「アタシは見た目ほど幼女体型じゃない!」
パウラ・ケンプフ上等兵の虚勢。
1945年5月。ドイツはいまだ世界と戦い続けていた。
ドイツとソ連邦の激戦が続くウクライナ地方、ブラーツクの村に駐屯する第601重戦車大隊<ブリュンヒルド>。その第三中隊に所属するアキラたちの小隊に配属されることになった車長は白地に水色横縞模様のショーツを履いた少女だった……。
戦場を疾駆するVIII号戦車レオパルトと、それを駆る少年少女の物語。イカロス出版が新たに創刊させた美少女系ミリタリー小説レーベル「AXIS LABEL(あくしずレーベル)」、その第一弾です。
あの「MC☆あくしず」発のレーベルだけあって、戦車戦や占領地での親衛隊の描写はかなりガチですが、その一方、軍隊における男女比率はほぼ同じで「理由あって一つ屋根の下で共同生活をおくることになった女子数名と男子1名」というお約束のハーレムも健在。まったく期待に違わぬ作品です。
テイスト的には、第三新東京市に向かう途中で惣流・アスカ・ラングレーに出会ってしまったシンちゃんの物語……といえないことはないよね。乗り込むのがオーバーテクノロジーの固まりとはいえエヴァンゲリオンではなくレオパルト戦車で良かったね。
ただ、ツッコミどころが2箇所。明らかに『紺碧の艦隊』なみに歴史改変された世界なので、軍隊の男女比率とかテクノロジー云々については言及しません。でも、用語としての「ロリータ・コンプレックス」はナボコフの執筆が1953年、出版が1955年なのであきらかに早すぎる言葉。「幼女趣味」で良いと思います。
それから便所について。どう転んでも農家の汲み取り式トイレなので、T-34に吹き飛ばされたタンクと似たり寄ったりの状況だと思います。そのあたり女性乗員の感覚が現代日本人に近いので、もうちょっとタフで良いと思います……。
まあ、どちらも重箱の隅であって、作品の評価を左右するような話じゃありませんね。
イラストには美少女だけではなく戦車もしっかり描き込まれ、地図や戦車の三面図も充実、各章ごとにテクニカルタームの解説までついているので、ミリタリー小説の入門版としてはベストな構成です。
ただ、やっぱりフォーゲルヴァイデ上等兵は、理由はどうあれ指揮官として無能だと思います。相手の力量を見極めた適切な指示ができない、部下を掌握できないという意味で。みんな良い子で良かったね。アナバシスというタイトルが暗示しているこの先の展開はどう考えても安泰なものではありえないので、ぜひとも一致団結して乗り切って欲しいものです。できればマスコット的なキャラクターというか、どんな状況でも明るく前向きで「みんなでがんばろー」というキャラが加わるとライトノベル的に良いかと思います。もしくはティナさんがもっと前面に出てムードメイカーになるのも良いですね。
今は、ヘンに弱きで冷静な少年、才能はあるかも知れないけれど協調性皆無の少女が静と動で2人、ムードメイカーというにはいまいち弱気な少女1名なので、簡単に負のスパイラルに入ってしまって爽快感が出にくいのです。
【鋼鉄のアナバシス】【死神と呼ばれた少女】【内田弘樹】【藤沢孝】【AXIS LABEL】【超巨弾独ソ戦ロマン小説】【トラクター工場】【ハーレム】【サウナ】【初代総統】【パンチラ】【適格者】【未来の記憶】
パウラ・ケンプフ上等兵の虚勢。
1945年5月。ドイツはいまだ世界と戦い続けていた。
ドイツとソ連邦の激戦が続くウクライナ地方、ブラーツクの村に駐屯する第601重戦車大隊<ブリュンヒルド>。その第三中隊に所属するアキラたちの小隊に配属されることになった車長は白地に水色横縞模様のショーツを履いた少女だった……。
戦場を疾駆するVIII号戦車レオパルトと、それを駆る少年少女の物語。イカロス出版が新たに創刊させた美少女系ミリタリー小説レーベル「AXIS LABEL(あくしずレーベル)」、その第一弾です。
あの「MC☆あくしず」発のレーベルだけあって、戦車戦や占領地での親衛隊の描写はかなりガチですが、その一方、軍隊における男女比率はほぼ同じで「理由あって一つ屋根の下で共同生活をおくることになった女子数名と男子1名」というお約束のハーレムも健在。まったく期待に違わぬ作品です。
テイスト的には、第三新東京市に向かう途中で惣流・アスカ・ラングレーに出会ってしまったシンちゃんの物語……といえないことはないよね。乗り込むのがオーバーテクノロジーの固まりとはいえエヴァンゲリオンではなくレオパルト戦車で良かったね。
ただ、ツッコミどころが2箇所。明らかに『紺碧の艦隊』なみに歴史改変された世界なので、軍隊の男女比率とかテクノロジー云々については言及しません。でも、用語としての「ロリータ・コンプレックス」はナボコフの執筆が1953年、出版が1955年なのであきらかに早すぎる言葉。「幼女趣味」で良いと思います。
それから便所について。どう転んでも農家の汲み取り式トイレなので、T-34に吹き飛ばされたタンクと似たり寄ったりの状況だと思います。そのあたり女性乗員の感覚が現代日本人に近いので、もうちょっとタフで良いと思います……。
まあ、どちらも重箱の隅であって、作品の評価を左右するような話じゃありませんね。
イラストには美少女だけではなく戦車もしっかり描き込まれ、地図や戦車の三面図も充実、各章ごとにテクニカルタームの解説までついているので、ミリタリー小説の入門版としてはベストな構成です。
ただ、やっぱりフォーゲルヴァイデ上等兵は、理由はどうあれ指揮官として無能だと思います。相手の力量を見極めた適切な指示ができない、部下を掌握できないという意味で。みんな良い子で良かったね。アナバシスというタイトルが暗示しているこの先の展開はどう考えても安泰なものではありえないので、ぜひとも一致団結して乗り切って欲しいものです。できればマスコット的なキャラクターというか、どんな状況でも明るく前向きで「みんなでがんばろー」というキャラが加わるとライトノベル的に良いかと思います。もしくはティナさんがもっと前面に出てムードメイカーになるのも良いですね。
今は、ヘンに弱きで冷静な少年、才能はあるかも知れないけれど協調性皆無の少女が静と動で2人、ムードメイカーというにはいまいち弱気な少女1名なので、簡単に負のスパイラルに入ってしまって爽快感が出にくいのです。
【鋼鉄のアナバシス】【死神と呼ばれた少女】【内田弘樹】【藤沢孝】【AXIS LABEL】【超巨弾独ソ戦ロマン小説】【トラクター工場】【ハーレム】【サウナ】【初代総統】【パンチラ】【適格者】【未来の記憶】