
サブプライムがらみの本は、多く読んだが、本書は、一番初心者にもわかりやすく書いてある本かと思う。
本書によれば、この状況は、5年ぐらい続く。過去5年間にあるべき成長率を上回る成長を世界経済が遂げてきた反動である。
ここ数カ月は、マーケットは、結構楽観的になってきているようにも見えるが、各国政府のカンフル注射の効果も大きいだろう。これは、最終的には、財政の圧迫、カンフル効果がなくなった時の反動につながる。カンフル注射は、永久にはうち続けられない。
実物投資への効果が上がりにくい状況が続いている中で、金融市場への投資の方が、効果が上がること自体、永続する道理がない。
この経済危機で、資本は相当傷んだものの、まだちゃんと残っているわけで、それを、中小企業対策、途上国中産階級への食い込み等、日本経済回復に資する投資に回すべきで、そのアイデアも盛り込まれている。
バラマキではなく、伸ばすべきところへの投資を、辛抱強く行っていくべき時期なのだろう。