付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「白鹿亭綺譚」 アーサー・C・クラーク

2008-03-20 | その他SF(スコシフシギとかも)
「次の世代がわれわれに何をしてくれたっていうんだ?」
 実業界で成功を収めた科学者、スコット・マッケンジー教授の言葉。

 テームズ川近くのパブ<白鹿亭>には、水曜の夜ともなると集まってきた男たちが信じられない話を語り合うのが常だった。そんな中でも特筆すべきはハリー・パーヴィスだった。
 彼は<白鹿亭>きっての話し上手であると同時に科学的知識も豊富で、毎週のように奇妙奇天烈な物語を語って聞かせるのだ。
 映画撮影の過程で起こった軍拡競争が行き着いた先は? 太平洋の環礁で日本人科学者が静かに続ける実験とは? キーウェストで潜水艦に施された装置とは? そしてハリーの話は果たしてどこまで真実なのか?
 冷戦と軍拡競争を背景にしたクラークによる15本の連作短編集。

 こういう一つ所に人が集まり、荒唐無稽な話を語り合っては最後にステキなオチがつくという話は好きなんです。アシモフの『黒後家蜘蛛の会』とか。まあ、この話は科学技術、特に新兵器開発に偏ってはいますし、語るのも謎を解くのもハリー・パーヴィス氏なんですけれど、それはそれで味ではあります。というか、よくこれだけ思いついたなという気はします。

【空飛ぶ円盤】【夜話】【シロアリ】【反重力】【コンピュータの叛乱】
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする