「通りすがりの、何の変哲もない、平凡な14歳の村娘です」
突然に街道を行くナナ姫一行の前に茂みから出現し、無表情でうつろな目のまま棒読み口調で自己紹介するネリアの言葉。怖い。
アビアス王国の第一位王位継承者であるナナ・アン・アビアス姫は異性関係にはいささか行き過ぎた潔癖性の傾向があるものの、明るく活発で国民に愛されている姫君だ。
しかし姫には幾つか秘密があった。
1つは国王の本当の娘ではないこと。しかしこれはまあ、肌の色が違うし、目の色が違うし、耳もとがっているし、シッポもあるし……で、これは「個性」と言い張るにはちと苦しい。
もう1つは、そんな人間ではない彼女の正体は、たぶん今まで存在すら疑われていた淫魔サキュバスではないかというのだ。淫魔なら、成人する前につがいの相手をみつけないと命に関わるかも知れないと、娘を愛する国王バルテリクは命じた。
「おまえ、ちょっと処女喪失してこいや」
かくしてナナ姫は、警護の近衛兵士エキノとお付きの侍女コリンの3人連れで婿捜しの旅に出るのだった。国民の大歓声に見送られて……。
お下品ですね。それに肌がやや褐色といいつつ挿絵にトーンは張ってないし、背表紙のあらすじでは国名がヌビアス王国とかいきなり間違われているし。
でも面白いわ。
テンポが良いし、いろいろ出てくるキャラも何気なく順を追って増えているので覚えやすいし、凛々しいようでくだらなく、いい加減なようで二手先三手先を考えているし、たおやかと思わせてたくましいし、脅威と見えてバカだし。
そしてまたアビアス王家ってのも、『未来放浪ガルディーン』のフレイヤー王家を思わせるスチャラカぶりと、その裏面での策士ぶりのバランスとがなかなかに良い感じ。王は国家第一の芸人である!って感じ……というか、そのままの国です。
緩急を巧みにつけて、バカ騒ぎを単なるイヤミな空騒ぎにしないところがさすがですね。続きが楽しみです。
【プリンセスはお年頃!】【榊一郎】【深山和香】【HJ文庫】【淫魔】【教会】【暗殺者】
突然に街道を行くナナ姫一行の前に茂みから出現し、無表情でうつろな目のまま棒読み口調で自己紹介するネリアの言葉。怖い。
アビアス王国の第一位王位継承者であるナナ・アン・アビアス姫は異性関係にはいささか行き過ぎた潔癖性の傾向があるものの、明るく活発で国民に愛されている姫君だ。
しかし姫には幾つか秘密があった。
1つは国王の本当の娘ではないこと。しかしこれはまあ、肌の色が違うし、目の色が違うし、耳もとがっているし、シッポもあるし……で、これは「個性」と言い張るにはちと苦しい。
もう1つは、そんな人間ではない彼女の正体は、たぶん今まで存在すら疑われていた淫魔サキュバスではないかというのだ。淫魔なら、成人する前につがいの相手をみつけないと命に関わるかも知れないと、娘を愛する国王バルテリクは命じた。
「おまえ、ちょっと処女喪失してこいや」
かくしてナナ姫は、警護の近衛兵士エキノとお付きの侍女コリンの3人連れで婿捜しの旅に出るのだった。国民の大歓声に見送られて……。
お下品ですね。それに肌がやや褐色といいつつ挿絵にトーンは張ってないし、背表紙のあらすじでは国名がヌビアス王国とかいきなり間違われているし。
でも面白いわ。
テンポが良いし、いろいろ出てくるキャラも何気なく順を追って増えているので覚えやすいし、凛々しいようでくだらなく、いい加減なようで二手先三手先を考えているし、たおやかと思わせてたくましいし、脅威と見えてバカだし。
そしてまたアビアス王家ってのも、『未来放浪ガルディーン』のフレイヤー王家を思わせるスチャラカぶりと、その裏面での策士ぶりのバランスとがなかなかに良い感じ。王は国家第一の芸人である!って感じ……というか、そのままの国です。
緩急を巧みにつけて、バカ騒ぎを単なるイヤミな空騒ぎにしないところがさすがですね。続きが楽しみです。
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