第二次大戦にアメリカが参戦する以前から動員計画などの作戦立案に参画していたウェデマイヤー将軍の回想録。
前線の兵士や指揮官ではなく、その任務の大半を後方での作戦立案や調整に奔走していた著者だけに、欧州戦線で戦力集中によって敵に決定的打撃を与えたいアメリカと分散攻撃でまず弱体化に導きたいイギリスの主導権争いとか、計画漏洩の疑いでFBIの取り調べを受けたりと、別の意味で生々しい話題の数々。前にも書いたけれど、チャーチルが執筆してノーベル文学賞を取った『第二次大戦回想録』では「全部ワシがやった」的な自慢話になっていたのに対して、こちらのウェデマイヤー将軍は「最初からの私の言ったとおりにしていれば……」という後悔口調なのも特色。
『中東戦争全史』と合わせて読むと目を覆いたくなるけれど、マキャベリズムを徹底的に貫くイギリスと、まだまだ青いアメリカという対比も面白いかな。それから、チャーチルは国民の士気を煽り立て維持する能力は最高だが、戦略家としてはダメダメだからなんとかして決定権を取り上げろと右往左往する様子も人ごとなら面白い。
【第二次大戦】【勝利の計画】【回想録】
前線の兵士や指揮官ではなく、その任務の大半を後方での作戦立案や調整に奔走していた著者だけに、欧州戦線で戦力集中によって敵に決定的打撃を与えたいアメリカと分散攻撃でまず弱体化に導きたいイギリスの主導権争いとか、計画漏洩の疑いでFBIの取り調べを受けたりと、別の意味で生々しい話題の数々。前にも書いたけれど、チャーチルが執筆してノーベル文学賞を取った『第二次大戦回想録』では「全部ワシがやった」的な自慢話になっていたのに対して、こちらのウェデマイヤー将軍は「最初からの私の言ったとおりにしていれば……」という後悔口調なのも特色。
『中東戦争全史』と合わせて読むと目を覆いたくなるけれど、マキャベリズムを徹底的に貫くイギリスと、まだまだ青いアメリカという対比も面白いかな。それから、チャーチルは国民の士気を煽り立て維持する能力は最高だが、戦略家としてはダメダメだからなんとかして決定権を取り上げろと右往左往する様子も人ごとなら面白い。
【第二次大戦】【勝利の計画】【回想録】