付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「アンの青春」 ルーシー・モード・モンゴメリ

2009-07-06 | その他フィクション
「変化はすべてがありがたいもんじゃないが、変わるということは大事なことだ。2年も同じままというのは長すぎる。それ以上続いたらコケが生えちまうさ」
 ジェイムズ・A・ハリソンの言葉。

 進学を断念し、プリンスエドワード島の教師となった16歳のアン・シャーリーの2年間を綴った物語。
 一筋縄ではいかない子供たちや保護者にもまれる教師生活の傍ら、マリラがひきとった双子を育て、ギルバートたちと始めた村の改善協会で空回りしつつも奮闘。そして親友ダイアナの婚約。
 穏やかな日々の中にもさまざまな出会いと別れが訪れるが……。

 松本侑子訳による「赤毛のアン」シリーズの2作目で、あいかわらず若さゆえの過ちがてんこもり。同名邦題の映画は別物。前作では、すぐに空想にふけって仕事がお留守になってしまうアンの教育に手を焼くマリラに感情移入しちゃいましたが、今回は双子のしつけに右往左往するマリラとアンに感情移入。子供が親の手を焼かせるのは古今東西変わらないってことですか……。

【アンの青春】【L.M.モンゴメリ】【ミス・ラヴェンダー】【嵐】【結婚式】
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「名人誕生~面白南極料理人」 西村淳

2009-07-06 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 1988年夏。巡視船<えさん>の西村主計士に、入港後ただちに管区本部に出頭せよとの命令が届く。それが西村淳が第30次越冬隊に参加する事の始まりだった。
 別に南極観測隊への参加はどちらでも良かった西村だが、断るなら断ってやるぞという上司の態度にむかっ腹を立て勢いで参加。
 著者が他の隊員候補者と顔を合わせ、越冬準備にとりかかり、やがて海を渡って第29次越冬隊と交代するまでの物語。

 今まで料理のエピソードとして断片的に語られていた、南極探検に参加したあれこれの顛末をいちばん最初から語り直してみましょうという1冊。なので、まだやっと南極についたところです。
 まかりまちがっても「料理人の心得や料理の神髄」とか「南極観測の学術的意義」なんてことに言及するようなものではなく、期待する方が愚かという点だけは念押し。いや、そういうことを期待して裏切られたという人がいるようです。
 ただ、各地各団体から集まってくる、一見ヘンな人たちが実はスゴイ人たちで、そんな人たちに囲まれて正式な調理師としての勉強もしていない著者が、なんとかみんなに美味いといってもらおうとあれこれ画策する話ですが、やっと南極料理人としての活躍が始まったばかり。
 ただ、20年後に届いたメールから、いろいろ大変なことが多くて気晴らしも難しい南極では、おいしいものを食べることがイライラの解消となり、明日への意欲の原動力だったと指摘されます。
「食事が、気分だけではなく、円滑な人間関係にも大きく影響を与えると悟りました」

 そもそもの最初に『面白南極料理人』の自費出版を持ちかけてきた印刷会社に「あんたの本を読みたいと思う者が全国で1000人もいるものか」と罵られたという南極料理人のシリーズも、来月8月には劇場公開。これだったら、子供を連れて観に行っても良いなあと思います。
 さあ、このあたりで上映してくれるかな?

【名人誕生】【面白南極料理人】【西村淳】【コンダラ】【住民税】【パンプキンスープ】【赤道祭】【自費出版】
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