付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました」 きたみりゅうじ

2007-10-02 | エッセー・人文・科学
 きたみりゅうじの『フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました』を読了。
 税金の本だけれど、あっても良さそうなのにほとんどなかった、漫画家や作家みたいな仕事をしている人のために、必要な記帳法法から申告のテクニックまで、懇切丁寧かつ簡単に記述してあります。また、なんというか、監修に税理士が入っているらしいのですけれど「匿名が条件」というだけあって、かなりぶっちゃけた話になっていてよろしい。RR。
 普通はどうしても立前で書かないといけないものなので、アドバイスする税理士が覆面で、イラストレイターが書くことで、「そんなことしなくていい」「やつらは敵」「大人の処世術」とかかなり本音の部分についても踏み込んでいて笑います。
 社会保険のこととか法人成りについても触れていて、社会保険はすごくお役立ちだけれど、法人成りについては本の発行直後に財務省の裏工作でかなり法律が変わり、それをマスコミや金のある企業のトップが無責任に後押ししたため、内容的に古くなっています。そこだけは要注意。データは常に最新版にアップデートしときましょう。

「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました」★★★

【文筆業の税金】
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「ガンパレード・オーケストラ」 SCE

2007-10-02 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
 1945年、第二次世界大戦は、人類の天敵・幻獣の出現によって終結した。神話の怪物が具現化したような異形の怪物の群の前に、もはや人間が同士討ちで遊んでいる余裕はどこにもなかった。
 それから50余年。人類と幻獣の戦いは続いていたが、人類の勢力圏は地球上に数カ所と数えるほどとなっていた。残された人類の拠点となった日本でも沖縄は放棄され、1999年春には多数の学兵(学徒動員兵)の犠牲によって九州撤退戦が完了していた。
 そして冬。
 前線の遙か後方、日本最大の生産基地北海道と本州をつなぐ青森に幻獣が出現した。守備隊の主力は本来戦闘に投入する予定のない、学兵でもことさらに脆弱な兵ばかりであった。雪解けとなり、自衛軍の重装備部隊が到着するまで持ちこたえることができるのだろうか。
 待ち望んでいた春、3月。広島では自衛軍の大攻勢が失敗に終わり、潰走が始まっていた。取り残された学兵、山岳騎兵の部隊は無事に生き延びることができるのだろうか。
 一方、近日中の撤退が決まった小笠原諸島では、海兵第109師団・石塚分遣隊が最後の仕事として「黒い月」の観測を試みようとしていた。だが、宇宙を目ざした人類の夢の遺産、能動型超巨大天体望遠鏡<たんぽぽ>は、なぜか幻獣の標的とされていた……。


 何年か前にまったく雑誌でのレビューも前宣伝もないまま発売され、口コミで野火のごとく人気が沸騰した『ガンパレード・マーチ』というPSゲームがありました。
 その続編が2006年に3本のPS2ゲームとして発表されました。1月の『ガンパレード・オーケストラ白の章~青森ペンギン伝説』であり、3月の『ガンパレード・オーケストラ緑の章~狼と彼の少年』であり、7月の『ガンパレードオーケストラ青の章~光の海から手紙を送ります』です。
 まあ、類似したシステムで3本連続で出したことには批判も多かったけれど、買ってプレイした身で言わせてもらえば仕方がない。たとえていうなら、太平洋戦線とアフリカ戦線とヨーロッパ戦線を1つのゲームにするには無理があるだろうという、元シミュレーション・ゲーマーとしての感覚。補給とか戦線の構築の仕方とか、単に1つのシステムのオプションで処理するには差異が大きいかなと思います。まあ、これくらいは1つに収めろという感覚の人もいますけどね。

