「理解するために言葉があって、理解したいから言葉を覚えたのに……どうしてわからないことばかり増えていくんだろう?」
ぐらの言葉。
秋津島榛奈はある日、犬を散歩に連れて行った海岸で溺れた。巨大な大波に呑み込まれてしまったのだ。
やっとのことで陸にはい上がった榛奈の前に姿を現したのは、シャチのような巨大な生き物だった。しかも、そいつは英語で話しかけてきた。
「あーゆーおーるらいと?」
ごうてん、かわいそう……。
凄い大傑作だと年間ベストに無条件に推せるとまでは言い切れないけれど、読み終わって満足して本を閉じることができました。たとえて言うなら、光瀬龍とか眉村卓の70年代ジュブナイルを現代に持ち込んだようなファーストコンタクト小説。今月の電撃文庫はけっこう実り豊か。
もっとも、かつてのジュブナイルなら、少年は多少勉強はできなくても勇敢で運動神経が良く、少女は聡明でしっかりものというのが定番だったけれど、この作品の主人公の少女は、うっかり八兵衛やサザエさんが1位2位を争う日本うっかりランキングのベストテン入りは間違いないといううっかりもの。そして、そうでなければこのファーストコンタクトは成立しなかったわけですが、それにしたってもう少しなんとかできなかったのかと思わないでもありません。“頼りになる大人”も出てこなかったしね。昔は、少年少女の冒険の尻ぬぐいをするのは、博士とか先生とか経験を積んだ頼れる大人の仕事だったのに。
もう1つ気になるのは、結局オカリナとウクレレが物語の進行に何の影響も与えなかったということかな。
【ぐらシャチ】【中村恵里加】【双】【ファーストコンタクト】【光学迷彩】【ボーイ・ミーツ・ガール】【グラシャラボラス】
ぐらの言葉。
秋津島榛奈はある日、犬を散歩に連れて行った海岸で溺れた。巨大な大波に呑み込まれてしまったのだ。
やっとのことで陸にはい上がった榛奈の前に姿を現したのは、シャチのような巨大な生き物だった。しかも、そいつは英語で話しかけてきた。
「あーゆーおーるらいと?」
ごうてん、かわいそう……。
凄い大傑作だと年間ベストに無条件に推せるとまでは言い切れないけれど、読み終わって満足して本を閉じることができました。たとえて言うなら、光瀬龍とか眉村卓の70年代ジュブナイルを現代に持ち込んだようなファーストコンタクト小説。今月の電撃文庫はけっこう実り豊か。
もっとも、かつてのジュブナイルなら、少年は多少勉強はできなくても勇敢で運動神経が良く、少女は聡明でしっかりものというのが定番だったけれど、この作品の主人公の少女は、うっかり八兵衛やサザエさんが1位2位を争う日本うっかりランキングのベストテン入りは間違いないといううっかりもの。そして、そうでなければこのファーストコンタクトは成立しなかったわけですが、それにしたってもう少しなんとかできなかったのかと思わないでもありません。“頼りになる大人”も出てこなかったしね。昔は、少年少女の冒険の尻ぬぐいをするのは、博士とか先生とか経験を積んだ頼れる大人の仕事だったのに。
もう1つ気になるのは、結局オカリナとウクレレが物語の進行に何の影響も与えなかったということかな。
【ぐらシャチ】【中村恵里加】【双】【ファーストコンタクト】【光学迷彩】【ボーイ・ミーツ・ガール】【グラシャラボラス】