かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

世界経済危機 日本の罪と罰

2009年05月29日 | Books


本書は、今回の経済危機について、日本の立場から、より幅広い分野で、わかりやすくかつ専門的に解説した書としてお勧めだ。
筆者の意見が色濃く出ているので、違和感を覚える人もいるかもしれないが、書かれてから半年ぐらい経った今も、大筋で、振れていない。今回のバブルの時期に、日米双方で、暮したメリットも、こういう考え方ができた一因だろう。

教科書風に、各章のまとめがついているので、本書の意図をつかむのには、このまとめをずっと読んでいけばよい。

ただ、本書の結論は、アメリカの今、日本の今を変えない限り、この問題は、解決しないということだ。アメリカの今とは、外からの借金で、実力以上の生活を享受するライフスタイル。日本の今とは、自動車産業等輸出産業に有利な政策をとることにより、国力を増そうとする政策だ。
かつては、日本の企業が儲かれば国民に還元され、国全体が潤うという構図があったかもしれないが、今は違っているということは、過去5年で、皆経験してきたことだろう。一方、円高になれば、輸出企業はたいへんだが、相対的な個人の収入は増加し、そこにバリアフリーなトレードができる体制があれば、もっとも豊かな暮らしが遅れるはずだ。

経済学とは、全く反対の意見が共存していても、正解がわからないという深みのある世界だとつくづく思う。円高がいいのか、円安がいいのか。金利は高い方がいいのか、低い方がいいのか。
ただ、今の政府は、何も考えず、選挙を意識したばらまきをやっているとしか見えないということは言えるだろう。
コメント
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