「人間、なににも驚かなくなったらおしまいだ」
分光学課課長ロバート・モールトン博士の言葉。
人類が宇宙に進出してから200年。火星と金星、それに大惑星の衛星などによって構成された惑星連合と、地球と月からなる地球政府は対立状態にあった。地球は活力のある若者や知識人が宇宙に流れ出すのを止められなかったし、宇宙に出て行った人々はいまだ地球以上に重金属を持つ世界を見つけられなかった。
それらは些細な問題に過ぎなかったが、その積み重ねが一触即発の危機にまでふくれあがっていたのだ。
バートラム・サドラーが会計監査院から月の天文台に派遣されてきた日、ラジオのニュースは惑星資源会議が決裂したことを報じていた。しかしその一方で、月が過去信じられていたような不毛の世界ではなく、豊富な地下資源が存在している可能性が高いことを示す論文が発表されてしまったのだ。
いまや月は資源戦争の火種であり、サドラーこそスパイをみつけるために中央情報庁から派遣されてきた秘密情報部員だったのだ……。
いかにもクラークらしく、戦争の危機に疑惑の渦中にある天文基地に潜入したスパイの話……といっても、ひたすらに淡々と話が進みます。クラークが戦闘シーンを執筆したのは、この作品のただ1シーンだけだそうですが、その唯一の戦闘場面でさえ、決してリアルな血湧き肉躍るものにはなりません。そこが持ち味ではあるし、自分は好きだけれど、宇宙植民者と地球の対立!といったテーマから期待して読むとがっかりするかもしれません。なんといっても、タイトルの「地球光」の通りの話。どちらかというと「月光」といわれて連想するような話ですね。
【宇宙植民者】【地下資源】【モノレール】【超新星】
分光学課課長ロバート・モールトン博士の言葉。
人類が宇宙に進出してから200年。火星と金星、それに大惑星の衛星などによって構成された惑星連合と、地球と月からなる地球政府は対立状態にあった。地球は活力のある若者や知識人が宇宙に流れ出すのを止められなかったし、宇宙に出て行った人々はいまだ地球以上に重金属を持つ世界を見つけられなかった。
それらは些細な問題に過ぎなかったが、その積み重ねが一触即発の危機にまでふくれあがっていたのだ。
バートラム・サドラーが会計監査院から月の天文台に派遣されてきた日、ラジオのニュースは惑星資源会議が決裂したことを報じていた。しかしその一方で、月が過去信じられていたような不毛の世界ではなく、豊富な地下資源が存在している可能性が高いことを示す論文が発表されてしまったのだ。
いまや月は資源戦争の火種であり、サドラーこそスパイをみつけるために中央情報庁から派遣されてきた秘密情報部員だったのだ……。
いかにもクラークらしく、戦争の危機に疑惑の渦中にある天文基地に潜入したスパイの話……といっても、ひたすらに淡々と話が進みます。クラークが戦闘シーンを執筆したのは、この作品のただ1シーンだけだそうですが、その唯一の戦闘場面でさえ、決してリアルな血湧き肉躍るものにはなりません。そこが持ち味ではあるし、自分は好きだけれど、宇宙植民者と地球の対立!といったテーマから期待して読むとがっかりするかもしれません。なんといっても、タイトルの「地球光」の通りの話。どちらかというと「月光」といわれて連想するような話ですね。
【宇宙植民者】【地下資源】【モノレール】【超新星】