付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「機械どもの荒野(メタルダム)」 森岡浩之

2008-03-18 | 破滅SF・侵略・新世界
 『機械どもの叛乱』によって文明社会が崩壊し、人間は荒野を彷徨う自動機械を狩っては、そのパーツを利用することによってかろうじて技術を維持するような生活をおくるようになっていた。
 だがその日、狩人タケルが見つけた自動機械スナークは少し様子が違っていた。人の言葉を話し、つまらない詩を歌いたがり、そして取引を持ちかけてきたのだ。機械生産の中枢であるアディティ、機械たちの母を助けて暴走した防衛システムであるヴァルナを助けて欲しいというのだ。
 電脳調教師の鴉、花屋のカーシャらと相談したタケルは信用できない話と断りかけるが、そのとき突如機械の群が街を襲撃。3人は否応なく荒野へと旅立つ羽目に陥るのだが……。
 
「もしも無事に逃げられたら、ぜひ、この子をぼくに預けてくれたまえ。ゆっくりと初期化してやる。データ・ファイルをひとつひとつ削除してやるんだ。そして、あまった領域にこの世でいちばんくだらないゲームをプログラムしてあげよう。たとえば永遠に続く三目並べとか」
 自動機械スナークのチャルへの静かな怒りに燃える鴉の言葉。五目並べではなく、三目というところに怒りの深さが感じられます。

 機械の叛乱によって文明が崩壊した世界で、荒野を彷徨う自動機械を狩り、部品を売り飛ばして装備を調えて……というとスーパーファミコン用ソフト『メタルマックス2』を思い出しちゃいますね。あのゲームから戦車を抜いた感じ。ハンターがメカニックとプログラマーをパートナーに、叛乱を起こした機械の拠点に乗り込むのだけれど……
 小じゃれた会話が楽しいハードボイルド・アクションSFです。

【機械の叛乱】【ハンター】
コメント
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