「区別するのは人の性質だから。動植物と人を区別し、他人と己れを区別し……」
ライトノベルとヤングアダルト小説とジュブナイルを区分し……とは言わなかったけれど、「名も無き姫」の言葉。
歴史上の記録を見ると、女性の名前は記録されていないものばかりなのだけれど、この作品においては主人公である「姫」もその「母」も名前を呼ばれることもなく、名乗ることもない。
人の性として言わせてもらうなら、この内田響子の『聖者の異端書』は中央公論新社のC★NOVEL大賞特別賞受賞作ではあるけれど、「ライトノベルのファンタジー」とか「一般のファンタジー」というよりは児童文学に近い感覚の作品。本当に感覚的な話なのでなんですが、婚礼の席上、目の前で花婿が消えてしまった姫が、父親の制止も振り切り、見習い僧を道連れに、伝説の魔法使いに会い、試練の騎士や盗賊団の力を借り、変装して遙かなる異教の神殿へと潜り込んでついには花婿を助け出すというストーリーはやはり児童文学なんじゃないかなあ。
ライトノベルとかだったら、物語の最初と最後にちらと登場するだけの何もしていない王子様より、姫の探索を助け続けた良い男たちの誰かと結ばれるもんでしょ。
【聖者の異端書】【内田響子】【岩崎美奈子】【C・NOVELSファンタジア)】【魔法使い】【騎士】【盗賊】【花婿捜し】
ライトノベルとヤングアダルト小説とジュブナイルを区分し……とは言わなかったけれど、「名も無き姫」の言葉。
歴史上の記録を見ると、女性の名前は記録されていないものばかりなのだけれど、この作品においては主人公である「姫」もその「母」も名前を呼ばれることもなく、名乗ることもない。
人の性として言わせてもらうなら、この内田響子の『聖者の異端書』は中央公論新社のC★NOVEL大賞特別賞受賞作ではあるけれど、「ライトノベルのファンタジー」とか「一般のファンタジー」というよりは児童文学に近い感覚の作品。本当に感覚的な話なのでなんですが、婚礼の席上、目の前で花婿が消えてしまった姫が、父親の制止も振り切り、見習い僧を道連れに、伝説の魔法使いに会い、試練の騎士や盗賊団の力を借り、変装して遙かなる異教の神殿へと潜り込んでついには花婿を助け出すというストーリーはやはり児童文学なんじゃないかなあ。
ライトノベルとかだったら、物語の最初と最後にちらと登場するだけの何もしていない王子様より、姫の探索を助け続けた良い男たちの誰かと結ばれるもんでしょ。
【聖者の異端書】【内田響子】【岩崎美奈子】【C・NOVELSファンタジア)】【魔法使い】【騎士】【盗賊】【花婿捜し】