付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「マリア様がみてる/ プレミアムブック」 今野緒雪・ひびき玲音

2009-07-23 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 TVアニメ版「マリア様がみてる」序盤のフィルムストーリーにキャラ設定、声優インタビュー、ひびき玲音によるアフレコ現場レポマンガ、そして蓉子と祥子が姉妹になったエピソードを語る短編「ANSWER」を収録。
 アニメ版にはあまり思い入れがないというか、好きな部分をカットされてばかりで観ていて悲しくなるだけなのです。つまりは短編1つのために買ってしまったようなものですが、その価値があって良かったです。アニメ用の建物の間取りや外観設定も読むときの参考になりました。

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「紫色のクオリア」 うえお久光

2009-07-23 | その他SF(スコシフシギとかも)
「あたしの運命はあたしだけのもので、ガクちゃんの運命はガクちゃんだけのもの」

 深夜の書店でうえお久光の新刊『紫色のクオリア』を購入。そのまま寝てしまって朝起きたら、嫁さんが「いやあ、うえお久光はスゴイわ」と感想を教えてくれました。あんた、真夜中に何やってんだ?

 紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかりは自分以外の人間がロボットに見えるという。だから、他人からみれば美少女でも自分ではそんな風には思ってはいない。比較するべき他人と自分が違いすぎているからだ。彼女の趣味はプラモデル作り。プラモに限らずメカは好きだし修理したりするのも得意だ。
 そんな彼女の友だちガクちゃんの家に、ある日不思議な女性が訪ねてきたのだが……。

 自分以外の他人がすべて異形に見えてしまう(あるいは異形である)というのは『地を這う魚』のように吾妻ひでおの短編でよく見られるシチュエーションではあるし、萩尾望都のコミックにも自分の産んだ娘がイグアナにしか見えない母親と娘の話『イグアナの娘』があるのだけれど、それをこう料理するのか!?というか、こういう風に変形していくのね?という驚きの1冊で、もともとは「ロボットと少女」をテーマにコラボレーションした短編の1つでしたが、結果的に「世界の可能性を踏みにじる少女の物語」になりました。
 次の星雲賞、受賞とはいわないけれどノミネートもされなかったら大笑いだ。テッド・チャンとか『最果てのイマ』あたりが好きな人にはとりあえず勧めておきます。あれらほど難解ではないけれどね。

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