goo blog サービス終了のお知らせ 

付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「宇宙からのメッセージ」 野田昌宏

2009-07-07 | 宇宙・スペースオペラ
 1977年に『スターウォーズ』が全米公開され予想外に大ヒットし、こいつが翌年夏に日本公開される前に二番煎じで一儲けしようと東宝が『惑星大戦争』を、東映が『宇宙からのメッセージ』を急遽製作して公開。そりゃあもう、どちらも日本SF映画のダメな点を一身に背負ったような映画で、公開された瞬間にB級カルト映画になることが約束されたようなシロモノでした。
 公開直前にテレビ放映された特番だけでも観る気を無くし、後のテレビ放映で確認して「あー、観に行かなくて良かった」と思ったシロモノですが、このノベライズを野田昌宏が書いていたのだと先日の『銀河乞食軍団』合本のあとがきを読んでいて思い出しました。
 そんなボロクソに言っていても本はちゃんと買ってあるのが律儀なところです(かなり黴びてましたが……)。

 映画の出来が箸にも棒にもかからないものだからストーリーは完全オリジナル。今読み直してみれば、確かにそこかしこに『銀河乞食軍団』の片鱗が伺えます。〈星河原〉星系とか東銀河連邦といった世界を舞台に、べらんめえ口調で弱きを助け強きをくじく荒くれ者たちの冒険譚。敵は異次元から侵攻し惑星ジルーシアで住民虐殺を繰り広げるガバナス帝国の皇帝ロクセイア!
 前半の地方権力者や秘密警察とのかけひきのあたりはそのまま『銀河乞食軍団』の外伝といっても通じるくらいで物語がいちばん活き活きしています。その反動かクライマックスがちょっと投げやりっぽく、そのあたりの印象が小説版も高く評価できない原因ですね。

【宇宙からのメッセージ】【野田昌宏】【石森章太郎】【リアベの実】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「有川夕菜の抵抗値」 時田唯

2009-07-07 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「二度失敗したなら、三度目をやり直せばいい。それだけの事、か」
 千春に叱責されて生徒会長・末長が復活する。

 タイトルを見て『涼宮ハルヒの憂鬱』みたいだなあと思い、冒頭いきなり「最初によく聞いておけ。私は貴様らのような連中が大嫌いだ」と言い放つあたりで、やっぱりと確信したのだけれど、すぐに間違いと判明。

 花音高校に転校した姉の様子がおかしいと天音はピンときた。
 ぶっきらぼうでいつもふくれっ面の夕菜が、顔を赤くして怒っている。微妙に困った感じで、でも本当は嬉しそうで、朝「行ってきます」と挨拶して学校へ出かけるのだ。何か素敵なことが起こっている。
 素敵な変人が現れたに違いない!
 感情が高ぶると高圧電流を発してしまう夕菜はパラライザー。遺伝病の一種だが、触った相手を感電させてしまうため、他人との接触を嫌っていたのだ……。

 第5章とエピローグである「終」章の間にもう1冊分の物語が隠れていると思いますし、そのあたりを読みたいと思います。そう期待する価値はあります。でも、イラストはコミックの一コマとしてならいいけれど、今ひとつ好みじゃなかったです。自分がちょっと高いレベルの挿絵を要求しちゃっているのかな。
 
【有川夕菜の抵抗値】【時田唯】【りちゅ】【トラウマ】【悲劇のヒロイン】【変人】【貧乳】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする