かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

【エッセンシャル版】マネジメント

2010年12月25日 | Books

symbol5今日は、寒風吹き荒ぶ中、今年最後のゴルフ。流石に、寒かった。スコアは、散々だったが、言い訳のネタは沢山ある。

思わず、帰りに、熱を発するスポーツ用アンダーウエアと、右手の甲を覆う手袋と、冬用ゴルフ帽を買ってしまった。これが、私の今年のクリスマスプレゼント?



”もしドラ”につられて(今日本屋に行ったら売り切れていた!)本書を読んだら、やや期待はずれかもしれない。あまりにも真面目な、しかも広範な議論をしているからだ。
私も、初めて読んだのだが、ちょっと古くなりかけているかなとは思う。
元の本は、1975年のもので、世界は、それからずいぶん変わっている。
ただ、マネジメントの本質という意味では、本書は、まだその輝きを失ってはいない。だからこそ、まだ売れ続けているし、読み直されている。
写真の帯には、50万部と書いてあるが、60万部も突破したらしい。”もしドラ”も売れ続けている。
やはり、マネジメントの難しさが変わっていない証拠かもしれない。今の、政治、経済情勢を見れば、いやでもわかる。

本書の後書きにはこうある。
"本稿は、何らかの結論を出すことを意図したものではない。問題を提起するためのものだった。基本とするテーマはただ一つである。すなわち、今日の社会、コミュニティの中心は、技術でも、情報でも、生産性でもないということである。それは、成果を上げるための社会的機関としての組織である。この組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関がマネジメントである。
そして、もう一つ前提とすべきパラダイムがある。マネジメントが責任を負うものは、成果と仕事に関わることすべてである。”

本書には、なるほどと思う銘言が散りばめられている。やや、回りくどい(もしくは哲学的な)表現になっていると感じられるところもあるが、マネジメントを行う立場になった人は、一読すべき本であることは間違いない。本書の中に、使えるヒントは、必ずある。

ちょっと覚えておきたいところのみ、備忘録代わりに載せておく。

☆マネジメントのコンセプトは7つ。①生産性向上のための科学的管理法②組織構造としての連邦分離組織③人を組織に適合させるための人事管理④明日のためのマネジメント開発⑤管理会計⑥マーケティング⑦長期プランニング。

☆新たなマネジメントのニーズ①新しいものの創造②企業のみならず、あらゆるもの組織のマネジメント③知識の生産性を高めること④マネージメントをグローバルに行うこと。

☆企業の目的は、顧客を創造することである。

☆生産性に重大な影響を与える要因は、①知識②時間③製品の組み合わせ④プロセスの組み合わせ⑤自らの強み⑥組織構造の適切さ。

☆利益の持つ機能は、①成果の判定基準②不確定性というリスクに対する保険③よりよい労働環境を生むための原資④医療、国防、教育、オペラなど社会的なサービスと満足をもたらす原資。

☆事業の将来予測の要因は、①人口構造の変化②経済構造、流行と意識、競争状態の変化③今日の財や、サービスで満たされていない欲求は何か。

☆目標を実現するうえで必要な利益をあげている企業は、存続の手段を持っている企業である。

☆生産性向上の条件は、①分析②総合③管理④道具。

☆日本企業でも成功の特徴は、①インダストリアルエンジニアは、職務の設計は、行わず仕事の内容を明らかにした段階で職場に任せる②トップマネジメントまでが退職するまで、研鑽を日常の課題とする③終身雇用制④福利厚生の重視⑤若いものの面倒、育てることこそ、マネジメントの第一の責任⑥組織全体のために責任を果たす観点から考えることが期待される。

☆働きがいを与える条件は、①生産的な仕事②フィードバック情報③継続学習。

☆社会的責任の遂行は、マネジメントにとって第三の役割。→今から、35年前にCSRを論じていた!

☆政府と企業の関係を律してきたのは、自由放任ではなく、2つの政治モデルだった。重商主義(マーカンティリズム)と立憲主義(コンスティテューショナリズム)である。

☆岩崎弥太郎は明治維新直後1868年、ほとんど一文無しの武士からスタートした。15年後には、三井、住友という17世紀から続く産業勢力を抜いた。その後、成長は鈍化し、衰退の兆しさえ見え始めた。だが、三菱にとって幸いなことに、彼は、1885年、50歳でこの世を去った。

☆マネージャーの役割は、①部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源よりも大きなものを生みだす生産隊を創造すること②あらゆる決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来に必要とされるものを調和させていくこと。

☆マネージャーの仕事は、①目標を設定する②組織する③動機づけをコミュニケーションを図る④評価測定する⑤人材を開発する。

☆真摯さなくして組織なし①強みよりも弱みに目を向ける者をマネージャーに任命してはならない。②何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネージャーに任命してはならない。③真摯さよりも、頭のよさを重視する者をマネージャーに任命してはならない。④部下に脅威を感じる者を昇進させてはならない。⑤自らの仕事に高い基準を設定しない者もマネージャーに任命してはならない。

☆管理手段の要件は、①有効でなければならない②意味あるものでなければならない③測定の対象に適してなければならない④精度は、測定に適していなければならない⑤時間間隔が測定の対象に適していなければならない⑥単純でなけらばならない⑦行動に焦点を合わせなければならない。

☆トップマネジメントの役割は多元的である。①事業の目的を考える②基準を設定する③組織をつくりあげ維持する④トップにある者としての渉外⑤儀礼的な役割⑥重大な危機に際して、自ら出動する。

☆取締役は、機能していない。→今も、取り締まられ役と揶揄されている。

☆多角化のマネジメント。技術系の人は、「うまくいかなくなりそうなものは、いずれうまくいかなくなる」というマーフィの法則を口にする。「何かがうまくいかなくなると、すべてがうまくいかなくなる。しかも同時に」は、ドラッカーの法則。

☆リーダー的な階層にあるということは、正当性が要求される。正当性の根拠は、人の強みを生産的なものにすることである。

ちょっとあげただけでもこんなになってしまったが、とにかく盛りだくさんの本なので(これでも【エッセンシャル】?)、できることから一つづつ、実践してみることが大切なのだろう。

Merry Christmas !





コメント
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