 やってない人に内容を簡単に説明するなら、人間関係にむちゃくちゃ苦労するギャルゲーをやりながら、その延長でリアルタイムのウォーゲームをするというもの。
 学園モードでクラスメート(=小隊の部下)と会話したり一緒に訓練して仲良くならないと、いざというときに命令を聞いてなかったり、訓練をさぼって役立たずのままの兵隊を率いるはめになります。整備兵が整備技能を持ってなかったりします。
 戦闘は、前作では仲間は邪魔! 1機で完全勝利をおさめるから、おまえら帰れ!みたいなところもありましたが、(一部の名人技を除いて)プレイヤー単独で勝つのは困難。部下を励まし、叱咤し、指揮し、増援をあれこれかき集めてなんとか撃退……という感じ。リアルタイムで戦場を走り回りながら、終始、部下が臆病風に吹かれて逃げてないかとか、弾薬は足りているかとか、敵の背後に回り込めるやつはいないかとか気を配りながら自分も戦うというもの。

 冬、「白の章」は雪の青森を舞台にしています。生産拠点に近いだけあって装甲車輌が比較的簡単に手にはいるので、コツさえつかめば戦闘はラクですが、若干操作性が悪いので先に「青の章」とかやっていると慣れるのが大変。
 士官要員として速成培養され、模造記憶で知識だけ詰め込んだ小隊長・石田咲良が奮闘して弱兵を鍛え上げて青森を守り抜く話……かな。やはり何周もやりこむのが前提のゲームなので、胃痛もちの巨漢・谷口竜馬をプレイヤー・キャラに選択して部下のとりまとめに四苦八苦するも良し、挫折した元・天才の村田彩華ねえさんの復帰をめざして頑張るも良し。
 ただ、今回、プレイヤー・キャラはあくまで小隊長として部下を率いて前線で戦うのが仕事なので、『ガンパレード・マーチ』のように整備だけして遊んで回るということはできませんのであしからず。

 続く「緑の章」は地獄の広島戦。軍が崩壊した状態で、取り残された山岳騎兵が山中の小さな町を拠点に戦い抜くという話なので、補給は簡単に滞るし、装甲車輌はなかなか届かず、届いても戦場は森林や崖地ばかりでろくに動かせない。それでも序盤は、大型の動物兵器にまたがり青竜刀で右に左に切りまくってクリアできますが、中盤になって敵が空中ユニットを投入し出すと袋だたきに。
 なんというか、ゲーム終了まで生き残るのが至難の業……。

 みんな同じように見えるけれど、最後の青の章がいちばんバランスも操作性も良く、初心者にもお勧め。どれか1本というなら、これかな。イベントも、水着でデートから水泳大会、天体観測、落とし物捜しとか豊富だしね。戦闘の方は敵も大攻勢をかけてくるので、勝てるパターンを見つけるまでが大変かもしれないけれど。
 キャラクターはコンバートして引っ張ってくる、白の章、緑の章、ガンパレード・マーチのキャラを使うことが多いので、本来のメンバーを使うことは多くありません。というか、コンバート・キャラを合わせて何十名の中から戦闘要員ラインオフィサー5名、整備等テクノオフィサー4人を選ぶので、使い切るのはなかなか至難の業。使うキャラによってイベントとか違ってくるので、こりゃタイヘン。
 自分がプレイしていて面白かった/恐怖したのはプレイヤー・キャラにヒゲ善行、ヒロインに原素子を選択してのラブコメ・モードでしたが。

 まあ、それぞれ3周はしないと最低限の評価も出来ないゲームです。

【ガンパレード・オーケストラ】【白の章】【緑の章】【青の章】 【ゲリラ戦】【ラブコメ】【水着】【動物兵器】
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「イギリス航空母艦史」 海人社

2007-10-02 | 戦記・戦史・軍事
 本屋でみつけ、なんとなく脳裏にビキーンと閃くものがあって購入。レジで2200円と知ってびっくり。久しく買わなかったけど、まあ、ムックならこの値段だわなあ。図版も多いし……この金銭感覚、忘れていたよ……。1500円くらいかと思ってた。
 空母ってのは今では主力艦の扱いだけれど、艦種としては新しいのでいろいろ試行錯誤の変遷が見えて楽しいのですよ。搭載する航空機も平行して発展してますしね。

「イギリス航空母艦史」★★★

【空母】
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『第23回日本SF大会 EZOCON2』 1984.7/27-29

