放送があった。高倉健と原田芳雄のダブル主演で、録画したものを先日観たが、これが稀に見る怪作だった。
内容は、高倉健演じる東京地検検事・杜丘冬人が窃盗の濡れ衣を着せられ、逃亡をしつつも真犯人を探すというサスペンスアクションなのだが、全編に渡って突っ込みどころ満載で、別の意味で引き込まれた。いまは名作なんじゃないかと思い始めている。

3年前の6月17日(金)は、LPSA芝浦サロンに行った。この日の担当は島井咲緒里女流初段(当時)だった。島井女流初段の回に訪れるのは久しぶりで、同年2月25日以来だった。
なおこの週は13日(月)に「マンデーレッスンS」があり、講師は植山悦行七段だったので、お邪魔した。よってこの週も、都合7,000円の出費である。当時の私は金銭感覚が麻痺していた、というしかない。
17日は午後5時15分ごろ入ると、島井女流初段の姿があった。この日は珍しく、メガネ姿だった。
先客は2名で、His氏とTod氏だった。ふたりが自由対局を始めたので、6時から指導対局の私は手持無沙汰になり、小諸そばに行った。
戻って来て、対局開始。3面指しで、その中にFukuda氏がいた。
Fukuda氏はLPSA駒込サロン後期の準レギュラーで、特異な風貌とキャラクターから、一躍サロンの人気者になった。サロンが芝浦に移ってからは足が遠のき気味だったが、彼は島井女流初段のファンだったのか、今回は久しぶりに顔を出したようだった。
私のほうは、「チョコレート勝負」。第3局で、ここまで1勝1敗だった。
▲2六歩△3四歩▲7六歩△4二飛。
振り飛車なのに角道を止めないとは不愉快だが、私には用意の手があった。
▲6六歩。
「(角道を)止められるとは…」
と島井女流初段がつぶやいた。
His氏に
「この将棋はいつのブログに載るの?」
と聞かれたので、
「半年後です」
と答えたが、それがまさか3年4か月後になるとは思わなかった。
島井女流初段、△9二香。
His氏「この暑いのに(穴熊ですか)…」
島井女流初段、
「負けられない」
とつぶやく。島井女流初段、やる気満々のようだ。
私は▲6五歩。これなら△8八角成に▲同玉があるので、角は換えにくいだろう。
将棋は持久戦になった。中盤、私は角道を通して▲5四歩。△同飛に▲1一角成と香を取ったが、△5九飛成と飛車を成らせたのも相当な被害で、ここは落ち着いて考えるべきだった。
では終盤の局面を記す。

以下の指し手。△6六桂▲同金△5七馬▲6九香△7七歩▲同桂△6六馬▲同香△9九竜▲同玉△9七金▲8八飛△9六香▲8九玉△6八金▲7九銀△8八金▲同銀△4九飛
まで、98手で島井女流初段の勝ち。

島井女流初段は△6六桂! ▲同金に△5七馬と迫ってきた。私は▲6九香と受けたが、いかにも薄い。いまなら▲7七銀打としそうだ。
その後も島井女流初段の指し手は豪快で、△9九竜切りから△9七金ときた。これで下手が受けにくく、参った。
とはいえ本譜も何とか逃げられそうだと思ったのだが、やはり△4九飛が厳しい。受けても一手一手と思い、ここで投了した。

His氏とTod氏が帰った後、入れ替わりでY氏が来た。Y氏はふだん、女流棋士と指導対局は指さなかったので、指導対局が終わった私と、リーグ戦を指した。
将棋はY氏の石田流。私は中央志向で受けた。戦いは終始難しかったが、私の勝ち。
注目すべきはこのときの感想戦で、私が軽視しがちな序盤を、Y氏は何度も振り返って研究した。Y氏こそ将棋学徒だ、と思ったものだった。
帰りはFukuda氏と3人で、ガストに行きオッサントーク。いまではあり得ないメンツだが、極上の時間だった。Fukuda氏はいまも元気で暮らしているだろうが、またどこかで会いたいものである。
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