春日大社より”ささやきの小径”を通って、高畑(たかばたけ)へ出た。
ここには、志賀直哉の旧居がある。昭和初期に住んでいたお宅で、自ら設計し、多くの文化人達が出入りをしていたという。修復中のようだったので、中には入らなかった。
そこからちょっと行くと、新薬師寺がある。光明皇后が、聖武天皇の眼病平癒を願って建立したという。この本堂は、簡素ながら、国宝。でももっとすごいのは、その中にある12神将だ。天平時代の仏像達が、奇跡的に、残された。その迫力には脱帽。
隣で、ビデオ放映をしていたが、わずかに残された色を元に、創建当時の色を再現したビデオだ。すごい、きらびやかな像であったようだ。仏像ファンは、マストのスポット。
その近くに、奈良市写真美術館がある。写真美術館といっても、実際は、奈良の写真を撮り続けた入江泰吉氏の写真を展示している美術館だ。ここは予想以上によかった。
入江氏が、昭和中期に、奈良近辺の行事を撮りまくった特別展をやっていた。お祭りに参加している人々の表情もすばらしいが、その風俗自体が過去のものになりつつある今、歴史を伝える貴重な資料ともなっている。写真の素晴らしさを伝えてくれる。ミュージーアムショップも充実していて、入江氏の仏像の写真集を購入。まさに、この三日間で見てきた仏像達がいきいきと写し出されている。罰が当たると罵られながら撮ったそうだ。
さらに足を伸ばして、奈良百沁宸ノ行ったみた。奈良三大椿の名刹だ。創建は、奈良時代初期と言われる。この古びた石段もいい。
階段を上って来ただけあって、景色は抜群。奈良の町を見渡せる。
椿はやや旬を過ぎていたか。
犬養さんの石碑もあった。このあたりの散策もいいもんだった。