2007-10-02 | イベント・コンベンション
 はじめての北海道はSF大会でした。エゾコン2。数あるSFコンベンションの中でも、宿泊型イベントの頂点として語り継がれることになる大会……というか、時刊新聞
に大きく掲載された「呑むなら吐くな、吐くなら飲むな」の標語の通り、企画があろうが無かろうが、とにかくダベって酒さえ呑めれば何でも良い大会だったのだねえ……。

 25日に自宅を出て、愛車CT250シルクロード(レイズナー第2部でエイジくんが乗ってたバイク)を駆って琵琶湖畔を北上。敦賀を夜9時半発のフェリーに乗って、一路北海道へ。別にSF大会に合わせたわけでもなんでもないだろうけれど、船内映画のプログラムが『ザブングル・グラフティ』だったのはご愛敬。
 3日目の早朝に小樽上陸。あとはつったかたーと北海道の山野をオートバイでかっ飛ばすだけ。

 会場に着いてからの記憶は混沌。
 ただ、ひたすら暑かったこと(北海道のくせに!?)、企画があまり無かったこと、情報提供システムである館内テレビ網がひたすらノイズを流し続け、大浴場は混浴だけれど女性陣は水着で闊歩してたこと、スティールフェアリーズが結成され気勢を上げ、夜の立食パーティーはただの立ち食いパーティーでそれすらすぐ車座の宴会になって飢えに苦しんでいたこと、朝食バイキングはご飯と味噌汁と佃煮食べ放題でハムは行列だったこと……。
 でも楽しかったね。
 何が楽しかったかというと、ただひたすらSFの話やバカ話をしたり24時間アニソンを歌い続けながらビールを飲んで飲んで飲んで飲んで飲んで、空き缶を軌道エレベータと称して天井に付くまで何本も何本も積み上げ、さらに2号エレベータ、3号エレベータが完成し……。
 若さに任せての宴会三昧。これを体験しちゃうと都市型イベントって物足りないのよねー。とはいえ、もう体力は残ってないぞ。

 そして会場で手に入れた「ここはどこ/わたしはだれ」Tシャツに身を包み、また港目ざして突っ走るのでした。
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「スターダンス」 スパイダー&ジーン・ロビンスン

2007-10-02 | 宇宙・スペースオペラ
 シャーラ・ドラモンドは魅力的なプロポーションと素晴らしい美貌の持ち主だったが、彼女がモダン・ダンサーとして成功するには、大柄な彼女の体格そのものが障害となった。
 シャーラはダンサーとして成功するわずかなチャンスに賭け、宇宙空間へと飛び出す。そして重力の影響を受けない世界で、自分の姿態を活かすことのできる「スターダンス」の完成を試みる。
 しかし、その頃、人類は宇宙の彼方から飛来したミツバチ型異星人と戦争の危機にあった……。


「これこそ、人間であるということ、永遠に生き続け、挑戦しつつ死ぬこと。これこそ、人間であるということ、つねに失敗を確信しながらも努力しつづけること」
 人類の視点からはファーストコンタクトを成功させた人物として知られるけれど、何より最後までダンサーであったシャーラ・ドラモンドの言葉。

【スターダンス】【スパイダー&ジーン・ロビンスン】【おおやちき】【ハヤカワ文庫SF】【ダンス】【ファーストコンタクト】
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「ヘラーズの冬」 マリオン・ジマー・ブラッドリー

2007-10-02 | その他SF(スコシフシギとかも)
 ダーコーヴァ貴族アーデス家の嫡子と間違われ誘拐された地球人。しかしダーコーヴァ貴族は地球の問題として動かず、地球帝国の役人もダーコーヴァ領内の問題だとして関与を拒む。業を煮やした地球帝国の諜報部員マグダレーン・ローンは、荒くれ仕事を請け負う女性ばかりのギルド「フリー・アマゾン」のメンバーに変装して救出に赴く。
 だが救出は成功したものの、マグダレーンは帰路に本物のフリー・アマゾンらと遭遇してしまう……。

「愚かさが罪だとしたら、人類の半数は重罪人ということになるわ」
 ダーコーヴァ年代記『ヘラーズの冬』からジュエル・ナハ・メローラの言葉。半数で済めば儲けものではありますが。

【ヘラーズの冬】【ダーコーヴァ年代記】【アマゾネス】【誘拐】【誓い】
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