付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「天の向こう側」 アーサー・C・クラーク

2008-03-21 | 宇宙・スペースオペラ
 とりあえず今週はアーサー・C・クラーク追悼と勝手に決めて、クラーク作品に絞って紹介してみよう……ということで、まとめて再読で6冊ほど一気読み。そのまま倒れるように寝てしまったら、銀色の流線型ロケットが群舞する夢まで見てしまいました。もっとも、そのロケットはバンデル星人の円盤に襲われていたのだけれど……。

 コンピュータを使って神の名を書き出そうとするラマ僧たちの「90億の神の御名」、米英ソによる月開発史「月に賭ける」、遙か宇宙の彼方で見つけた失われた文明の痕跡「星」、時間が制止した街での美術品泥棒の顛末「この世のすべての時間」など、人類の宇宙開発黎明期から遙かな未来まで、(宇宙に本格的な進出を始めた時期のさまざまなエピソードを中心とした)14作品からなるアーサー・C・クラークの中短編集。


 14とはいいつつも、『月に賭ける』と『天の向こう側』はそれぞれ6つのエピソードから構成されているので、本数としてはもっと多いことになるかな。とにかくバラエティ豊富な作品集ではあります。中でも『90億の神の御名』はクラークのもとへダライ・ラマから感想が届いたという曰く付きの逸品。
 しかし、『居住期間の問題/月に賭ける』はオチがわかりにくいかも。でも、これは今の日本でもちょくちょく発生して裁判沙汰になっていますから未来永劫普遍のテーマなのかもしれません。

【シャーウッドの森】【最初の接触】【サンダイバー】【内国税局】【殺人事件】
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