付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「月の地底王国」 エドガー・ライス・バロウズ

2009-07-17 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 1914年の大戦勃発から半世紀続いた戦いも、アングロ・サクソン民族が他民族すべてを制圧する形で停戦を迎えた。地球に火星ヘリウムからのメッセージが届いたのは、その1967年の6月10日のことであった。
 そこからさらに半世紀後の2015年。人類の宇宙船が初めて火星をめざして発進するが、反乱により宇宙船は月に墜落。宇宙船<バルスーム号>の船長ジュリアン5世たちは地下世界に広がる月人の国で捕囚となってしまう……

 孤立無援の異世界で知恵と勇気と(地球人としての)体力を駆使して行く手に立ちふさがる敵を片っ端からやっつけて美姫を守っていくという、いかにもバロウズ的なヒーローの物語。親から子へと転生しつつ記憶を継承していくという主人公が2015年に体験した事件を未来の物語として1967年の世界で語る……という話が1923年に書かれたわけですね。ただ、いつも主人公の中途半端なにえきらない行動が次なる災厄のブースターになるというのも情けなく、続編はさながら「バック・ロジャース」のような展開みたいです。だから、とどめをさせといっているのに!
 肉は食わないといけないけれど家畜とか狩猟の対象になる動物がいないので、倒した敵はすべて食糧扱いというのもイヤーな設定です。

【月の地底王国】【バロウズ】【ムーン・シリーズ】【バルスーム号】【肉食】【ジョン・カーター】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ベン・トー2~ザンギ弁当295円」 アサウラ

2009-07-17 | 食・料理
「心を濁すな、狙いを澄ませ。今、思うべきは一つだけだ」
 戦いの場を制するのは力でも技でもなく、意志の力だと<氷結の魔女>こと槍水仙。香港あたりで実写映画化してくれないかね?

 HP同好会に入った佐藤洋の下宿にひょっこり現れたのは、幼なじみにして同い年の従姉・著莪あやめ。エロ本をあさりまくり、一日中テレビゲームで遊びほうける金髪の美少女だったが、実は著莪こそ<湖の麗人>の二つ名を持つ狼であり、佐藤たちの西地区に東地区から使者として送り込まれた捨て駒だった……。

 閉店間際のスーパーマーケットで半額弁当を求めて戦う、誇り高き狼たちの物語の第2弾。誇りを持たぬ<帝王>の覇道に、狼たちはいかに立ち向かうのか!?

 素人だった佐藤がちゃくちゃくと頭角を現していくのは、彼が自分ではクールなナイスガイで真面目少年と思っていても、客観的には十分ヘンであり、自己中心的であり、狡く、しかも現役陸上自衛隊員である父親に引きずり回されて体力と運動神経だけなら人一倍以上だから。それでも、腐女子な白粉さんに遅れをとってしまうのが、この世界の奥の深さです。
 面白いし、きちんと1巻完結になっているので読んでいても安心。敵味方入り乱れる乱闘シーンの迫力も、苦労の末に手に入れたザンギ弁当の美味しさも、佐藤を黙々と観察している白粉の執筆した小説の腐れッぷりも手抜き無しです。

【ベン・トー2】【ザンギ弁当295円】【アサウラ】【柴乃櫂人】【スーパーダッシュ文庫】【どん兵衛】【横滑り佐藤】【半額弁当】【湖の麗人】【帝王】【オオカバマダラ】【ガブリエル・ラチェット】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする