少し趣の異なる桜である。普通ならば鳥が羽を広げたように枝が伸びるのだが、これは階層を成したかのように枝が付いている。記念碑に寄り添いその言葉に花を添えてやっているのであろう。
ご覧のように以前とは全く異なる風景である。石垣が取り去られ土手のようになってしまった。石垣上の木々も切り倒されあっけらかんな状態になってしまった。
おや、親子連れだ。父親は切り株に腰を下ろし、幼い娘はシートの上で正座をしている。日向ぼっこをしながら昼食をとっているようだ。何十年か前は我輩も自分の子供ともこうしたもんだったたのだが、今ではすっかり忘れてしまっている。
と言うよりこの様なことはもう出来ない。何か一抹の寂しさを感じてしまった。
もう少し気候がよくなってから彼ら同様に母と親子の会話でもしたいものだ。