/今日は、小雨がぱらつく生憎の天気だったが、上野の「法然と親鸞」展に行ってきた。今年春に、京都での、法然展、親鸞展には行ったが、今回は、上野ということで、再度、ゆっくり堪能できた。
今年は、法然さんが亡くなって、800年、親鸞さんが亡くなって750年という、浄土宗、浄土真宗にとっては、50年に一度の重要な年。気合が入った展覧会。
京都で見たものと、たぶん7割ぐらいはかぶっている。特に、法然さん、親鸞さんに直接関連する展示は、もっと高い確率でかぶっているだろうか。
ただ、こちらの方が、会場が広く、しっかり見れたような気がした。いろいろ展示替えがあるので、もしかすると、会期を通しての展示の差はそう多くないのかもしれない。
空海展と違って、芸術性というよりは、宗教に興味のある人向けの展示なので、混み具合もリーズナブル。日本最大の宗教集団である浄土真宗とその親分的存在の浄土宗にかかる展覧会で、展示も、その教祖、教え、庶民への浸透に関するものが中心。
貴族の時代から、武家の世界に移行する大変革の時代で、社会が混迷を極め、天災も多かった時代だからこそ(東日本大震災は、当時以来とする説もある)、民は仏に救いを求めた。それが、浄土思想、阿弥陀信仰というわかりやすい形で、当時の民から圧倒的な支持を受け、それが今まで続いている。
当時の世相と共通することが多い今、お勧めできる展覧会だ。
ミュージーアムショップに寄ったら、今奈良で、開催中の正倉院展の図録があったので、GETした。本当は、行く予定だったのだが、日帰りツアーがキャンセルになってしまって、個別に行くと高くつくので、今年は、6年振りに断念した。
図録を見ると、今年の目玉は、大刀のようだ。東大寺で発掘されていて、元は、正倉院宝物であったと判明した大刀とともに、収められていたものだが、確かに見事。唐から伝来したものだが、まさに、国が統一されてから間もないころの、権力の象徴だったのだろう。
当時の勇ましい天皇家を彷彿とさせる逸品。
今年は、残念。今回の展示品を見ると、10年前ぐらいに展示されていたものが多いので、10年間皆勤賞だと名品は、一通り見れるという仕組みらしい。
とにかく世界に誇れる名品ぞろいであり、これからもできる限り行きたいと思っている。