付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「グリーンビーチ」 ジェイムス・リーソー

2008-03-26 | 戦記・戦史・軍事
「ジャックだ! わたしが殺さなきゃならなかった男がいる!」

 1942年8月、フランス沿岸のディエップ(暗号名グリーンビーチ)に南サスカチェワン連隊を中心としたで6000名のカナダ・イギリス連合の奇襲部隊が上陸し、ドイツ軍と交戦状態に入った。
 その中に1人の技術者ジャック・ニッセンサールが混じっていた。彼の目的はただ1つ、近い将来の反攻上陸に備えてドイツ軍のレーダー基地の機能を確認すること。それこそ、この奇襲の真の目的だった。
 ニッセンサールに同行するのは10名の護衛兵。だが、レーダー技術者であるニッセンサールをドイツ軍に渡すことはできない。敵の手に落ちそうな時は彼を射殺すべしとの厳命を受けていたのだ……。

 ちょっとマイナーなディエップ奇襲作戦の物語だけれど、参加したカナダ人部隊の損耗率65%、5人に1人が戦死という酷い戦い。一見して、ただの負け戦。
 ただ、この作戦があったからドイツ軍のレーダー網の能力を把握できたわけだし、ここで上陸用舟艇や水陸両用車の欠陥が露見したり港湾確保の困難が実証され、2年後の上陸作戦へとつながることになります。何事もやってみないと解らないのです。
 やってみないとわからんといえば、ここで港の占領はたいへんだとわかって、移動式の港を作って持っていこうぜ!のノリで開発されたのがコンクリート製の人工港マルベリー。
 でも、それも1基は嵐で沈んだとか、苦労して作って運んだマルベリーより、古い船を沈めて港代わりにしたグーズベリーの方が使い勝手が良かったらしいとか、これまた使ってみなければわからない話があれこれ。まあ、マルベリーがどれだけ使い物になったのか、読む資料ごとに評価が違うんでよくわかりません。どれが正解か教えて欲しいです。

【グリーン・ビーチ】【ディエップ奇襲作戦】【ジェイムス・リーソー】【ジュビリー作戦】【RAF】【強襲】
コメント
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